夏の思い出は蝉の味

あっという間に過ぎ去ってしまった夏...。
四季の中で夏が1番好きな私にとって、秋の訪れは毎年とても寂しい気持ちになります。
(正直、1年の半分以上夏でも良いくらいです!!!)
今年もそんな短い夏の間に海や山で生き物観察をしたり、田んぼでお米を育てたりと、楽しい思い出を残すことができました。
今回のブログでは、そんな私の夏の思い出のひとつを紹介したいと思います。
個人の思い出話なので気軽にご覧ください。
私はこの夏、出勤時にセミの抜け殻を拾うということを日課にしていました。
(気づいたら毎朝拾っていました)
合計14日間続けた結果、合計199匹、5種類のセミの抜け殻をゲットしました!
ちなみに採集場所はお台場の未来館付近です。
全て机に並べてみました↓
朝、抜け殻をすべて採りきっても、翌朝、また抜け殻がくっついている。
一体どれほどのセミたちがこの地面の下にいるのだろうと、少し想像するだけでもゾッとしましたね。。
せっかくなので採取したセミを紹介します↓
こうして始めてしまったこの日課のおかげで、大量のセミの抜け殻が手元に残ることとなりました。
ど、、どうしよう...。
そんなある日、本屋にフラっと立ち寄ったところ一冊の本に目が止まりました。
"昆虫をたべる!昆虫食の科学と実践"
これだ...!
手に取ると、監修は元科学コミュニケーターの水野壮さんでした。
ということで、私はこの大量の抜け殻を食材として見直し、食してみることにしました。
("生き物を食べる"ということにもともと強い関心もあり、このような結論となりました。よかったらコチラのブログもどうぞ。)
さっそく水野さんが立ち上げに参加しているNPO法人食用昆虫科学研究会の方に、抜け殻を使ったレシピがないか相談したところ、すぐに2つのレシピを紹介していただきました。
教えていただいたレシピは「クッキー」と「フリッター」です。
(フリッターは教えていただいた作り方を間違えてしまいました...)
では実際に作ったときの写真とともに、料理を紹介していきます。
※昆虫を調理する際の注意事項(加熱処理や種類など)を承知した上で実施しています。
レシピ1:クッキー
レシピ2:フリッター(?)
番外編(自分で試作):セミの抜け殻炒め
全ての料理はSC数名に協力してもらい、味や見た目などについて評価をつけました。(作った私も食べます)評価のポイントは「料理」としておいしいかどうかです。
評価の結果とコメント。
3位:炒め物
「殻が舌に残る(I田氏)」
「口に刺さる(A宮氏)」
「エビの殻だけ食べてるみたい(谷A氏)」
2位:フリッター(?)
「マヨが合う(A宮氏)」
「揚げたてがよかった...(K平氏)」
「一番うまい(I藤氏)」
1位:クッキー
「うまい(I藤氏)」
「おいしい(A宮氏)」
「ツブツブ感が良い(作者)」
いつまでも殻が口に残ってしまうことが食材としての大きなハードルとなっており、細かく刻んだり、カリッとクリスピーにしたりすることで、料理としての評価を高められるかもしれない...と次回への策もみえてきました。(せっかくなら何かおいしいものを作りたい)ちなみに殻自体は無味です。甲殻類アレルギーの方はご遠慮ください。
食材として関わったことがないので、おいしい料理にするまでの道のりはまだまだ先が長そうですね。(中国では漢方として一般的に親しまれているようです)
今回の経験を通して、あらためて「食べる」という行為において自分が求めるものは「おいしさ」なのだと気づきました。
おそらく、現在スーパーにおかれていない食材(生き物)の多くも、セミの抜け殻と同じく「おいしくない」という理由から除かれているのではないでしょうか。
私たちが普段食べていないものをおいしく食べる。
一見すると奇妙な行動に思えるかもしれませんが、おいしさを「食材」ではなく「調理法」に求めることで、いろいろな生き物を食材として食べられるようになり、いま絶滅が心配されている生き物たちの生息や、食糧危機に対応することができるようになるかもしれません。
(努力の甲斐あってセミの抜け殻料理が完成したあかつきには、スーパーにセミの抜け殻が登場する日がくるかもしれない...)
そんなことを遠くで考えつつ、次回作の試行に取りかかりたいと思います。
きょうほぼ初めて未来館を訪れ、コ・スタジオでのコミュニケーターさんの話が一番、印象に残りました。そこでブログをのぞいたら、きれいなお顔の写真と昆虫食の話の過激さの落差ににさらに、興味を惹かれました。きょうは、ノーベル関連の話しが聞きたくて言ったのですがまた、行って見ます。
よしとめ様
この度はご来館とブログへのコメント、誠にありがとうございます!
私たち科学コミュニケーターは、みんな様々な背景や(マニアックな)趣味を持っています。私は昆虫と食べることが好きなので「昆虫食」に興味があるのですが、他にも「地層をみると地質を考えてしまうコミュニケーター」や「海岸に近づくと磯を調査せずにはいられないコミュニケーター」など、とても面白い趣味をもった仲間がたくさんおります(笑)
次回ご来館の予定がありましたら、ぜひ私たち科学コミュニケーターに話しかけてくださいね!よしとめ様とお会いできることを楽しみに、一同未来館でお待ちしております。