旅で見つけた"なぜ?" ターコイズブルーの湖

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さて、これはどこの景色でしょう?

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答えは・・・

ニュージーランド南島の中ほどにあるアオラキ/マウントクック国立公園です。この国立公園内で一番高い山がマウントクック(=クック山)。マオリ語でアオラキと呼ばれます。

年末年始の休みを利用して、ニュージーランド南島を縦断する旅に行ってきました。

壮大な大自然との出会いは、何ものにも変えがたい大切な思い出になりました。科学コミュニケーターの自己紹介欄にも書いているのですが、私の趣味の一つは旅。年に一度は日本を出ずにはいられません。

さて今回はニュージーランドで、ある絶景を見たときに生まれた"なぜ?"について調べたことをご紹介します。

 

その景色がこちら!

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マウントクック近くにあるプカキ湖です。表面積は99平方キロ。琵琶湖の表面積は670.4平方キロですから、数値で比べると小さく感じますが、目の前にするとプカキ湖もとても大きな湖です(琵琶湖がどれだけ大きな湖なのかも改めて認識!)。この日は運良く快晴。写真では100%正確に伝えきれないのが残念なのですが、本当にきれいなターコイズブルーなのです。鮮やかな青色に白さが混じったような神秘的な色で、運転中に突然見え始めたこの景色に思わず「すげー!!!!!」と続けて3回叫んでしまうほど。

 

そこから数十分、この初めて見るきれいな色の湖に沿って車を走らせながら頭に浮かんだのは「なぜこんな色をしているのか?」という疑問でした。きっとこの景色を見た多くの人が同じ疑問を抱くのではないでしょうか。

 

ちなみに翌日は曇り。プカキ湖は晴れの日とは違う色を見せてくれました。

それがこちらの写真。ミルキーブルーといった感じでしょうか。

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はて、この白っぽさはどこから来るのだろう?

 

そこで思いついたのは、湖につながる川の色です。ブログの最初に載せた写真に川が写っていますが、白く濁っているのがわかります。

考えてみれば、日本にも印象的な水の色を持つ場所があります。例えば、北海道美瑛町にある「白金青い池」(いつかは行って見たい!)また、大分県の湯布院温泉など、温泉地にも同じような青白い色をした場所があります。いずれも水の中に含まれる成分が色に関係していることはなんとなく想像できます。

 

では、プカキ湖には何が?

 

プカキ湖は、マウントクックから流れるタスマン川の流れ着く先にあります。きっと、山から何かが流れてきているに違いない!調べてみると、やはり氷河と山が白さを作り出す源でした。

 

この国立公園はニュージーランド最大級の雄大な山々と氷河が特徴です。長い年月をかけて押し固められた氷河は、氷のままでも時間をかけて少しずつ下へと流れているそうです。水が流れるのはわかりますが、氷も流れるものだとは知りませんでした。流れる氷河は山の岩石成分が削り取りながら山の下の方へと流れていき、やがて溶けて川となります。削り取られた岩石成分は非常に細かい白色粉末となって川に混ざりながら流れていき、その先の湖で泥状になって沈殿します。

また、マウントクックは約2億6000万年前に地中深くに形成された花崗岩(かこうがん)からできていて、それがゆっくりと侵食によって現れたものだそうです。花崗岩は墓石などにも使われている白っぽい色をした石です。だから、水が白く濁っていたのですね!

 

すごい!山の歴史にロマンを感じるとともに、地学のおもしろさに気づけた瞬間でした。

ふむふむ。これで水の色が白くなるわけはわかりました。

 

・・・でも、コバルトブルーあるいはミルキーブルーに見えるのはいったいなぜ?

まだ疑問は残ります。

 

天気によって色が違って見えるということは、光に関係がありそう!私は以前の記憶をたどり、自宅にある「光」に関する本を手に取りました。

 

私たちが見ている「物質の色」とは、その物質が反射した「光の色」のことです。太陽光は白く見えますが、実は様々な色の光が合わさっています。物質に届いたそれらの光のうち、一部の色の光は吸収されますが、吸収されずに残った光は反射して私たちの目に届き、脳がそれを物質の色として認識します。

 

中でも、水は赤い光を吸収しやすいそうです。吸収されずに湖の中へ進んだ青い光が、白い岩石成分にぶつかって散乱し、私たちの目にターコイズブルーとして届いていたのですね。天気が良く太陽光が強ければそれだけ光の散乱も強くなるので、曇りの日に比べて青さがより鮮やかに見えていたのです。なるほど納得!

 

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そういえば、白色系のバスタブにはったお湯の色が青っぽく見えることがあります。あれも光の吸収によるものだったのですね。ちなみに、白金青い池や別府温泉などでは、アルミニウムやケイ素の酸化物が水の白っぽさを作り出すのに関係しているようです。

 

マウントクック~テカポのエリアでは、地表に転がっている氷河も見ることができます。氷河は、年々とその量が減ってきているとのこと。それについては、次の機会にご紹介したいと思います。

 

みなさんはこれまでに見た景色で、どんなものが印象に残っていますか?

 

 

<参考>

Mount Cook National Park Management Statement 2013

◇光とは何か 虹のメカニズムから「透明マント」まで(上智大学理工学部教授 江馬一弘 著)

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