二酸化炭素は増えて、減って、増えて、減って...なぜだろう?
 ──未来館の常設展示より

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「人間」そして「社会」に続き、

 「地球」のスケールに視野を広げ、世界をさぐります。


未来館の常設展示を紹介する不定期連載の第3回。

シンボル展示のGeo-Cosmosをはじめとする「ジオ・ツール」を使って、地球をデータで眺めます。



今回、取り上げるのはこちら。


Geo-Cosmosに、1985年から2010年までの、大気中の二酸化炭素濃度の変化を映し出しました。



何か、気がつくことはありますか?

(読み進めて答えを見る前に、よく観察してみてください)

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多くの方がまず気づくのは、

 「色がだんだん派手になっていく」



そうですよね。

二酸化炭素はだんだん増えていっています。



では、もう少し詳しく。

「増え方」や「場所」に注目すると、どんなことに気付くでしょうか?



今回紹介する「CO2濃度の今昔」は、Geo-Cosmosでの定常的な上映は行っていませんが、館内のテーブル型端末のGeo-Scopeおよび電子書籍などでいつでもご覧いただけます

20171205_tani07.jpg

Geo-Scopeの体験イメージ



まず「増え方」。単純に増えているだけでしょうか?

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 「増えたり、減ったり、している」


そう、周期的な波のような感じがありますよね。



では、いつ増えて、いつ減っているでしょう?

中央の下部に出ている年月に、注目してみてください。

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 「夏より冬の方が増えているのかな」



そう。でも、なぜでしょう?

20171205_tani08.png

左から、1993年1月、7月、1994年1月、7月
冬に増えて、夏に減るのはなぜでしょう?

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 「冬は、暖房をたくさん使うから?」



う~ん、それも確かにあるかもしれないけれど、もっと大きな理由があります。

冬に増える理由よりも、「夏に減る理由」を考えると、気づきやすいかもしれません。

未来館の窓の外に見える景色にも、ヒントがあります。

20161205_tani01.JPG

この景色は、夏と冬でどう違うでしょう?(2017年11月撮影)

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...


「...!」


そう、植物です。

春から夏にかけては光合成が活発で、二酸化炭素をたくさん吸収してくれるのです。



グラフにしてみると、

20171205_tani03.png

二酸化炭素濃度の変化(地球の平均)。Geo-scopeで見ることができます。


1年周期の波がありつつ、全体は右上がり。二酸化炭素の濃度が上がっているのは、植物が吸収するよりも排出量の方が多く、"収支"が合わないためです。



今の地球で二酸化炭素は、「循環しきれていない」のです。



このデータからは、ほかにもいろいろなことを読み取ることができます。



たとえば「場所」に注目すれば、

・人口が多い北半球の方が、増加が早いこと

・特に、東アジアやヨーロッパ、アメリカ東海岸(隠れていますが)が排出源になっていること

・でも最終的には、地球全体で濃度が上昇していくこと

などが分かります。



こうしていろいろなことを読み取って、何を感じるでしょうか?


 「植物って、こんなに"頑張って"くれているんだ」

 「大気には国境がないから、二酸化炭素も広がっていくのか」

 「このまま二酸化炭素が増え続けると、どうなるのだろう?」

 「循環させるためには、どうしたらよいのかな?」


生態系や地球、未来との「つながり」を感じてくれた方がいれば、


 「人間の影響って思ったより大きいんだなぁ」

 「地球と比べると、自分の存在は小さく感じられる」


などと、素直に話してくれた方もいます。



広い視野で世界を眺めるからこそ感じられること、きっといろいろあるんだと思います。



ジオ・ツールでは、ほかにもいろいろなデータを見ることができます。


20171205_tani06.png

Geo-Scopeでアクセスできるデータの一覧


Miraikan Channel「Geo-Cosmosコンテンツ」にも26本の動画があります
https://www.youtube.com/playlist?list=PLkb9PWPgGLjECjn76moG-cutYMZhcQPXY



「地球」という大きなスケールの視点から、自分たちが住む世界について、いろいろと発見してみませんか?


20171013_tani01.jpg

Geo-Cosmosは通常「最近90日間の雲の動き」を日々更新して映しています


未来館にお越しいただければ科学コミュニケーターがお手伝いしますし、オンラインでもMiraikanChannelの動画や電子書籍でデータをご覧いただけます。



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【紹介展示】
ジオ・ツール
http://www.miraikan.jst.go.jp/exhibition/tsunagari/


【オンライン・アクセス】
MiraikanChannel
https://www.youtube.com/playlist?list=PLkb9PWPgGLjECjn76moG-cutYMZhcQPXY

電子書籍のGeo-Scope(上:日本語版、下:英語版)
https://itunes.apple.com/jp/book/id1088303900
https://itunes.apple.com/us/book/id1088314600

【ブログ記事「未来館の常設展示より」シリーズ】
●人間を科学して行き着いたのは?
http://blog.miraikan.jst.go.jp/other/20171030post-764.html
●「100億人でサバイバル」するための、世界のとらえ方
http://blog.miraikan.jst.go.jp/other/20171201100-2.html

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