“間「ま」”の魔力 ~沈黙はプラチナ級!?~

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みなさんこんにちは。科学コミュニケーターの豊田です。

今回は、話の中での“間「ま」”、沈黙の時間についてのお話です。

さっそくですが、下の2つの話を聞いてみてください。

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A B

AとB、どちらの方が好きですか?…と聞くと、好みが分かれてしまいそうですので、質問を変えてみます。どちらの方が、告白された側として、より“ゆとり”を持つことができそうですか。おそらくBの方が、突然の告白にビックリした気持ちを実感したり、どうお返事しようかと考えたりする時間を持つことができるのではないか、と思います。

AとBの違い、それは“間「ま」”の取り方です。

おしゃべり好きな私が、未来館の科学コミュニケーターになって最初にぶち当たった壁が、この“間”を上手く使いこなすことができないというものでした。お客様との会話の中、沈黙の時間があると落ち着かず、次から次へと持っている限りの情報を話したり、自分の話が終わった次の瞬間にお客様に感想を聞いたり。“間”ができてしまうことで、お客様との距離が遠くなってしまうのではないかという不安があったのです。

ですが、今ではこの“間”はとても魅力的なものになっています。沈黙は金、と言いますが、上手な“間”の沈黙はプラチナ級だと思います。

例えば、生き物好きな方に特に大好評である、当館の展示「ユノハナガニ」の前での、ある日の話。下の2つの話を聞いてみてください。

おそらく皆さんは、一瞬だけでも、頭の中でカレーを思い浮かべたと思います。さて、どちらの話の方が、より長い間頭の中にカレーの絵が残り、より強く“におい”を意識したでしょうか。そして、今回は私の一方的な話のみを例にしましたが、もしこの話の中で皆さんが質問したり答えたりするとしたら、どちらの方が入りやすいと感じたでしょうか。

私が普段、会話を通して科学コミュニケーションをする際に気をつけていることの1つは、“伝える”ではなく“伝わる”コミュニケーションをすることです。そのために、私の話す情報を、聞き手側の情報受け入れ箱の中に、聞く+理解がほぼ同時で進めるよう、程よいスピードで入れる必要がありますし、聞き手側から積極的に話が出てくるような環境を作ることも大事です。そのために“間”が効果的なのです。

間の取り方はいくつかありますが、特に私が意識しているのは2つ。一文の終わりの“間”と話の中のキーワードの直前の“間”です。前者は、聞き手側にその一文の内容をもう一度整理してもらうためのもの、後者は、聞き手側にそれまでのやり取りとは違った雰囲気を作り、重要なことを聞く意識を自然と高めてもらうためのものです。

…と話すと、皆さんも、普段の何気ない会話の中で起こる「間」が気になるかもしれませんね。ぜひ、“間”の魔力を楽しんでみてください。

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