恋愛コミュニケーション?

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未来館には日々さまざまなお客さんが来館されます。学校の校外学習、修学旅行生、親子連れ、カップル、友達同士、自分探しをする大学生、仕事が嫌になって飛び出してきたサラリーマンなどなど、本当にさまざまです。

科学コミュニケーターの仕事は来館したお客様に少しでも未来館を楽しんでいただくことですが、そのためには、すべてのお客様にそれぞれに適したサービスを提供しなければなりません。オーダーメイドのサービスですね。それも同じ立場のお客さんには同じ対応の仕方でいいわけではなく、例えばカップルであれば、その付き合い始めてからの段階によって対応の仕方は変わってきます。

以下、わたくし荒川が考える、カップルの交際期間別、科学コミュニケーション法をご紹介しましょう。

【付き合って数週間~数ヶ月のカップル】

まだ付き合いたてのカップルですね。この時期のカップルはまだお互いの信頼関係が確立していない場合が多いため、デートの目的は二人だけの空間を作り出して信頼関係を構築することになりがちです。二人に降りかかるすべてのものが二人の仲を引き裂く為にあるのだと感じてしまうのもこの時期なのです。そのようなカップルに対して科学コミュニケーターが立ち入る隙は、基本的にはありません。

コミュニケーター「これはパロという癒し系のロボットです。ぜひ触ってみてください、反応して喜ぶと思います。いかがですか、かわいいでしょう。」

A男「かわいいですね。でも・・・B子ちゃんの方がもっとかわいいよ・・・」

B子「きゃっ、A男くんったら・・・」

そんな会話が繰り広げられたら、コミュニケーターは科学コミュニケーションを諦めて退散するしかありません。時には退くことも立派なコミュニケーションなのです。

【付き合って数ヶ月~1年のカップル】

この時期のカップルはお互いの信頼関係が構築され、安定期に入ります。二人に降りかかるすべてのものが二人を祝福しているかのように感じられ、ときとして周囲からやっかみ半分に「バカップル」などと呼ばれたりするのもこの時期です。

コミュニケーター「いかがですか~、実演ご覧になりませんか~」

一般来館者「なんかつまんなそうだな・・・」

A男「なんか楽しそうだな!見てみる!」

B子「ほんと、なんか楽しそう!」

コミュニケーター「いかがですか!生命ってすごいでしょう!」

A男「確かに!すごいですね!」

B子「うん、すごい!とにかくすごい!」

こうしたカップルは科学コミュニケーションを存分にするチャンスです。二人にとってはまだデートとは、二人の時間を楽しむことが目的であり、未来館はその手段の一つにすぎません。明確な目的意識を持って来館するわけではないので、科学コミュニケーターからの提案を断る理由がないのです。

【付き合って1年~数年のカップル】

二人の関係は非常に安定しており、相手の存在はお互いに空気のように当然なものとなっています。この時期に来館したカップルは、デートそのものは目的とはならず、未来館という科学館を楽しむことそのものが目的となっていることが多いのです。しかも未来館を選ぶということはカップルのどちらかが科学に深い素養を持っていることが非常に多く、科学コミュニケーターは生半可な知識では一蹴されてしまいます。

コミュニケーター「これは歓迎する数字と言って、増えていく数字を触るとそれの意味が出ます。光って速いですよねぇ」

A男「いや、僕ゲームを作ってるんですけど、タッチパネルに興味があってね。これってどこのメーカーが作ったのかなぁ。ソフトがおもしろいですよねぇ。」

B子「ちょっとー、A男君詳しいんだからそんなこと言ってもこの人わかんないよーかわいそうだってー」

コミュニケーター「・・・」

しかし知識で負けそうだからといって引き下がってはいけません。少なくともお話をしたからには何かを持ち帰っていただく。それが展示フロアに立つ科学コミュニケーターの仕事なのです。

 

以上のように、同じカップルという立場であってもそれぞれの事情によってサービスの提供の仕方はまったく違ってきます。もちろん見た目だけで交際年数までわかりませんし、そもそもこの法則が本当に成り立つかどうかは大いに怪しいものです。ですが、常にオーダーメイドのサービスを提供することを心がけることが、未来館の科学コミュニケーターの仕事なのです!

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この記事への2件のフィードバック

うむ、面白い。恋愛物語展からもう6年、ずいぶんいろんなことが判りましたからまたやりたいですね。

コメントありがとうございます。

恋愛は、生命体としてのヒトを考える上でとても興味深い現象だと思っています。恋愛の科学が体系化され、知恵として広く一般に知られるようになれば、恋愛で苦しむ人も少しは減るのでしょうか。

恋愛物語展:http://www.miraikan.jst.go.jp/spevent/lovestory/index.html

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