体験!「ぼくとみんなとそしてきみ」ガイドツアー

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12月22日に5階の「世界をさぐる」の「人間」コーナーに新しい展示「ぼくとみんなとそしてきみ―未来をつくりだすちから―」がオープンしました。

科学コミュニケーターの石川と岩﨑は、展示を用いてどのような科学コミュニケーションができるのかを考えるメンバーの一員として、展示のガイドツアーと、15分で科学の話題をわかりやすく紹介するサイエンス・ミニトークを準備してきました。今日は、主にガイドツアーを担当した石川よりツアーの制作過程と見どころをご紹介します。

昨年11月17日(土)と18日(日)にクラブMiraikan会員のみなさまにご協力いただき、モニター会を行いました。体験しやすさはどうか、展示からどのようなメッセージを受け取ったか、などを見ていただきました。

【仕掛け絵本を実際に動かしてもらいます】

【混んでいる時の動線をチェックします】

展示では「意識せずとも他の人間と関わってしまう人間の性質」を、4巻からなる絵本で体験します。参加者のみなさんへのアンケートやインタビューの結果、浮かび上がってきた課題の1つは、展示全体としてのメッセージをいかに分かりやすく伝えていくかでした。

そこでガイドツアーでは、1巻から4巻までを通して、展示を回りながら、巻同士のつながりや各巻と全体メッセージとの結びつきを分かりやすく伝えることを目標にしました。

さらに、ツアーならではの長所は、参加者同士が一つの体験を共有できるということです。ただ話を聞くだけではなく、人と人との関わりを実感しながら、みんなで体を動かしたり笑ったりできる時間を作ろうと思いました。そして、一人で未来館に訪れた方にも、ツアーに参加することで、「意識せずとも他の人間と関わってしまう人間の性質」を楽しみながら実感していただけたらと願っています

こうしてできあがったツアー。12月13日(木)の関係者交流会でのお披露目を経て、翌週22日(土)の展示オープンでついに正式なデビューを果たしました。

【関係者交流会でのツアーお披露目】

ここからはツアーの見所紹介です。

1巻「ひとり -自分をうみだす脳-」では、他の人と関わる上でベースとなっているひとりの脳の中で起こっていることに注目します。ツアーでは脳のはたらきの中でも「感情」を取り上げます。絵本では「くさい!」という不快な感情を紹介しています。これに対し、私は快の感情の例としてこんなイラストを描いてみました。

【石川の描いたアザラシ】

アザラシの子です。かわいいですよね! 「かわいい!」というのは快の感情です。みなさんは、ほかに快の感情というと何を思い浮かべますか?

脳の中で快・不快の感情の処理に大きく関わっているのが扁桃体です。扁桃体は、目の前にあるものが命にとって有利か不利かを瞬間的に判断し、快・不快をうみだすのです。

【感情や記憶、判断をする脳内回路】

2巻「ふたりで -他者をとりこむ性質-」では、いよいよ人と人との関わりを考える上で重要な相手が登場します。一人の目の前にもう一人が現れることで起こる、ダイナミックな脳のはたらきに注目します。ツアーでは「共感」に注目します。日常生活でもなじみのある「共感」。科学的には、他者の感情を自分の脳の中で再現することです。

ここで、共感する時の脳の働きを体感してもらうために、私が体を張った実験をします。

【共感についての実験】

どんなことをするのかは見てのお楽しみです。「ちょっと痛い」とだけお伝えしましょう。

【実験の練習。何をしているのでしょうか】

さて、実験を見ている人も痛そうです。脳科学の実験では、このような時、ただ見ているだけの人も脳の中で、自分が痛みを受けた時と同じ部分が反応している、という結果が出ています。私たちは意識しなくても、相手の感情を脳の中で再現してしまうのですね。

この後、立て続けにもう一つの実験を行います。参加者のみなさん、思わず「こんなこと(何かはひみつ)」をしてしまいます。この「思わず」というのが大事なポイントなんです。

こうして和やかな雰囲気でツアーが進みます。最後のまとめでは、参加者のみなさんに一緒に展示を巡っただけでできた、無意識のかかわりについてふり返ってもらいます。日常生活のほんのちょっとした場面でもまわりの人と関わりを持ってしまう私たち。だとすれば、家族や友達、職場の人との関わりはいかがでしょうか?

【展示の出口でガイドツアーをふり返る】

自分というのは一人で完結するものではなく、常に他の人に影響されて作られている自分の存在というものがあります。自分と他の人との境は実は曖昧で、他者も自分の一部なんだ、そう思うことで私たちの生き方も変わってくるのではないでしょうか?

このツアーは2012年12月22日のオープンから今年に入って1月14日まで担当の科学コミュニケーターが交代で毎日10:10-10:30で開催しています。展示の見所をぎゅっと凝縮して体験したい方、ぜひご参加ください!

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