ソーラーパワード・ウミウシさんに会いにきて!

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以前、紹介した「ソーラーパワード・ウミウシさん」

なんと!「海藻が持つ葉緑体をぬすみ、自分が使うというスゴ技を実現したウミウシ」です。

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(そもそもウミウシとは何ぞや、という方はこちらをご覧下さい)
(え?葉緑体を盗む?どういうこと!?という方は、落ち着いて続きをお読み下さい)

この記事には、多くの反響をいただきました。ありがとうございます。

反響に喜ぶ反面、私には複雑な思いがありました。

本物のウミウシを見ながらお話できたら、もっといろんなことをお伝えできるのに......。

そして!なんと!この思い、実現させました!!

今週末(5月17日、18日)
未来館でソーラーパワード・ウミウシさんに会えます!
......たぶん。

今週末、と急なのも、たぶん、と弱気なのも、ウミウシが生き物だからです。
生き物とは何か?それは、いずれ死ぬ物です。

動物園や水族館など、行けばいつでも生き物に会える場所はあります。けれどそれは、飼育担当の方々の日々の相当な努力があるからです。また、飼育ができる生き物は、生き物全体から見ればわずかな種類に限られています。
今回、ウミウシたちを連れてこられたのも、関係各所のさまざまな方のご協力をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

  
  

さて、なぜ今、未来館にウミウシを連れてきたのか?

それは、今がウミウシのベストシーズンだから......というのも背景にありますが、それ以上に、お伝えしたいことがあるからです。

  
  

5月18日は「国際植物の日」!

国際植物の日は、世界のみんなで植物のたいせつさを考える日、として2012年にスタートした国際的な取り組みです。今年度は公式にはお休みなのですが、日本をはじめ各国が独自にイベントを展開しています。

植物はとても身近な存在。
私の今日のお昼ご飯を見ても、キャベツ、大根、人参、そしてお米!たくさん植物を食べました。植物が光合成によって作り出した有機物を、人間を含む動物たちは食べ、消化し、生きています。

一方、ソーラーパワード・ウミウシさんはというと、海藻を食べて、消化するだけではなく、海藻が持つ葉緑体をそっくりそのまま盗んで、光合成をさせています。これってとっても新しい植物の利用方法じゃない?

人間は、ほうれん草を食べたら体が緑になって光合成しちゃう......そんなスゴ技はできません。おそらく未来永劫、人間の体でそれを行うことはできないでしょう。

しかーし、光合成は人間には無理だ!とあきらめるのは、まだ早い!

「人工光合成」です。

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人間は植物にみならい、科学の力で人工的に光合成をする方法を模索しています。そうして生まれた技術の1つ「光のエネルギーをつかって水素を生み出す装置」は、未来館の3階に展示されています。

今週末、未来館で新しい植物の使い方にであいにきませんか?

ウミウシとともにお待ちしています。

 

 海藻の葉緑体を盗む!光合成をするウミウシの紹介

5月17日(土)11:00~12:00、13:30~14:30

5月18日(日)12:00~13:00、15:30~16:30

場所:5階 生命エリア

17日は熊谷、18日はサンゴの研究をしていた髙橋が担当します。
上記の時間帯中に会いに来てください。


※状況により、ウミウシの本物がいない可能性があります。

 

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この記事への3件のフィードバック

こんにちは。
突然のコメント失礼致します。
私はウミウシが大好きで、ウミウシの研究をしている高2です。
私はウミウシの色素と、ウミウシが食べる食べものの色素の関係性について研究しているのですが、それに関係する論文などをご存知ありませんか?
また、熊谷さんとお話しか連絡を取る方法はありますか?
もしございましたらお話をうかがいたくてこのようなコメント欄を利用させていただきました。
長文失礼いたしました。

ゆうさん

ウミウシのことに興味を持っていただいてありがとうございます。

色素の研究については、以下の論文があります。
英語ですが、がんばってみてください。

質問があったら、答えられれば答えます

>熊谷さま
このページをこういう風に使いっていいのかよくわかりませんが、偶然見つけたので答えてみました。問題があったら教えてください。

題名
Photosynthetic efficiency and kleptoplast pigment diversity in the sea slug Thuridilla hope

著者
P. Venutura, G. Calado, B. Jesus

雑誌名 巻 ページ (発行年)
Journal of Experimental Marine Biology and Ecology, 441 105-109 (2013)

URL
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022098113000348


題名
Pigment profile in the photosynthetic sea slug Elysia viridis (Montagu, 1804)

著者
S Cruz など

雑誌名 巻 ページ (発行年)
journal of Molluscan Studies 80 5 475-481 (2014)

URL
http://mollus.oxfordjournals.org/content/early/2014/04/15/mollus.eyu021.full

>ゆうさま

ウミウシの色素について研究されているんですね!ステキです。
ウミウシはとてもカラフルなので、色素と食べ物の関係、私も気になります。

私より早く、前田太郎さん(前回のソーラーパワード・ウミウシさん記事にご登場いただいた、ウミウシの研究者さんです)より、詳しいお返事を下さっていますので、見ていただきたいと思います。
紹介いただいている2つの論文はいずれも、ソーラーパワード・ウミウシさん(嚢舌目)の仲間、つまり、海藻を食べる海藻色をしたウミウシについての研究です。
Abstract(=概要)を読むと、大まかな研究内容が掴めます。
英語で、かつ専門用語もあるため、かなり手強いかもしれません…が、研究の世界の一端を垣間見られますので、ぜひチャレンジしてみてください!

後ほど、投稿時にお知らせいただいたご連絡先にメールをお送りします。どんなことに取り組んでいらっしゃるのかお伺いすることで、私がお役に立てることもあるかもしれません。よろしくお願いします。

>前田太郎さま

コメントを投稿下さいまして、ありがとうございます。
最近の研究成果のご紹介、大変ありがたいです。深く感謝申し上げます。

そして、もちろんこういった使い方、大歓迎です!
科学コミュニケーターブログが、書き手と読み手の2者のやりとりだけでなく、こうしていろんな方に参加いただける場になっていったら嬉しいです。
これからも(ウミウシの話題はもちろんそれ以外も!)どうぞよろしくお願いします。

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