after 3.11のエネルギー考 第1回 あなたを支えるエネルギー量はどれくらい?

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みなさんの会社や学校、家庭でも節電対策について話し合われていると思います。これまで使えることが当たり前だったエネルギーに、福島第一原発の事故以来、多くの人が注意を払うようになってきていますが、そもそも私たちが日々使っているエネルギーの全体量はどれくらいなのか想像つきますか?

世界のエネルギーに関する基本的なデータを調べるには、石油スーパーメジャーのBPがまとめているStatistical review of world energyというものが便利です。その2011年版によると、2010年の1年間に日本全体で使用されたエネルギーの総量は、石油の量に換算するとおよそ5億トンだったということです。より“身近”な電気エネルギーの単位で表すと、およそ6兆kWhという数字になります。kWh(キロ・ワット・アワー)という単位は、1000Wの電気製品を1時間にわたり毎秒毎秒ずっと利用し続けたときのエネルギーに相当します。やっぱり数字が大きすぎて良くわからないですよね。

具体的にイメージしやすくするために、この日本全体の1年間でのエネルギー量を、日本の総人口1億3000万人で割って、しかも1年間ではなくて1秒あたりに利用しているエネルギーに換算してみます。すると、6兆(kWh/年)/1.3億(人)/365(日/年)/24(h/日)=5(kW/人)となります。つまり日本人1人あたり平均して、常に5キロワットのエネルギーを使っている計算です。5キロワットというと、100ワット電球50個分です。日本人全員が1人あたり100ワット電球50個を、24時間×365日ずっと点けていることに相当します。これだけの量のエネルギーによって、今の日本という国と、私たちの生活が支えられているのです。

[caption id="attachment_2100" align="aligncenter" width="430" caption="【日本人ひとりあたりの平均利用エネルギー量は5キロワット】"][/caption]

 

びっくり仰天の数字でしたか? それとも意外に少ないと感じましたか? では昔の日本はどうたったのでしょうか。経済産業省のまとめるエネルギー白書には日本のエネルギーの歴史が載っています。下の図を見てください。国内で供給された一次エネルギー量の推移が、エネルギー資源別に示されています。1970年代のオイルショックや2008年のリーマンショックなどエネルギー供給量が減少する場面もありましたが、全体としては時間とともに増加傾向にあることがわかります。今から40年前の日本のエネルギー消費は、今の半分ほどだったようです。

[caption id="attachment_2101" align="aligncenter" width="430" caption="【エネルギー白書2010(経済産業省資源エネルギー庁)第211-3-1より抜粋】"][/caption]

 

それでは今のエネルギー量を、もっと昔と比べてみましょう。次の図は、1人あたりのエネルギー消費量の世界平均を、紀元前1万年まで推定して示したものです。

[caption id="attachment_2126" align="aligncenter" width="430" caption="【世界の1人あたりのエネルギー消費量の歴史】"][/caption]

Statistical review of world energy, BPのエネルギーデータ、US Census Bureau,World population informationの世界人口データ、および”Energy, Environment, Economics and Ethics (http://www.nd.edu/~philinst/energy.html), Chapter 6”の18世紀以前のデータを用いて独自に推定。

今度は縦軸のエネルギーの単位を、1日あたりのkcal(キロカロリー)で表しています。現在でも私たちは一人1日2000kcalくらいの食事を摂っていますが、自らの身体を使って狩猟採集の生活をしていた時代には、食物として得られるエネルギーが活動エネルギーのほとんど全てであったと考えられます。農耕が始まると、牛や馬などを使役することをはじめ、水車や風車などの道具も発明され、徐々に多くのエネルギーを利用するようになってきました。そして、およそ200年前から石炭・石油といった化石燃料の利用が始まったことで、1人あたりのエネルギー消費量の増加が一気に加速してきたことが解ります。このようなエネルギー消費量の増加が、今後も未来永劫続くでしょうか?

私たちはこれまで様々な方法で膨大なエネルギーを得て豊かな生活を送ってきました。しかし今後もいままでのやり方を続けることには問題がありそうです。これからはどのような方法でエネルギーを確保し、どのような未来社会を形作っていくのがよいのでしょうか? 科学データをもとに、皆さんと一緒に全5回シリーズで考えていきたいと思います。

 

after 3.11のエネルギー考 今後の予定

第2回 自然エネルギーの潜在能力は?

第3回 原子力エネルギーは中継ぎ投手?

第4回 石油はあと40年で無くなる!―オオカミ少年を信じる?

第5回 持続可能なエネルギーとは結局なに?

 

また、7月16日(土)に未来館で開催されるイベント「未来設計会議」でも、これからのエネルギーの選択について議論します。是非ご参加を!

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