ニュートリノで超新星爆発がわかるわけ

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「ニュートリノで~がわかるわけ」第3号です!(「ニュートリノ震動で宇宙がわかるわけ」「ニュートリノで地球がわかるわけ」参照)

8月23日に発見された超新星爆発の明るさが、9月13日ごろにピークをむかえたこと、みなさまご存知でしょうか。

銀河系を超えてずっと2000万光年先にいったところにある、遠い遠いかなたの星。M101と名付けられた銀河の端っこで爆発をおこし、銀河そのものの明るさに迫る輝きを見せました。ふだんなら天文台の大きな望遠鏡でもなかなか判別できない星が、双眼鏡さえあれば見えるほどの明るさに輝いたわけです。

このタイプの超新星爆発が双眼鏡さえあれば観察できるのは、一生に一度のことかもしれません!」、というわけでニュースになりました。(でも超光速ニュートリノのニュースに圧倒され、すっかり影が薄くなってしまいました・・・)

「このタイプ」といっているのは、超新星爆発にも種類があるからです。今回の爆発はタイプIa(ワン・エー)と呼ばれ、一番明るく、しかもその明るさが正確にわかっている、とても魅力的な爆発なのです。明るさが正確にわかれば、この爆発を元に距離や速度を測ったりできるからです。

日没後、北の夜空、北斗七星「ひしゃく」の取手の一番端、二個の星を結んで、上側に正三角形を作ります。その三角形の頂点あたりがM101銀河。

この超新星爆発、8月24日に発見されました。8月22日の夜空と8月23日の夜空を見比べて、突然明るく輝き始めた星が超新星爆発を起こした星です。24日には17等星。これがピーク時には10等星以上になりました。

別のタイプの超新星爆発なら、1987年にも起こっています。たった17万光年先の大マゼラン雲で超新星爆発が起こり、こちらは肉眼で見ることができる明るさに!観測は南半球で可能でした。

でも運良く日本のニュートリノ検出器「カミオカンデ」が稼働していて、この超新星爆発からやってくるニュートリノをとらえて話題になりました。

小柴昌俊氏が2002年にノーベル物理学賞を受賞されたのもこの功績によります。

その前の人類史上の超新星爆発はといいますと・・・400年以上も前の1604年にさかのぼります。このときはなんと、私たちの銀河系の中で起こりました。夜空で一番明るい金星に次ぐ明るさだったそうです。

銀河系の中で超新星爆発が起こると・・・!?

実はM101銀河では、超新星爆発が25年に一度くらいの割合で起こっています。前世紀では少なくとも3回は起こったといわれています。当時はできなかったことですが、双眼鏡で気軽に超新星爆発の観測ができる私たちはラッキーですね。

私たちの銀河では、もう少し頻度が落ちて100年に一度くらいといわれています。のはずですが、人類史上、実際観測された超新星爆発として確定的なのはまだ4回

1006年1054年1572年、そして1604年。一番明るかった1006年の爆発は金星の十倍以上の明るさで、3ヶ月にわたって輝きました。エジプト、欧米、中国、日本などで観察された記録が残っています。これは7,200光年先で起こったものです。

この割合でいくと、近いうちに銀河系内で起こらないかしら?と期待してしまいます。銀河系内でも超新星爆発の候補がいくつかあります。

太陽系から近いものだとほんの数百光年先。爆発を起こすと、月くらいの明るさで輝くかもしれません!一生に一度、見てみたいですね。

ニュートリノで超新星爆発予報?

そもそも超新星爆発とは何かといいますと、星が一生を終えるときに起こす爆発です。爆発を起こすためには、太陽の何倍もの重さが必要。

星が一定の大きさを保っていられるのは、内側から出てくるエネルギーなどによる圧力が重力によって押しつぶそうという力を支えているから。星が燃え尽きてエネルギーが小さくなると、重力によってものすごい速さで収縮します。その反動で爆発を起こすわけです。

超新星爆発にはいくつかのパターンがあります。太陽の何十倍も重い星が死を迎える場合にも起こりますし、二つの星がくるくるとお互いを回る「連星」になっていると、一方が相棒の質量を吸い取って爆発する場合もあります。

超新星爆発を起こすと、大部分のエネルギーを大量の光やニュートリノとして放出します。光は周りのガスなどに遮られてなかなか出てこないのですが、ニュートリノは違います。

ニュートリノはなんでもすり抜ける粒子なので、周りのものに邪魔されることなく真っ先に宇宙空間に飛び出ます。つまり、超新星爆発が空に輝く約3時間前にニュートリノ検出器は爆発を見ることになります。

でもこれはニュートリノが光速ぐらいで飛ぶ場合。先日のニュースであったようにニュートリノが超光速で飛んでいたとすると、話は違ってきます。(「ニュートリノは光速を超える?」参照)

OPERA実験で観測された速さでニュートリノが飛んでいるとすると、ニュートリノが地球に到達するのは数時間前ではなく数年前になります。しかし、実際には、カミオカンデでは3時間前に観測されました。(けれども超新星爆発からやってくるニュートリノとOPERA実験で作られているニュートリノはエネルギーが違います。OPERA実験のほうが1000倍くらい高いのです。光速を超えること自体、現在確立されている物理では説明できないのですが、超光速でもエネルギーによって速度が違うと想定すると、矛盾しているとも言い切れません。)

ニュートリノをつかまえるのは至難の業なので、超新星爆発がM101のように遠いとなかなか検出できません。でも銀河系内で起こったらわかるはず!ニュートリノの超新星爆発予報…ニュースになったらぜひご注目を。

参考

子持ち銀河で超新星爆発(英語)

超新星爆発9月7-8日に明るく(英語)

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この記事への1件のフィードバック

こんばんわ 林田美里様
四人のこどもの母です。
宇宙の話 分かってみたいとあこがれてました。
林田さんの記事はとても読みやすくてわかりやすくて、なんだか読んでいるうちにわくわくしてきました。
思わずフェイスブックでシェアーさせていただきました。
これからも記事を楽しみにしていますね。
では、おやすみなさい。

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