ノーベル賞レポート 〜未来館の舞台裏〜

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ノーベル賞の自然科学系3賞の発表が終わりました。

本っ当にたくさんのアクセスをありがとうございます。<(_ _)>

また、記事へのコメント、Twitter上でのつぶやき、本当にありがとうございます。

つぶやきで多かったのは「早い」「わかりやすい」などのお褒めのお言葉でした。載せた甲斐があるというものです。嬉しいです。

特に嬉しかったのは「楽しい!」「わくわくする」「書いている中の人たち、楽しそう」というもの。

そうなんです!楽しいんです!

皆さまにこの楽しさをお伝えすることができて幸せです!

つぶやきの中に、疑問形のものがいくつかありましたので、この場を借りてお返事したいと思います(科学的な疑問に関しては、記事コメントへの返信にしております)。

疑問形で圧倒的に多かったのは、物理学賞の詳報記事に関するもの。

物理学賞は日本時間18時45分に発表のための会見が始まったのですが、林田による詳しく解説した記事は18時58分に公開。数分後に公開したことをTwitterの未来館公式アカウントから発信しました。

直後からTwitterのタイムラインに現れたのは、

「用意していたの?」

「何、この速さ?」

「予想した人すべての原稿を用意していたのですか?」

はいっ!用意しておりました! ただし、林田が自主的に。

「ノーベル賞予想ミニトーク」を9月末から展示フロアで行っていたので、パワーポイント資料はいくつかありましたが、ブログ原稿が発表前に書かれていたのは、この1本だけです。

 

完璧に用意していた物理学賞

前日(生理学医学賞の発表日)から日付が変わったころ、「ノーベル賞の“3人目”」の公開を終えた詫摩が管理画面に戻ると、下書き状態になった「2011年ノーベル物理学賞!」の記事が。お風呂に入ったり、歯を磨いたり、などとしていたら、図やグラフがどんどん入っていきます。

林田からのメールに曰く「(生理学医学賞の詳しい記事を書いた)小林さんのまねはできない・・・と思いまして」

これを見て詫摩が思ったのは

予想通りのお三方が受賞するといいなー。

速報と詳報を同時に打って、皆さまを驚かせたい。

その一方で

これを間違えて発表前に公開してしまったらどうしよう??

別の人が受賞したのに、ついうっかり公開してしまったら・・・・。

(この手の大誤報は詫摩の古巣であるマスメディアの世界ではたまにあるのです)

で、物理学賞の発表のそのとき。詫摩はNobel財団のTwitterで受賞者を知りました。もちろん、英語で書かれています。対して、林田の原稿はカタカナ。

5回くらい確認して、それでも、速報をしたときにはキーボードを打つ手が震えました。人間、緊張すると、手が震えるって、本当なんですね。

 

難航した化学賞

翌日の化学賞。これが一番、厄介でした。生理学医学賞は速報担当・詫摩にもある程度の知識がありましたし、自然免疫も樹状細胞も小林が予想しておりました。なので、執筆者もすんなり決まったのです。

一方、化学賞はもともと予想が難しい分野です。昨年のクロスカップリングのように、まごう事なき化学というのはむしろまれで、化学賞と言いながら、生物学よりのテーマだったり、物理学や工学よりだったりすることもあります。事前に展示フロアで行っていた「予想ミニトーク」でも、実は化学賞はなかったのです。

で、蓋を開けてみたら「準結晶」。

うわ〜、このテーマで書けるの誰よ?

一瞬、昼間に打ち合わせにいらしていたオーサグラフの鳴川肇さんの姿がよぎりました。準結晶を空間充填問題の視点から書いていただいたらすごく面白そうです。

受賞対象テーマに応じて、ブログ執筆者や展示フロアで行う解説ミニトークの担当者を決めることになっていたのですが、それを決めるのは池辺でした。池辺は外に対しては「科学コミュニケーター」を名乗っていますが、館内では彼らを指導する立場の人間です。

ところがその池辺、当日は肉離れで自宅勤務。発表の数時間前に「対象テーマがわかったら、誰が担当するか決めてくださいね」と確認メールまでしたにもかかわらず、発表後に科学コミュニケーターのリーダーたちに来たメールは

「誰がよいのか私にも全くわからないので、早速ヒアリングをおねがいいたします!」

一同「池辺さん、完全に他人事(怒)(苦笑)(諦め)」

詫摩「・・・・ブログのネタにしてやろうか」

多数「書いちゃえ、書いちゃえ」

以上がこの記事を書いているウラの理由です。すみません、完全な内輪話で。<(_ _)>

結局、小林が奔走して各自にヒアリングをし、大西と田端が挑戦して書き上げました。

(池辺の名誉のために付け加えますと、月曜日に松葉杖で出勤し、展示フロアで予想ミニトークをこなしておりました。金曜日にもやはり松葉杖で現れ、展示パネルだの解説ミニトーク↓だののチェックをしております)

 

展示フロアでは解説ミニトーク

怒濤のような3日間でした・・・。木曜日にはオバサン詫摩にはぼろぼろ感が漂っていました。

ですが、林田は物理学賞の第2弾をさっさと書いていましたし、田端も自分の書いた準結晶原稿に納得がいっていないようで、第2弾を書きたいといっております。(おいおい、二人とも、木曜は休みの日ではなかったの?)

展示フロアで今年のノーベル賞を解説するミニトークも始まりました。木曜日から大西がさっそく始めておりますが(夜中の2時まで化学賞の原稿を書いたその翌朝ですよ!)、金曜には田端、寺田も仲間内での練習会をしていました。西原も生理学医学賞でやりたいなーなどと言っています。展示開発課では文学賞や平和賞、経済学賞も加えたパネルづくり。

科学コミュニケーターたちはやる気です! 皆さまもぜひ、会いに来てください!

なお、文中に登場する科学コミュニケーターたちに関しては、執筆スタッフ紹介をご覧ください。

※コメントをする際は「ブログへのコメント投稿について」をご覧ください

※「名前」は、ハンドルネームでも構いません

この記事への5件のフィードバック

詫摩さん、前職のブログも楽しく拝見させてもらいました。

今度はこちらのブログで活躍されているのですね。

実は今日初めて日本科学未来館に行ってきました。

以前から行きたかったのですが、震災でしばらく休館していたこともあってその機会を逃していました。

行ってみてビックリ!

有機ELのジオコスモスや展示物の凄さもそうなんですが、それを説明するコミュニケーターやボランティアがあちこちにいて、簡単なことからかなり専門的、裏話的なことまで何でも気軽に教えてくれることにです!

ITで展示物の説明をしてもらうより、ああやって言葉で説明してもらった方がすう~っと理解しやすいですね。

それなりの専門知識や経験、研修を積んでいるとは思いますが、日々勉強されて努力しているのだろうと思いました。

もし自分が少年で自宅が近くにあったら年間パスポートを作ってもらって毎週、いや毎日通ってコミュニケーターの人達に質問しまくっていただろうと思います。

コミュニケーターの方に「詫摩さんって方、居られますか?」と聞こうと思っていたのですが、「はぁ?」って言われそうだったので遠慮しました。

また機会を見つけて行ってみたいと思っています。

yutakaさま

うわ~、ここでまたyutakaさまとお目に(?)かかれるなんて!

前職のブログでもたびたびコメントを下さったyutakaさまですよね?

嬉しいです!お会いしたことのない方に言うのも変かもしれませんが、昔お世話になった先輩から懐かしい便りをもらえたような気分です。

未来館にもお越しいただいたようで重ね重ねありがとうございます。

そうなんです。未来館は科学コミュニケーターやボランティアとの会話が「売り」なのです! 館長の毛利も、「見ていただきたいのは物ではなく、人」と申しております。展示物をきっかけにお客さまとお話しできるのをみんな楽しみにしているんです。

次回、未来館にいらしたら質問攻めにしてやってください。みんな喜ぶはずです!

本当に本当にありがとうございました!

引き続き、よろしくお願いいたします。

詫摩さま

はい。そうでございます。そのyutakaでございます。

しんかい6500に乗船(笑)した時には、未来館の方から丁寧にかつ専門的に教えてもらいました。次々と来る乗船希望者がいなかったらもっと色々な話を聞きたかったなぁ。

次回は遠慮せずに何でも聞いてみますね。

P.S. 原発事故以来、放射線・放射能への関心が高まっていますし、解説も多々あると思いますが、事故対応ではなくサイエンス(基礎知識)として未来館では何か展示とか考えていますか?

yutakaさま

やっぱりあのyutakaさまですね!これからもどうぞごひいきに。

yutakaさまに喜んでいただけるような企画も画策中です。

放射線などに対する展示ですが、1カ所にまとまっているわけではなく、数カ所にバラバラとあります。

たとえば、5階の「こちら、宇宙ステーション」のコーナーでは宇宙放射線の話が紹介されていますし、同じく5階の「スーパーカミオカンデ」のコーナーの近くには霧箱が置いてあって、自然放射線を“見る”ことができます。

また、展示ではなくサイエンス・ミニトークですと、「放射線ってこわい?こわくない?」や「本当にいらない!?核エネルギー」で基礎的なところから科学コミュニケーターが紹介しています。

ミニトークの開催は不定期ですが、当日、担当する科学コミュニケーターのスケジュールが合えば、お客さまのご要望に添ってゲリラ的に行うこともあります。

いずれにしても、展示フロアにいる科学コミュニケーターを捕まえて、「放射線に関して知りたい!」と仰っていただければ、ご案内いたしますので、まずはお声を掛けてみてください!

詫摩さま

なるほど!ミニトークなどでもやっているわけですね。

霧箱は見ましたよ~。とてもよくできていて、次々と飛び込む放射線をしばらく眺めてました。放射線の種類やエネルギーで長さや太さが違って見ていて飽きないものですね。

もちろん、カミオカンデの中にも入りましたよ。

「チェレコンフ光、キタ==!」と一人盛り上がっていました。

1つの話題について、科学コミュニケーターの方と話をしながら、展示を見て回るのも楽しそうですね。

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