クルマをいろいろな角度で見てみよう!~バス編~

このエントリーをはてなブックマークに追加

ブログをご覧の皆様こんにちは! 科学コミュニケーターの野副です。

夏休みが明けました。おかげさまでたくさんの方々にご来館いただきました。ありがとうございます! そして、秋になると修学旅行などでたくさんの団体の方々が来館される時期になります。団体の皆さんのご来館で増えるものといえば、皆さんが乗る観光バス。

そんなある日に撮った写真がこちら。今回のお話に関することがこの写真に写っているのですが、さて何だと思いますか。

様々な色のバスが並んでいますよね。その中で、屋根にファンがあるバスとそうでないバスがあります。バスの屋根のファンはこんな感じ。

この違い、実はバスのエアコンと関係があったのです。屋根にファンのあるバスは、「機関直結式」で、ファンのないバスは「サブエンジン式」であるという違いです。

「機関直結式」ってなんだろうって感じですが、これ、一般の乗用車と同じエアコンのシステムです。エアコン(冷房)は、圧縮した冷媒が気化するときに周囲の熱を奪う性質を利用して冷やしています。冷媒を圧縮するには圧縮機を動かさなければいけませんが、この圧縮機を動かす動力が必要です。「機関直結式」は走行用エンジンの動力を使っています。「サブエンジン式」のバスは、走るためのエンジンとは別に、圧縮機を動かすためのエンジンを載せています。

走行用エンジンでエアコンを駆動させようとすると、その分、エンジンの力が少なくなるので走行能力が落ちてしまいます。クルマを運転する人なら、「エアコンを使うと燃費が悪化する」ということを聞いたことがあると思います。走行能力が落ちる分、少し燃費が悪くなるわけですね。特にたくさん人や荷物を載せて走る大型バスでは、走行用エンジンでエアコンを駆動させようとすると、長い上り坂などでエンジンの力が足りなくなって、登れなくなってしまう恐れがあります。その対策として、エアコンを駆動させるためのエンジンを別に搭載しているのです。ただし、エンジンをもうひとつ搭載するので燃費は悪くなるし、 床下にそのエンジンを搭載するので、荷物を載せるスペースが減ってしまいます。ふたつもエンジンを搭載するので、メンテナンス費用も増えます

近年は、走行用エンジンの出力向上によって「機関直結式」でも十分な走行能力を確保できるようになりました。また、特に空港に向かうリムジンバスなどは、乗客の荷物が大きいので、できるだけ多くの荷物スペースを確保する必要があります。そういった需要の高まりから、「機関直結式」を採用するバスが増えています。また、搭載するエンジンがひとつなので、燃費もいいし、メンテナンス費用も少なくなりました。

そして、バスの屋根の上にあるものはほかにもあります。こちらは、未来館の前に駐まっていた都バス。側面や屋根の上に「Hybrid」の最初の3文字が見えます。これは、モーターの力を使いながら走るハイブリッドバスです。

このようなハイブリッドバスの場合、バッテリーやその電力を使って駆動する電動式のエアコンが、屋根の上に搭載されています。路線バスでは、乗客の利便性を考えて可能な限り床をフラットに低くしています。バッテリーやエアコンなどを屋根の上に載せることで、床を低くすることができるのですね。

もし、修学旅行や遠足で観光バスだけじゃなくて、路線バスなどにも乗る機会があったら、乗る前にちょっと屋根を眺めてみてください。「はたらくクルマ」をいつもと違う視点で眺めてみるのって、意外とおもしろいですよ。

このような「意外と知らないクルマのいろいろなところ」を、「クルマシリーズ」(前回はタイヤのお話)として続けます♪

※コメントをする際は「ブログへのコメント投稿について」をご覧ください

※「名前」は、ハンドルネームでも構いません

コメントを残す