2012年イグノーベル賞!言論の自由を取り戻せ!

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こんにちは!展示開発課の鈴木です。嬉しさのあまり、勢いで記事を書きます。

プログラミングに夢中になっていた頃、とてもお世話になった先輩がイグノーベル賞を受賞されました!

イグノーベル賞とは1991年に始まった「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられる賞です。

「ノーベル賞のジョーク版」とも呼ばれています。

昨年は滋賀医科大の今井 真先生らが「わさびのにおいが眠っている人を起こすのに有効」という内容の研究成果で化学賞を受賞されています。

一見、くだらない研究に見えるかもしれませんが、音が聞こえない状況でも人を起こすことができるため、様々な場面での実用化が考えられるすばらしい研究です。

今年、イグノーベル賞を受賞されたのが、産業技術総合研究所の栗原 一貴さんとお茶の水女子大学の塚田 浩二さんが研究する「SpeechJammer」という研究です。


未来館5階の一角に、聴覚遅延フィードバックによる発話阻害の展示があります。

人間は自分の声を聞いて、きちんと話せているか確かめながら話しているため、自分の声が0.2~0.3秒遅れて聞こえると上手に話せなくなることを実際に体験できる展示です。

耳が聞こえないフリをして裁判で優位になろうとする詐病を検出するためなどに応用されています。

かねてから、人間同士のコミュニケーションをより豊かにしたいと研究されていた栗原さんは、未来館を訪れた際にこの展示に出会いました。

「自分の声が数百ミリ秒遅れて聞こえると話せなくなる...?ホントだ!これは何かに使えそう...そうか!」

展示では一般的なマイクとヘッドフォンを用いていますが、デバイスを作るのが得意な塚田さんとコラボレーションしたことで、研究が大きく飛躍します。

テレビや映画の撮影でも使われるガンマイクを使えば、遠くの人の話し声も録音することができます。

さらに、SC三ツ橋の記事でも紹介されているパラメトリック・スピーカーの超指向性を活かせば、話し手にだけ音を伝えることができます。

これによって、遠く離れている人を非暴力的に黙らせることができます。

"非暴力的に"、というところがポイントです。

栗原さんは「SpeechJammerは、武力による解決と違って、お互いに使いあっても破滅せず、話し合いによる解決の余地を常に残せているのがポイントだ」と説明されています。

こういった研究が浸透すれば、とても良いことを言っているのに、発表が下手なせいで、相手にうまく伝えられずに困っている人がきちんと認められるようになります。

その人だけでなく、周りの人にとっても「良いことを考えている人がいるのか、きちんと話を聞くことはとても大事なことなんだな」と再認識するきっかけになります。

ちょっと遅れる自分の声、たったそれだけで上手に話せなくなるなんて信じられない!という方、ぜひ未来館で体験してみてください。

栗原さんが公開されているソフトウェアをつかえばご自宅でも体験できます!

話し合いによってもたらされる豊かなコミュニケーション、そして平和な社会を実現するための研究に邁進されるお二人、そして世界に知的なユーモアをもたらしつづけるイグノーベル賞にご注目ください!

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