太陽が静穏になると地球は?

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宇宙天気情報というのをご存知でしょうか?

例えば、1月30日の「今日の宇宙天気情報」(15時発表)はこんな感じでした。

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太陽面で目立った活動は発生せず、太陽活動は静穏でした。

今後とも太陽活動は静穏な状態が予想されます。

太陽風速度は通常速度の400km/s前後から低速な350km/s前後へ緩やかに下降し、地磁気活動は静穏でした。

今後とも地磁気活動は静穏な状態が続くでしょう。

(情報通信研究機関が運営する宇宙天気情報センターより抜粋)

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観測しているのは太陽と地磁気だとわかります。

[caption id="attachment_22773" align="aligncenter" width="430"] 太陽観測衛星「ひので」が見た1月30日の太陽(国立天文台/JAXA提供)[/caption]

経済の世界には、「アメリカがくしゃみをすると、日本が風邪を引く」という言い回しがありましたが、太陽と地球の関係にも当てはまります。

上の宇宙天気情報にある「太陽風」は、太陽表面から飛んでくる荷電粒子などのこと。これはいつも吹いています。ですが、たまにくしゃみのような爆発的な現象になることあります。「太陽嵐」です。こうなると、宇宙にある人工衛星などはもちろん、いつもは地磁場と大気に守られている地上にも、甚大な影響が及ぶこともあります。送電網や電子機器にダメージが起きると考えられているからです。なので、観測衛星などのデータを分析して、異変がないか監視し、こうやって情報を公開しているのです。

くしゃみのように比較的短期間で終わる現象もありますが、最近、もっと長期スパンの異変が太陽に起きているかもしれないと専門家の間で言われ始めています。くしゃみではなく、しばらく家で休んでいる程度の容態かもしれません。

太陽は、ほぼ11年の周期で活発になったり静かになったりを繰り返しています。その目安となるのは、400年前のガリレオも観察した「太陽黒点」。2013年は太陽の活動が活発になって、黒点の数も増えるはずなのですが、いつもの「多いとき」(極大期)に比べるとぐっと少ないのです。

1月下旬に文春新書から『太陽に何が起きているかという本が発売されました。著者は太陽観測衛星「ひので」の科学プロジェクト長・常田佐久先生です。今、起きつつある異変が、数百年前に生じた異変と同じではないかと、書いています。そして、そのとき地球は寒冷化し、世界各地で豪雨や干ばつの記録が残っています。

この本のエッセンスにあたる内容を、未来館が発行するフリーペーパー「Science Switch」に載せています。未来館をはじめとする全国科学関係協議会の加盟館で配布しています。

 

[caption id="attachment_22774" align="aligncenter" width="147"] 表紙。太陽を見つめる「ひので」がかわいいでしょ?[/caption]ダウンロードもできますが、太陽の記事はポスターサイズ(新聞の1ページ大)なので、ぜひ、現物を見ていただきたいです。10部以上であれば、郵送もいたしますので、下のお問い合わせからご記入ください。コメント欄でも大丈夫です(コメントの公開は承認制です)。

 

余談ですが……

国立天文台の常田先生は、説明がとってもお上手。Science Switchの取材のときも、回転する太陽の磁気線をゴム紐にたとえたり。楽しい取材でした。文春新書『太陽に何が起きているか』の担当編集者も、先生のお話を直接聞けるなんて幸せ者ですと言っていました。

太陽の異変に関する記事でしたら、Science Switch日経サイエンス2012年8月号もオススメですが、文春新書の第4章は常田先生の研究者人生の自伝になっています。これが、日本の太陽観測衛星、つまりは世界の最前線の歴史にもなっているのです。ご一読あれ!

 

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この記事への2件のフィードバック

太陽活動の極小期が続いているようですが

マウンダー極小期と同様に長く続くかどうか? 

いつ頃判りますか?

バーニィ 野田さま

コメントをありがとうございます。

今の静穏状態が一時的なものか、約20年続いたダルトン極小期のようになるのか、はたまたマウンダー極小期のように約50年も続いてしまうのか、気になりますよね。

国立天文台の常田佐久先生は、はっきりしたことがわかるには、太陽の黒点周期に相当する期間は観測が必要とおっしゃっています。つまり約10年ということになります。

詫摩雅子

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