旬な「イカネタ」

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生きている巨大な姿が撮影されたことで、今イカが話題。

「科学館」間違いで、当館にもお問い合わせが来たりすることから

その人気がうかがえます(笑)

 

そんなわけで、負けじと(?)「イカ」ネタを。

 イカネタイメージ写真

 

 

古生物(化石)を研究する人が、「イカ」で連想するひとつに

アンモナイトがあります。

アンモナイトはその幾何学的で優美(?)な姿から、

古生物に特に興味がない方にも人気のある化石かと思います。

 ビルの壁にあったアンモナイト

 

そこで、「アンモナイトは何のなかまでしょう?

とみなさんに聞くと、だいたい「巻貝」という答えが返ってきます。

(↑ここで、出題者として内心しめしめと思うわけです)

 

大きな分類としては「巻貝」のなかまですが、

実は、巻貝より「イカ・タコ」に近いと考えられています。

(↑ここは、ドヤ顔で説明することが多い)

 

しかも、近年は見た目がそっくりの「オウムガイ」より、

「イカ・タコ」に近いと考えられています。

(↑へぇ~という声に浮かれます)

 

それは、アンモナイトの殻をよく調べてみると、

内部の小さく区切られた部屋(気室)の構造が

オウムガイよりイカ(が体内に持つ殻)に似ている等の理由があるからです。

(↑でも、最初に「イカ」と答えが返ってくるとしょんぼりしたりして…)

アンモナイトとオウムガイ

 

アンモナイトは、約4億2000万年前から約6500万年前という長い期間、

世界中の海で繁栄していましたが、

恐竜の絶滅とほぼ同じ頃に地球上から姿を消してしまいました。

1万にも及ぶ種類の化石が世界各地から見つかるため、

古生物研究では大変重要な生物となっています。

 

 

しかしアンモナイトは殻ばかりが残り、

その軟らかい部分(軟体部)の完全な化石というのは

まだ見つかっていません

 

「軟らかいものは化石として残りにくい」というのはもちろんです。

ただ、「イカ・タコ」のなかま(鞘形亜綱)の

軟体部の完全な化石はそこそこ発見されています。

そのような中、世界中の海で大繁栄したアンモナイトの軟体部が

ほぼ全く見つからないというのは

古生物学の長年の「です。

 イカ(コウモリダコ)のなかまの化石写真

イカ(コウモリダコ)のなかまの化石(約1億5000万年前)

 

そのため、復元した図も推測の域を出ることができません。

 

「なぜなんだ!アンモナイト」と叫びたい研究者は多いはず。

(↑私は叫びました)

 

 

「アンモナイトの軟体部が残った化石、見つけたよ」

という方、マッハでお知らせください。

 

巨大イカに負けないニュースになること請け合いです(笑)。

 

オウムガイの軟体部の写真

今生きている「オウムガイ」の軟体部

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この記事への8件のフィードバック

巨大イカのニュースも感動しましたが、

この記事にも感心しきりでした。

アンモナイトの身が見つからないとは!

私が小学生の時に知っていれば

したり顔で自由研究のテーマにしたでしょう。

ぜひ小学生諸君にオススメしたいです。

幼い頃夢中になった恐竜たちを思い出して

また図鑑を開いてみたくなりました。

そういえば、未来館にあった深海探査艇は

イカ調査とは関係ないのですか?(^_^;)

ダイオウイカの泳ぐ姿をテレビでみて、目が恐ろしく大きくてびっくりしました。深海でもあの目で狩をしているのですね。

ところでアンモナイトの身の化石がまだ発見されてないのは本当に謎ですね。ゾルンフォーヘンの数多の化石の中から見つけてくださいと数年前に某博物館の研究員のお話があって以来、私もお台場等の化石群を眺めているのですが・・・。

さて阿曽さんに質問です。写真にあったコウモリダコの化石はどこの博物館でしょうか?またその左に映っている20センチほどのの化石は腕足類の化石でしょうか?それだとするとすごく大きいですね。化石が大好きなおばさんでした。

はじめまして。

震災、原発事故以降中止されていた、いわき市のアンモナイトセンターでの化石の発掘体験も年初より再会されたようです。

http://www.ammonite-center.jp/

昨年、私も行って来ましたが、流石に軟体部は難しいでしょうが(笑)、アンモナイトやサメの歯などを掘り当てることも少なくないようです。

また、実際の地層から露出した大きなアンモナイトの化石など、他では見ることの出来ない貴重な施設です。また、近くの大久川河岸からはかのフタバスズキリュウが発掘されたように、いわば古生物学の「聖地」、かと(言い過ぎか?w)。

こうした機会に、ぜひ。オススメです。

しょうこ 様

感心していただき、ありがとうございます!

図鑑をめくって「変な生きもの」を見るというのは、「全く違う世界に心が羽ばたたく」という手軽にできる「気分転換」ですので、大人にもぜひおすすめです。

残念ながら今回の巨大イカの撮影は、展示してある潜水調査船「しんかい6500」ではないです。

でも、「しんかい6500」は様々な深海の生きものを撮影しています。

今年の1月5日からは、「生命の限界に迫る」世界一周航海に出ていますので、一緒に面白い結果を待ちましょう!

http://www.jamstec.go.jp/quelle2013/index.html

あおい 様

コウモリダコの写真は、2010年に群馬県立自然史博物館で撮影したものです。

ただ、企画展としての展示でしたので、現在は展示されていないかと思います。

写真の左に写っているものが何であるかは、はっきり覚えていないのですが、腕足類の化石で殻の大きさが20cmあるものは存在します。

「腕足類」をご存じなんて、とってもすてきな「おばさま」ですね!

ハンドルネーム忘れたのでどんどん名前変わってすみません。

アンモナイトってうちの弟もちっこいの見つけてきてました。

本当にアンモナイトかどうかは知りませんが、

巻貝の化石はすべてアンモナイトと言ってますw

化石探しに行きたいです。

どこかにノジュールないでしょうかねぇ?

新潟県近郊だとありがたいです。

安曽先生教えてくださ~~~~い。

しん 様

アンモナイトの化石ですと、新潟県の糸魚川市で発見されています。このコメント欄だけで詳細な場所をお伝えすることは難しいので、「フォッサマグナミュージアム」など、地元の博物館にもしでしたら問い合わせてみてください(採集の可否も含めて教えてくれると思います)。

もし化石採集の経験があまりないようでしたら、Slight_Brightさんお勧めの「いわき市アンモナイトセンター(福島県)」や「神流町恐竜センター(群馬県)」などで、体験されるのも良いかと思います(最初から自分だけで化石を探すことはとても大変ですので)。

アンモナイトも巻貝も、長い年月を経て残ったものですので、ぜひ大事にしてくださいね。

2年も前のスレに亀レス申し訳ありません。
自宅にある古い平凡社国民百科事典に軟X線写真でアンモナイトには10本程度の脚があったことがわかっているという記載がありまして、アンモナイトの軟体部が残った化石なんて見たことがないので必死でググったらこんなサイトを見つけました。(PDF注意)
http://www.kanto.co.jp/times/pdf/CT_209_03.pdf
「丹念に数えると脚の数は10本ほどになる」との事ですが、正直ビミョーな画像ですよね。住房に泥が溜まっていただけのようにも見えます(汗)。
古生物学上でこのステルマー学説はどれほど信憑性が認められているんでしょうか?

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