春節の爆竹に天気予報?!

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皆さん、过年好!!(明けましておめでとうございます!)というのも今年2回目の新年挨拶ですが...中国では、つい最近新年を迎えたばかりなのです。

今までのブログシリーズ「地震に備えましょう」をいったん中止して、今回は中国の新年---春節に関連する話をさせていただきたいと思います。

中華圏では1年の始まりというのは、旧暦の春節です。(2013年は2月10日が元日)。日本の年末年始と同じように、中国人はみな春節の前後で休みをとり、民族大移動とも呼ばれますが、一斉に故郷にもどって家族と一緒に過ごします。私も今年は中国の地元に戻って、春節を迎えてきました。

春節には、いくつかの欠かせないイベントがあります。例えば、春聯(対句)を飾る、除夕(大みそか)に水餃子を食べる、春節聯歓晩会(日本の紅白歌合戦みたいなライブ)を家族みんなで観賞する、勢大に爆竹・花火を上げるなどなどです。この中でも爆竹を鳴らして大きな音で邪悪を払うことは、1000年前の宋の時代から伝わってきた中国では最も重要な伝統行事の1つでもあります。

写真は青岛全搜索から引用。

しかしこの伝統行事に、今年は大きな変化がもたらされています。それは、皆さんもご存知かもしれないが、環境への影響からです。

この冬、北京のPM2.5に関する大気汚染問題がかなり話題となっています。爆竹を鳴らすことは火薬を燃やすことになるので、もちろん環境には悪い影響があります。中国の環境部門ももちろんこのことを承知しています。特に北京市では大気汚染を抑えようと、今年から「烟花燃放气象指数」(爆竹指数)を天気予報の一環として北京市民に大々的に知らせようと動いています。

予報の詳細について下の図のようです。

図は央视网から引用。

日本語に訳すと以下のようになります。

指数レベル:

1級:花火や爆竹を鳴らすのに適す気象条件。

2級:花火や爆竹を鳴らすのにあまり適さない気象条件。注意しながら控えめに鳴らすべき。

3級:花火や爆竹を鳴らすのに最も適さない気象条件。できれば鳴らさないように。

予報の時間帯:

7:00~8:00

17:00~18:00

確認方法:

1.電話で確認する。電話番号:12121

2.テレビ・ラジオの放送で確認する。

3.北京市気象局の公式新浪微博(中国版ツイター)で確認する。

大気汚染の問題以外にも、火災や火傷の原因となる恐れがあるので、大気の状況だけでなく、火災の発生しやすい天気の観測項目も加味して指数レベルが決められています。

新浪微博(中国版ツイッター)が流した北京市の実際の予報はこちら:(2月7日から2月20日まで)

7日 18:00 全域2級

8日 7:00  全域2級

8日 18:00 北部・西部1級、他地域2級

9日 7:00  北部・西部1級、他地域2級

9日 18:00 全域2級

10日 7:00  北部・東部1級、他地域2級

10日 18:00 全域2級

11日 7:00  全域3級

11日 18:00 北部2級、他地域3級

12日 7:00  北部1級、他地域2級

12日 18:00 北部2級、他地域3級

13日 7:00  北部2級、他地域3級

13日 18:00 北部2級、他地域3級

14日 7:00  市内・北部1級、他地域2級

14日 18:00 全域1級

15日 7:00  市内・北部2級、他地域3級

15日 18:00 市内・北部2級、他地域3級

16日 7:00  市内・北部2級、他地域3級

16日 18:00 全域3級

17日 7:00  全域3級

17日 18:00 全域3級

18日 7:00  全域3級

18日 18:00 全域2級

19日 7:00  全域2級

19日 18:00 北部1級、他地域2級

20日 7:00  市内・北部1級、他地域2級

20日 18:00 市内・北部1級、他地域2級

 

ご覧の通り、ほとんど2級と3級レベルで予報が出ています。

この爆竹指数に、北京市民の皆さんはどのくらいの関心を持っているのか? 

指数レベルに合わせて本当に爆竹を鳴らすのをやめるのか?!

ということが気になるところです。

新浪微博で、ある有名作家が事前にアンケートをしていました。

「春節期間に空気汚染がひどい場合は爆竹を鳴らすことを(政府が)禁止すべきか?」に対して、1700人の回答者の約85%は禁止すべきと答え、止めないという方は約15%しかありませんでした。

他にも新浪微博で、同じく「空気汚染のひどい状態が春節期間にずっと続いたら、爆竹を鳴らすことを禁止すべきか」という質問に対して、約五百万の議論コメントが寄せられました。その中の投票から見ると、禁止すべきだと選択したのが大半の7割近くにも上りました。

アンケートではこのような結果となっていたが、実際のところで本当に止めていたかどうかについてはちょっと追いづらい。

ただ、すべてのデータが揃っていないが、爆竹の販売データもあります。

今年2月9日0時から2月14日24時までの期間で、北京市での花火・爆竹の販売量を調査した結果、合計31万3000箱を売り上げたことがわかります。これに対して、昨年のほぼ同じ期間には、56万4000箱もの売り上げでした。今年は45%も減っていたことになります。これに伴って、爆竹による火災事故は45.5%下がって94件だったほか、爆竹によるけがなどの事故も前年より22%下がったという。

私の地元では北京ほど大気汚染がひどくなかったため、爆竹指数の予報もありませんでした。しかし、地元の友人から、明らかに今年は今までより爆竹を鳴らす人が減っていると話してくれました。やはり北京の大気汚染が問題視されたことで、中国人のみんなは環境に対する意識が向上していると私は思います。

爆竹をやめたら良い事が多いじゃないかと思う方がいるかもしれません。しかし、やはり大昔からの伝統行事の1つとしてなかなかやめられないという意見も多く、爆竹を鳴らさないと良い年が迎えられないという考えもかなり多いようです。

実をいうと、20年前の1993年には一度爆竹を禁止する法令がありました。それでも、多くの人々はこの伝統行事の復活を強く要望していました。その結果、2005年頃から、各都市で続々と禁止法令が廃止され、時間・場所などの制限付きで爆竹が復活して今に至った経緯もあります。(中国語で、この法令の移行は“禁改限”と呼ばれています)

伝統行事に対する考え方は時代の流れの中で新しい"知"と矛盾する時があります。伝統行事を大切するか、それとも新しい時代を適応させるかはとても興味深く、議論を伴う問題です。今回の爆竹に関する考えも今このような議論の真最中にあります。そして、今回の議論を機に環境問題に対する関心や注目を多くの中国人が目覚めさせています。

私は一人の科学コミュニケーターとして、これからも中国の動向を注目していきたいです。環境問題、科学技術などの観点に焦点を絞っていき、日本の皆さんと科学コミュニケーションをしていきたいと思う次第です。

 

※ 本文の中のデータなどの情報について、下記サイトを参照しております。

央视网  http://www.cntv.cn

新浪微博 http://www.weibo.com/

观点中国  http://opinion.china.com.cn

 

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