スケーリーフットがあらわれた

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ダイオウイカのニュースから始まった2013年。

まだまだ深海フィーバーは続いています。

 

深海のアイドル、あの「黒スケ」が、生きたまま、海洋研究開発機構(JAMSTEC)横須賀本部にやって来たのです……!!

 

え?「黒スケ」ってアニメ映画に出てくるあれ?

いいえ、違います。「黒スケ」というのは、 深海にすむ巻貝です。

現在、世界で唯一見つかっている、身体にあるものを身に付けた生き物です!

 

まあ、まずはご覧ください。

これが、「黒スケ」こと、黒いスケーリーフットの生きた姿です!

赤い触角が出ているのが、生きている証拠!

 

なんだ、ただの地味~な巻き貝じゃないかって?

全体的に黒ずんでるし、これじゃ、どこがすごいんだかわからないって?

 

説明しましょう。

すごいのは、黒いところです

 

次の拡大写真をご覧ください。

足の側面に並ぶ黒くてふさふさしたもの。これは、硫化鉄でできたうろこ

スケーリーフットは、英語で書くと、scaly-foot gastropod。「足にうろこがある巻き貝の仲間」という意味です。

殻の表面が黒いのも、硫化鉄に覆われているため。

世界で唯一の“身体の一部が硫化鉄でできている生き物”

それが、黒スケです!

 

鉄のうろこは一体何のため?

それは、身を守るためと考えられています。こうしてはりついている状態では、うろこに守られて、足の肉は見えません。また、何かの拍子にコテっと転がってしまっても、足の裏をきゅーっと縮め、柔らかな足の裏を隠すのだそう。まさに“鉄壁の守り”。

鉄壁の守り”イメージ(イラストでごめんなさい)

 

深海の底で、誰から身を守っているの?

黒スケのいる場所は、深海でも生き物が豊富にいる熱水噴出孔のそば。ここには、ユノハナガニやバイ貝といった、肉食の生き物もたくさんいます。実際に敵に襲われているような場面が見つかったことはないそうですが、そんな奴らから身を守っているのかもしれません。

 

ちょっと豆知識。このうろこは、磁石に付きます

黒スケからむしったうろこ。磁石にくっついた!

 (生き物好きの科学コミュニケーターの間では、水槽に磁石を近づけたら、黒スケはくっついて動けなくなるのか!?という話で盛り上がりました。どうなんだろう?)

 

黒スケは、2001年にアメリカの研究チームが発見して話題になり、(一部生物マニアの間で)大フィーバー。2006年には、神奈川県の新江ノ島水族館で標本が世界初公開になり、(一部マニアの間で)フィーバー再燃しました。

もちろん、その時は私も見に行きました!

2009年、JAMSTECらのチームが数千匹以上の黒スケが集まっている場所を発見。(一部の)世界に感動が走りました。

今年は、有人潜水調査船「しんかい6500」が世界一周航海「Quelle2013(クヴェレ2013)」に出かけ、様々な調査をしています。その中で2009年に発見したポイントも訪れ、黒スケの採集に成功、黒スケを生きたまま日本に連れて帰る挑戦が始まりました。

黒スケはまだ研究途中の生き物です。飼育方法も手探り状態。

これまでの最長飼育記録は、19日間しかありません。

それでも、4月2日と4日に「生きているかもしれないスケーリーフットの特別見学会」を実施すると発表しました。

4日まで生きていれば、最長記録を1日更新です。小さく書かれた「かもしれない」に、黒スケ飼育の難しさを感じます。

生きているかどうかわからなくても、見たい!と先着30名ずつの定員は2日間で満席に。黒スケのパワーはすごい!そして、生物マニアのパワーもすごい!

しかし、それ以上にすごかったのは、研究者のみなさんのパワー

無事、黒スケは生きたまま私達の前に現れたのです!

黒スケを生きて連れて帰れたのは、この和辻智郎先生のおかげ!

 

冒頭の写真は、2日の見学会で撮ってきたものです。

見学会では、なんと黒スケに触ることもできました!

が、なんと不運なことに、私は触れませんでした!ショック!

(触れるのは、すでに死んでしまった黒スケです)

 

涙をこらえ、黒スケを触った方に感想をうかがいました。

うろこの部分はザラザラで、貝殻はスベスベ。生臭かったり、硫黄臭かったりするかと思ったけれど、ほとんど匂いはしませんでした。足の裏の部分も触ったんですが、そこはぬるっとしていました。聞くと、表面にいるバクテリアのせいだそうです。」

へぇ~!匂わないのは意外でした!

「JAMSTECの高井研先生曰く、『黒スケはアイドルだから無臭』だそうです。」

アイドルだから……!!

(なぜか、触れなかったことがますます悔しくなりました)

 

ところで、ここまで読んでいただいて、ある疑問が浮かんではいませんか?

なぜ、わざわざ「黒いスケーリーフット」と呼んでいるのか。

「黒い」をつけるということは、もしや……!?

 

おっと、もう長くなってしまいましたね。

続きは、次回の記事で!

私の次の記事の前に、同期の福田による「黒スケ生け捕り奮闘記」が先に載ります。こちらもどうぞ!

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この記事への2件のフィードバック

黒スケ、こんな生物がいるとは!

生物マニアさん達にとってはアイドルなんですね(笑)。

お写真とっても可愛らしく撮れてます!

体長はどれくらいなんでしょうか?

うろこの大きさから推察すると、それなりの大きさはありそうな…。

はらぺこラッコさま

アイドルなんですねぇ~。

実を言うと私も、高井先生のお話を聞くまでアイドルだとは知らずにいました!見学会の集まりぶりや過去のフィーバーを考えると、確かに、アイドルです。

ちなみに、ころんと丸い形をしているので、結構かわいい系です。

写真に体長がわかるものを入れずに出してしまい、すみません。

写っている黒スケは、殻の直径が3cmくらいです。

奥にいてぼやけている黒スケたちも、ほぼ同じです。

写真は、同行した科学コミュニケーターの福田が撮っています。

福田からも近々記事が上がる予定ですので、おたのしみに!

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