黒スケ生け捕り奮闘記

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 こんにちは!ふくだです!硫化鉄の鎧を身にまとった黒いスケーリーフット、通称「黒スケ」。先日、同期の熊谷と一緒に、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が主催する「生きているかもしれないスケーリーフットの特別見学会」に行って来ました!黒スケを捕まえるまでの壮大な物語を、有人潜水調査船「しんかい6500」に乗って捕まえてきたJAMSTECの研究者、宮崎淳一さんの話を交えながら紹介します。

 ◆スケーリーフットって何?◆

前回の熊谷のブログ「スケーリーフットがあらわれた」で、紹介されてましたが、スケーリーフットとは何者なのか。おさらいしましょう。スケーリーフットは深海にすむ巻貝で、足が硫化鉄のうろこ覆われています。世界で唯一の、身体の一部が硫化鉄でできている生き物なんです!殻の大きさは直径3~4cmほど。手のひらの上に、ちょこんと乗るほどの大きさです。

 

◆巨大なカーリーチムニーの出迎え◆

調査する場所は研究者に「聖地」とあがめられるインド洋の「かいれいフィールド」。かいれいフィールドは2000年に、JAMSTECの無人深海探査艇「かいこう」によって見つけられました。深海から熱水を吹き出す「熱水噴出孔」が、これまでに8つも発見され、今も活発な熱水活動が続いています。黒スケがいるのは、そのうちのひとつの熱水噴出孔「モンジュチムニー」ですが、別の熱水噴出孔「カーリーチムニー」が、底に着いて最初に現れました。

 

[caption id="attachment_25263" align="aligncenter" width="430"] 黒い熱水を吹き上げるカーリーチムニー[/caption]

 

「今まで見た熱水噴出孔の中で、一番大きかった」。

 

宮崎さんを、そう驚かせるカーリーチムニーとは、一体どんなものなのでしょうか。高さ1m、直径80cmの大きな“煙突”から、黒い煙のようにもくもくと、「ブラックスモーカー」と呼ばれる硫化水素を含んだ熱水が立ち昇ります。大きく開いた“口”の内側には、鉄と硫黄からなる鉱物の黄鉄鉱(パイライト)が付着。しんかい6500が発する光を反射させ、「まぶしい」と感じさせるほど周囲に輝きを放つそうです!神秘的な雰囲気を漂わせていますが、残念ながらここに黒スケはいません。「温度が高すぎて黒スケがすめないんです」。

 

◆マーカーが見つからない!◆

さあ、いよいよ、黒スケがいるモンジュチムニーに向かいます。道標となるのは、前回の航海で設置したマーカー。交通安全で使う蛍光反射材のようなものです。しんかい6500の光を反射して、場所を教えてくれるはず!でした・・・。

 

ない・・・。

 

いくら探しても見つかりません。そうこうしているうちに潜水時間が過ぎていきます。宮崎さんは「かなり焦りました」と苦笑いで振り返ります。どうやら、イソギンチャクやエビなどで表面が覆われて、光を反射しなくなっていたようです。それでも冷静に船の位置を観測しながら、過去の論文に書かれている位置を見定めて、モンジュチムニーを発見!いよいよ、黒スケさんとの出会いが近づいて来ました!

 

◆分け入っても分け入っても白いエビ◆

そこに現れたモンジュチムニーの姿は、カーリーチムニーとはまったく違うものでした。

エビ!エビ!エビ!

チムニー全体にエビが群がり、一面真っ白の“銀世界”です。気持ち悪いと感じる人もいるかもしれません。見学会では「ぎゃー!」と悲鳴に近い声が上がっていたかも?

[caption id="attachment_25265" align="aligncenter" width="430"] モンジュチムニーに群がるエビ[/caption]

この無数のエビの内側に、黒スケさんがいるはずなんです。宮崎さん!どうしましょうか?

 

「邪魔なので、ホースで払ってどかしましょう」。

 

というわけで、しんかい6500のアームやホースで、エビを追い払います。

えいっ!

 

 

おぉっ!エビの中から、深海にすむ「ユノハナガニ」が顔を出しました。しかし、まだ黒スケの姿は見えません。宮崎さん!どうしましょうか?

 

「ちょっとじゃだめなんで、思いっきりやってください」。

 

えいっ!えいっ!

 

 

おぉっ!何か黒いものが!もしかしてこれが?

 

「黒スケが10匹、20匹出てきました。

ピカピカ光るのですぐに分かります」。

 

さっそくホースで吸い込みます。2時間ほどで回収した黒スケさんは約90匹。しかし、その3倍以上のエビを吸い込んだそうです(汗)そして、このとき回収された黒スケさんの生き残りが、見学会でお披露目されました。

最後に、もう一度黒スケさんの写真です。赤い触覚がかわいい。

 

◆エビの紹介◆

最後に、「エビがかわいそう!」という声が聞こえてきそうなので、簡単にエビを紹介します。名前は「カイレイツノナシオハラエビ」。今回は邪魔者扱いでしたが、実は結構すごいやつなんです。左右の眼がくっついて、背中に広がってるんです!背中に光の受容物質を持ち、熱水から発せられる微弱な光を感じ取っているそうです。どかしてごめんね!

 

 

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