鳥インフルエンザ、その対策は?

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皆様、ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしたか。(まだ遊んでない!遊び足りないという方は、ぜひ未来館へ!)

この連休、海外旅行に行った方も多いのでは。空港といえば、持込み品の検査。なぜかいつもドキドキしてしまいます(危険な物は持っていませんが)。

いま最も持込みが警戒されているもの…

それは、鳥インフルエンザではないでしょうか。

鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染が徐々に拡大している中、日本では国内での発症を防ぐため、空港での水際対策が行われています。

そのひとつ、赤外線を使った体温チェックで高熱の人がいないかを調べています。

(上の写真は未来館の5階にある赤外線サーモグラフィ。温度によって色が変わります。この装置は、赤外線を照射するのではなく、身体や物の表面から出ている赤外線をとらえ、そのエネルギー量を温度に換算し、表示します。空港にあるものも原理は同じです。ちなみに、モデルはこの4月に仲間入りした新人の科学コミュニケーター、高橋(左)と榎戸(右)です!)

し、しかし・・・インフルエンザって潜伏期間があるんじゃ?

感染していても、発症するまでに時間がかかったり、発症せずに本人も気づかないことも。やはり、ウイルスは普通には目に見えないだけに、完全に侵入を阻止するのは難しい・・・

では、どうしたらよいのでしょうか?

インフルエンザ、とくに鳥インフルエンザの専門家である北海道大学の喜田宏先生にお話を伺いました。

- 「鳥インフルエンザ」なのに、なぜ人に感染するのですか

鳥と人間ではインフルエンザウイルスが感染する際、受け皿となる「受容体」が異なるので、本来人間には感染しません。しかし、鳥インフルエンザウイルスの集団には、ごくわずかに、人の受容体に結合できる変わり者(変異ウイルス)が混じっています。この変異ウイルスの子孫が人の体で増殖して、優勢になると、人から人に感染するようになります。

- なぜ新型インフルエンザは特別に警戒されているのでしょうか

それは多くの人が免疫を持っていないからです。これまで人間に感染しなかったインフルエンザウイルスが、人間に感染するようになる。私たちには、備えがない新たな型のウイルスです。そのため「新型インフルエンザウイルス」は通常の(季節性の)インフルエンザウイルスよりも感染が拡大しやすいのですが、個々の人に対する病原性は低いものと考えてよいでしょう。人から人に感染を繰り返すうちに、人に対して病原性が高くなり、毎年冬に流行するような季節性インフルエンザを起こすのです。

- 世界的な大流行(パンデミック)の可能性もありますか

問題は「人から人へ」感染するかです。すでに人から人感染が広がっている可能性も考えられます。ただし、人から人へ感染するようになったとしても、ウイルスが人に対して高い病原性を示すか(症状が重くなるか)は、また別の問題です。病原性の高さは、体内でのウイルスの増えやすさに関係しています。つまり、人の体内でウイルスが増えやすくなるまでに、すなわち、このウイルスが季節性インフルエンザを起こすまでに、効果が高いワクチンを用意できればよいのです。

- 私たちは、どう対策すればいいのでしょうか

鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ、季節性インフルエンザ。いずれも「インフルエンザウイルス」が起こす病気であることに変わりはありません。つまり、予防法も、治療法も季節性インフルエンザのものと基本的に同じです。

喜田先生、ありがとうございました 。

世界保健機関(WHO)は今回の鳥インフルエンザの状況を注意深く監視しています。また、日本は前回2009年の新型インフルエンザ(H1N1)のときの反省点を活かした「新型インフルエンザ等特別措置法」の施行を予定より前倒して4月に閣議決定し、今回のウイルスを入手してワクチンの開発を進めています。私たちはどのようにすればよいかの結論は、季節性インフルエンザ対策をしっかりとることなのですね。まだ情報が限られていますので、慎重に事態を見極めなければなりません。

そして。

今回、喜田先生にお話を伺ったことで、実は私が鳥インフルエンザに対して、いろいろと誤解をしていたことが発覚・・・。インフルエンザに関する正しい知識を持っていることは、感染を防ぐ上でも、とても大切だと思います。

ということで、今回の取材の裏話、鳥インフルエンザに対する私の誤解については、改めます。

引き続き、よい連休をお過ごしください。(未来館にも遊びに来てね!←しつこい)

 

【参考】

喜田宏先生(北海道大学大学院 特任教授)

http://www.hokudai.ac.jp/czc/

http://www.vetmed.hokudai.ac.jp/organization/microbiol/index.html

新型インフルエンザに関するQ&A(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html

インフルエンザA (H7N9) 特設ページ(国立感染症研究所)

http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9.html

 

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