本日、丑の日!うなぎ、うな重、ウナジー?

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こんにちは、科学コミュニケーターの濱です。夏も本番!暑くなってまいりました。

暑いのは大の苦手な私ですが、夏は大好き!というか、夏の食べ物が大好きです!!

スイカや桃、ナシなどの果物。ビールと焼きそばなんて最強のコンビですね。さっぱりと冷たいおそうめんや冷やし中華も外せません。

そして、忘れちゃいけないのがうなぎ!

うなぎを食べないことには夏は始まらないし、終われません。

unagi

 

私の出身地である三重県は、全国有数のうなぎの養殖地。店舗の数も多くておいしいお店がたくさんあります。幼い頃、一番たくさんある飲食店はうなぎ屋さんだと思っていました(笑)。今年は何回うなぎが食べられるか、とても楽しみにしています。

ちなみに今年の夏の土用の丑の日は、7月22日と8月3日と2回あります!

 

さて、うなぎラブの私には見逃せないニュースが今年6月にありました。

うなぎに含まれるあるタンパク質に、私たち人間にとって役立つ機能があるとわかったのです。

そのタンパク質の名前はUnaG

『ウナジー』と読みたいところですが、読み方は『ユーナジー』。今回の発見をしたのは理化学研究所の宮脇敦史先生の研究チームです。

うなぎと言えば、ビタミンやミネラル、DHAなど素晴らしい栄養素を含むことで有名ですが、このタンパク質にはどんな機能があるのでしょうか?

ところで皆さんは、青色の光を当てるとうなぎが緑色に光るということをご存じですか?(2009年に、当時鹿児島大学の林征一教授らが、うなぎの筋肉に含まれる蛍光を報告しています。)

その光の正体が、うなぎの筋肉の中に含まれているUnaGなのです。しかし、UnaGはそれだけでは光りません。光るためにビリルビンという分子が必要です。

UnaGにはビリルビンがすっぽりと入るポケットがあり、ビリルビンが入っているときにだけ緑色の蛍光を発します。

 図1

ビリルビンは私たちの体の中にも存在しています。

赤血球にはヘモグロビンという酸素を運ぶ分子があり、赤血球が壊れてヘモグロビンが分解されていく過程でビリルビンが作られます。そして、血の流れに乗って肝臓へと運ばれて形を変え、胆汁そして便に混じって体の外へ排出されます。

私たちのうんちの茶色は、ビリルビンの成れの果てによるものなのです。

ビリルビンという名前に、「はて、どこかで聞いたことがあるような・・・?」と思われた方。それは健康診断の時ではありませんか?

実は、血液中のビリルビンを指標にして、肝臓の働きを調べることができます。

肝臓を経由して体外に排出されるビリルビンは、肝臓の働きが悪くなるとスムーズに排出されなくなり、血液の中に貯まっていきます。

さらにビリルビンは血管の外にも沈着して、黄疸と呼ばれる現象を起こします。黄疸は皮膚や白目が黄色く見えることで診断されます。

黄疸

大人ではある程度ビリルビンが貯まっても問題にはならないことが多いのですが、新生児ではビリルビンが脳の深いところに貯まって後遺症を起こす危険があります。

そのため小児科のお医者さんは、新生児の黄疸をしっかり調べる必要があります。皮膚やうんちの色をくわしく観察するのはもちろんのこと、血液中のビリルビンの量をすばやく正確に測定しなければなりません。

さて、ここで思い出していただきたいのが、UnaGがビリルビンとくっつくと光るという性質です。研究チームがこの性質を検査に応用したところ、従来の検出方法に比べて千倍以上の感度と何十倍もの精度でビリルビンの量を測定できることがわかりました。

おいしいだけではなく医療にも役立つとなれば、ますますうなぎを愛おしく思えてきます。

近年、稚魚の大量死や収穫量の激減など、うなぎの絶滅を危惧する暗いニュースが多い中、久しぶりに明るいニュースでした。

しかし、考えてみてください。21世紀初頭以前に、もしうなぎが絶滅してしまっていたとしたら、この発見はなされなかったでしょう。

人間の利益や都合のためにほかの生物が生きている訳ではないですが、ひとつの生物種の消滅が私たちに及ぼす損失を考えさせられるいい例だと感じました。

今年の土用の丑の日には、うなぎを味わいながらも、科学技術と地球環境に思いをはせてみてはいかがでしょうか?

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この記事への2件のフィードバック

登録タグ うんこ はおかしいやろ!w でもおもろい記事や!さすが!

未来館の人気シリーズブログ"うんこの~"もぜひ読んでみてください!おもしろいですよ~。

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