モグラ!?……ジェットじゃないけど!【前編】

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ブログをご覧の皆様こんにちは。科学コミュニケーターの野副です。

夏休みが終わり、関東地方は涼しい日も増えてきました。まだまだ残暑の日があるかもしれませんが、それでも秋を感じ始める今日この頃。未来館の1階で開催中の企画展「サンダーバード博 ~正規の特撮が描くボクらの未来~」は9月23日(月・祝)までまだまだ開催中です。「お台場中央交差点」に続いて、今回もそのサンダーバードメカに関係するお話。

下の写真は、サンダーバード2号に搭載される救助メカの中でも大人気の「ジェットモグラ」。

themole

(C) ITC

先端のドリルをジェットエンジンで回して、地中に閉じこめられた人たちなどを救助します。地面の中を掘り進むことから「モグラ」の名前が付いています。

巨大なドリルで地面の中を掘り進むなんて、現実には無理だと思う人もいるかもしれません。でも、そんな巨大なマシンが実在するんです。9月初旬のある日、そのマシンのある工事現場に行ってきました。

いきなりババ~ンといっちゃいましょう。これがそのマシン。

machinephoto

提供: 川崎国道

名前を「シールドマシン」と言います。左下に小さく写っている女性と比べてください。その巨大さがわかると思います。それもそのはず。直径はなんと12m。4階建てビルと同じくらいの高さです。先端の青い部分がドリルの歯になって、グルグル回転しながら地面の中を掘っていきます。このマシンが現在、未来館のすぐ近くの東京港トンネルの工事で活躍しています。

シールドマシンでトンネルを掘るのは珍しいことではなく、首都高速中央環状線品川線の工事でも使われましたし、地下鉄の工事などでもよく使われています。掘り進めながら、「セグメント」と呼ばれる「トンネルの壁」になる部品を次から次へとつなげて、トンネルを作っていく工事方法です。

でも、今回のトンネル工事では、すごくユニークなところがあります。そのユニークな部分が写っている写真がこちら。さて、どこがユニークなのでしょうか。

tunnelinner1

……正解は、写真の下半分に写っている平べったい部分です。って、これだけじゃ何がユニークかわからないですよね。実はこの部分、シールドマシンがトンネルを掘りながら、その後ろにコンクリート製の大きな部品を置いていって、掘っている最中に道路の基盤も作ってしまうんです。写真に小さくワゴン車が写っていますが、大きなダンプカーでもビクともしない頑丈な基盤です。

トンネルの構造がどうなっているかというと、ここで模式図の出番。

tunnelmain

提供: 川崎国道

この図は、トンネルの断面を示したものですが、下半分にご注目。中央に避難通路がありますが、このまわりにあるコンクリートブロックは、実は「重り」なのです。この「重り」を、トンネルを掘り進めながら敷き詰めているのです。

なぜ、このような重りを掘っている最中から置かなければいけないのでしょうか。ここでまたまた模式図の出番。

tunnelwithhighway提供: 川崎国道

今回の工事で掘っているトンネルは、湾岸線のトンネルの南側に掘っています(模式図内左のトンネル)。そのトンネルの上に載っている地面の厚さは「たった7m」! ……「たった」というのはピンと来ないかもしれませんが、これ、トンネル工事としては薄すぎるんです! もし、先ほどの重りがないと、トンネルの上に載っている土の重さが少ないので、空洞の大きいトンネル部分が浮いてしまうのです。

通常のシールドマシンによるトンネル工事だと断面が丸いままで、一番下の部分では掘り出した土や泥を運び出すベルトコンベヤーが動いています。そのため、掘っている最中にトンネル内をクルマが通ることはできません。今回はクルマで奥まで通ることができるので、ワゴン車でシールドマシンのすぐ手前まで連れて行ってもらいました。

さて、いよいよ、シールドマシンとご対面!その様子は後半で!!

企画展概要

TB

サンダーバード博~世紀の特撮が描くボクらの未来~

会期:2013年7月10日(水)~9月23日(月・祝)

会場:日本科学未来館 1階企画展示ゾーン

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