2013年ノーベル賞 皆さまの予想~生理学・医学賞その2

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前回に引き続き、特設サイト「ノーベル賞を予想しよう!2013」に寄せられた皆さまからの予想をご紹介します。今回もすごい顔ぶれです。

NobelVote

科学コミュニケーター鈴木真一朗が作った通称・投票サイト。こういうサイトをちゃちゃっと作れるのは、身内ながらすごいと思います。

Craig Venter

ヒ トゲノムの解読をすべく、国際チームががんばっていたときに、別な方法で一気に解読をし、最後は熾烈な争いになりました。投票サイトではコリンズ博士の名 前だけを挙げていますが、科学コミュニケーターの鈴木啓子は共同受賞する3人の受賞者の一人としてベンダー博士を予想していますので、詳細は鈴木啓子の予想ブログ記事を ご覧ください。最近では人工バクテリアの研究が有名です。複数の方がお名前を挙げていました。

 

Michel Hunkapiller、神原秀記

ヒトゲノムの解読が今年の本命だろうと予想した鈴木啓子ですが、この分野はかかわっている研究者が多く、3人に絞り込むのにずいぶん悩んでおりました。Hunkapiller博士も神原先生も生理学・医学賞チームの中ではもちろん名前が挙がりました。お二人とも、シーケンサー(DNAの塩基発列を自動で読み取る装置)の開発にかかわった方です。後発ながら国際ヒトゲノムチームに迫ったVenter博士率いるセレラ社のシーケンサーはHunkapiller博士が開発したものでした。神原先生はシーケンサーの世界標準となっているキャピラリー法を開発した方です。神原先生のお名前は複数の方があげていました。

 

竹市雅俊

単細胞生物は細胞1個の状態でふらふらと動き回ったりしますが、多細胞生物の場合、血球などの一部の細胞を除いて、たいていはまわりの細胞とくっつき合っ て、臓器などを作りあげています。その「くっつきあう」ために必要なのが細胞接着分子カドヘリンで、竹市先生はそれを発見した方です。私たちの身体がこの 状態でいられるのは、まさにカドヘリンのおかげなのですが、がんともかかわりが深いです。がん細胞がもともとの場所を離れて、行った先に定着する「転移」 はこのカドヘリンの働きが大いにかかわっているのです。

 

坂口志文

私たちの身体は常に病原菌やウイルスの脅威にさらされています。それを迎え撃つのが、免疫系。しかし、例えば、お腹の中にいる善玉菌が攻撃されないのはなぜでしょう? お母さんの胎内にいる赤ちゃんがターゲットにされないのも良く考えると不思議です。これは制御性T細胞と呼ばれる特殊なリンパ球のおかげ。それを突き止めたのが坂口先生です。免疫細胞が誤って自分の身体を攻撃してしまう慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患の治療などにもつながりそうな成果です。

 

岸本忠三

こちらも免疫がらみのお話(余談ですが、日本の免疫学は世界で正真正銘トップクラスです)。リンパ球が分泌して、仲間の細胞たちと情報交換をするときに使うインターロイキン6を発見した方です。特筆すべきは、こうした基本分子の発見という基礎医学から、自己免疫疾患の治療薬まで一貫して取り組み、成果を挙げていらっしゃることでしょう。

 

Karl Deisseroth

脳のそれぞれの神経細胞がどのように働いているかを突き止めることのできる「オプトジェネティクス」という手法を開発した方です。昨年のノーベル賞の受賞予想で鈴木啓子が本命予想とは別に、お名前を挙げておりました。ご研究内容の詳しい説明は昨年の鈴木啓子のブログ記事の最後の方をご覧ください。

 

長田重一

細胞の中で不要になったタンパク質を処理するオートファジー機構の大隅良典先生のところでも書きましたが、私たちは「新しくできあがる仕組み」に注目しがちです。同じことは細胞にも言えて、細胞が分裂して、新しい細胞ができる仕組みは昔から詳しく研究されていましたが、細胞が死ぬ仕組みについては手つかずでした。多細胞生物の場合、新たに生まれる細胞もあれば、不要になる細胞もあります。そして、不要な細胞がまわりに迷惑を掛けることなく死んで行く仕組みがあるのです。「アポトーシス」とか「プログラム細胞死」と呼ばれています。長田先生は実際にアポトーシスにかかわる遺伝子を初めて突き止め、、アポトーシスのメカニズムを分子レベルで明らかにした方です。

 

Robert Langer

生体になじみのある高分子材料の専門家です。その1の記事で紹介した片岡一則先生のようにDDS(薬物送達システム)に役立つ素材をたくさん開発しています。最近ではJoseph Vadanti博士とともに「組織工学(Tissue Engineering)の提供者として知られていて、再生医療の分野でも注目されています。再生医療では立体構造をもつ組織・臓器の開発が課題になっていますが、あらかじめ生分解性ポリマーで立体を作っておき、そこで細胞を培養して、その立体の形にさせようというもの。人の耳の形にしたポリマーに軟骨細胞を埋め込み、耳の形を作ったりしています。この実験は、培養細胞に栄養が行き渡るよう、マウスの皮下で行ったので、背中に耳のあるマウスの映像として、ご記憶の方もいるのでは? DDSでも使う中の薬の成分をゆっくりと放出するポリマーのなかに、インスリン分泌細胞を埋め込んだ糖尿病治療用の"人工膵臓"なども提案しています。未来館の化学賞予想チームの髙橋麻美が化学賞候補としてお名前を挙げていました。

 

以上、9月30日正午までに読者の皆さまから寄せられた今年のノーベル生理学・医学賞を受賞しそうな研究者でした!

これ以降も、予想の書き込みがあれば、順次、紹介しますね。もちろん、物理学賞、化学賞も紹介していきます。

通称・投票サイトでは、まだまだ皆さまからの投票を募集中です。

ぜひ、参加してください。発表当日がもっと楽しめますよ。

投票サイトはこちら→「ノーベル賞を予想しよう!2013」

ノーベル賞の発表は

生理学・医学賞 10月7日(月)18時30分(日本時間、以下同)

物理学賞 10月8日(火)18時45分

化学賞  10月9日(水)18時45分

楽しみですね!

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投票サイトに寄せられた皆さまの予想

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