2013年ノーベル賞 皆さまの予想~物理学賞

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特設サイト「ノーベル賞を予想しよう!2013」(通称・投票サイト)にお寄せいただいた、皆さまの予想をご紹介するシリーズ、今回は物理学賞です。

 

生理学・医学賞では、9月30日正午現在で17人のお名前が挙がりました。実は化学賞もそれに近い数が挙がっています。2賞に比べると、少なかったのが物理賞。投票に参加いただいた人数が少ないわけではなく、票が割れなかったのです。

NobelPhy

3人のお写真の上にあるカラーバーが投票の割合。赤のヒッグス博士がダントツです。

皆さまからの書き込みを見ても、ヒッグス博士が今年受賞する理由を書いたものが多かったです。いくつかピックアップしましょう。

・一番ニュースに取り上げられていたから。

・まさにタイムリーでビッグネームであるから。

こんなものもありました。

・今年は素粒子の順番なので、100%決まり。あとはアングレール

 

「今年は素粒子の順番」とあるのは、物理学賞は受賞テーマに"順番がある"という傾向があるからです。これに関しては科学コミュニケーター福田大展の予想ブログ記事をご覧ください。また、アングレールとは、François Englert博士のことです。この方は、Higgs博士とEnglert博士が共同受賞すると予想されているわけです。

Englert博士はHiggs博士と同時期にヒッグス粒子の予想をした方です。詳しくはHiggs博士を推した本田隆行の予想ブログ記事をご覧ください。

 

Higgs博士、Englert博士の共同受賞となれば、3人目は間違いなくRobert Brout博士だったはずですが、残念ながらすでに他界されてしまいました。ノーベル賞の受賞条件の1つに「存命中であること」というのがあります。このことを投票サイトに来る皆さまもご存知だったようで、Higgs博士に投票した方の中には、博士のご年齢に触れた書き込みがありました。

・一番ホットな話題である。 高齢で、もし受賞前に逝去されるとノーベル賞の大失態である。

・内容的にも年齢的にも大本命

 

 

ヒッグス粒子以外の研究テーマ・受賞者を挙げた予想を紹介しましょう。

 

まずはこれ

・今年こそはニュートリノ物理に携わった人への授与が見たい!T2Kもおそらく初の5シグマでのニュートリノフレーバー変換のペーパーも出た事ですし。

この方は受賞者の名前を挙げていないのですが、T2K実験に触れていることからして、日本人研究者をお考えだったのではないかと考えております。

T2K(Tsukuba to Kamioka)は茨城県東海村のJ-PARKから岐阜県飛騨市神岡町にあるカミオカンデに向けてニュートリノを飛ばす実験です。5シグマ以降は、実験成果の確実性のことです(T2K実験の詳しくはすでに未来館を飛び立った科学コミュニケーター林田美里の過去のブログ記事をご覧ください)。

別の方々が具体的に挙げたお名前には、鈴木厚人先生と梶田隆章先生のお二人がありました。どちらも、2002年にやはりニュートリノ研究でノーベル賞を受賞している小柴昌俊先生ご一門の方。

 

でも、T2K実験を書き込んだ方も、鈴木先生や梶田先生のお名前を挙げた方々も、きっと今の私と同じことを考えているはず(もし違うなら、コメント下さい)。戸塚洋二先生がご存命であったら......。66歳での他界はあまりに早すぎます。

 

ほかにもいくつかのお名前が挙がっていますので、ご紹介します。

 

小澤正直

投票サイトの書き込みは、アルファベットでMasanao Ozawaとありました。「小澤の不等式」で知られる小澤先生です。ハイゼンベルグの「不確定性原理」はご存知でしょうか?素粒子のような極微の世界になると、位置と運動量を同時に正確に観測することはできないという理論ですが、小澤先生は量子力学の根幹をなすこの不確定性原理に不備があることを数学的に示していました。それが「小澤の不等式」です(とはいえ、不確定性原理を否定するわけではなく、より正確にするものです)。今年7月に、この「小澤の不等式」の理論が正しいことが光を使った実験で証明され、話題になりました。

 

飯島澄男

カーボンナノチューブを発見した方です。ダイヤモンド、黒炭などと同じように炭素原子だけでできているサッカーボール型をしたC60(フラーレン)、平面のグラファイトの発見者はいずれもノーベル賞を受賞しています。カーボンナノチューブはその名の通り、管状をしており、さまざまな用途が考えられています。詫摩の個人的な思い出としては、このネーミングに先見性を感じております。カーボンナノチューブの発見は1991年だったのですが、当時、新聞などに出てくる文字は「マイクロ」まで。今でこそ、ナノ構造とか、ナノテクノロジーなどといった言葉を聞きますが、あのころは一般には「ナノ」はまったく知られておらず、「マイクロ」に先端性を感じる時代でした。

 

赤崎勇

あれ、なぜ赤崎先生が「その他」に?と思ってしまいました。未来館の予想チームは化学賞での受賞を予想していたのですが、物理学賞に複数の方がお名前を挙げていました。ご指摘の通り、物理学賞での受賞も大いにありうると思います。青色発光ダイオードの開発をした方です。ご研究の内容に関しては、化学賞チームの科学コミュニケーター田村真理子のブログをご覧ください。

 

細野秀雄

トムソン・ロイター社のノーベル賞有力候補(引用栄誉賞)に今年、選ばれていましたね。鉄系超伝導体を開発した方です。強磁性体である鉄の入った物質が超伝導になること自体が、大きな驚きをもって迎えられました。超伝導体に移行する温度を飛躍的に高めることもできたので、ものすごい勢いで研究が進んでいます。

 

 

投票サイトの締切は、発表当日の17時まで。物理学賞は10月8日(火)の17時までです。

ぜひ、ご参加ください!

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投票サイトに寄せられた皆さまの予想

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