2013年ノーベル賞 皆さまの予想~生理学・医学賞その3

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いよいよ、本日がノーベル生理学・医学賞の発表日です!

テレビや新聞での報道も出始め、この週末は未来館の特設サイト「ノーベル賞を予想しよう!2013」への書き込みも急増しました。

9月30日まで書き込みにお名前の挙がった方を紹介してきましたが、その後もいっぱい書き込みをいただいたので、ご紹介していきます。

投票サイトでの生理学・医学賞への投票・書き込みは2013年10月7日17時で締め切りました。さくさんの参加をありがとうございました)

Robert A. Weinberg

がん遺伝子研究のパイオニアにして、今も第一線の超大物。発がんに深くかかわる遺伝子には「がん遺伝子」と「がん抑制遺伝子」の2種類がありますが、人の細胞で最初のがん遺伝子となるRas遺伝子を発見した人です。がん抑制遺伝子のRbの発見者でもあります。というより、がんは遺伝子の変異がもたらす病気であるという概念を立てた人といっても良いでしょう。実は、この書き込みを見たときに、「あれ?ワインバーグはもう受賞しているのに」と思ってしまいましたが、私の勘違いでした(受賞したのは、レトロウイルス由来のがん遺伝子を発見したバーマスでした)。うわー、ワインバーグ、取っていなかったのか~!まずい、未来館はまったくのノーマークでした。ちょっと焦っております......!

 

Richard Scheller

皆さまの予想~生理学・医学賞その1のきじで紹介した、Randy Scheckman and Joel Rothmanと3人連名での書き込みがありました。まずはその記事をコピペします。「タンパク質は細胞の中で作られます。もう少しくわしくいうと、粗面小胞体という膜構造体の表面で作られます(粗面小胞体の表面のつぶつぶがタンパク質合成の場となるリボソーム分子です)。できあがったタンパク質は、その種類によって働く場所が違います。ホルモンのように細胞の外へ分泌されるものもあれば、細胞膜に埋め込まれているもの、細胞質を浮遊しているもの、細胞核の中で働くものもあり、さまざまです。できあがったタンパク質が粗面小胞体から目的地まで、膜構造体の連係プレー(小胞輸送)で運ばれていることを明らかにしたのがこのお二人です。複数の方がこのテーマを挙げていました。」Scheller博士は、小胞輸送のなかでも、膜どおしを連絡するタンパク質の研究をなさっています。

 

水島昇

今回の書き込みでは非常に多くの方が大隅良典先生の名前をあげていらっしゃいました(詳しくは「皆さまの予想~生理学・医学賞その1」をご覧ください)。トムソン・ロイター社が選ぶ今年の「ノーベル賞有力候補者(トムソン・ロイター引用栄誉章)」に大隅先生とともに選ばれたのがこの水島先生です。大隅先生と同じく、不要になったタンパク質などを処分する細胞の「オートファジー(自食作用)」のメカニズムについて分子レベルの研究をしている方です。

 

田中啓二

大隅先生、水島先生と同じく、「オートファジー」の研究をなさっています。不要になったタンパク質の処理方法を、オフィスでの重要書類にたとえてみます。期限が来たりしていらなくなった重要書類には、「廃棄」のハンコが押されます。次に、「シュレッダー」でバラバラに断裁され、最後に焼却炉などへ行きます。細胞の中にもシュレッダーに相当する分子機械があり、プロテアソームと呼んでいます。田中先生はプロテオームの発見者です。

 

審良静男

このお名前を見て思い出したのは一昨年のノーベル医学・生理学賞です。審良先生と同じ、自然免疫の研究をしているお二方が受賞なさいました。この記事でもたびたび出しているトムソン・ロイター社の論文引用件数ではトップクラスの方です。ご研究の詳細は、一昨年の拙記事「ノーベル賞の"3人目"」をご覧ください。

 

浅島誠

発生学でマイルストーンとなる大きな発見をした方です。私たちの身体は元をたどれば、たった1個の受精卵からできています。受精卵が分裂して、細胞の数を増やすと同時に、種類もだんだんと増えていきます。この発生のプロセスで決定的に重要な役割をするのがアクチビンという小さなタンパク質です。しかも、この物質の濃度が細胞の行く末を決めるのに重要でした。アクチビンの発見に始まる、一連のお仕事をなさったのが浅島先生です。生物学は、重要なタンパク質の「ある」「なし」で語られていた印象があったのですが、「濃度」という概念がきわめて重要であることがはっきりして、非常に印象に残った覚えがあります。

 

Ronald Evans Pierre Chambon

細胞の核内受容体の研究をしている方々です。このお二人とElwood V. Jensen博士のお名前が化学賞の方であがっていました。そちらのきじからコピペします。「ステロイドホルモンなどの影響で、いっぺんに身体ががらりと変わることがあります。それは核内受容体と呼ばれる細胞の核の中で働いている分子のおかげ。このお三方は核内受容体の研究をした方です。今年の未来館ノーベル賞チームのリーダーをしている科学コミュニケーター西原が、昨年、このお三方が生理学・医学賞を受賞するとして記事を書いています。詳しい研究内容は、西原による2012年の予想ブログ記事をご覧ください。」

 

話は少しそれますが、アメリカは10月からの新年度予算が決まらないせいで、国立機関のサイトが更新を停止しています。アメリカの国立研究所の方々がノーベル賞を受賞する可能性って、大きいと思うのですが......。どうするのだろう?

職員の出勤もままならないようですし。NIH(米国立衛生研究所)の実験動物や培養細胞は大丈夫なのだろうか? アメリカ議会にとっては些末なことなのかもしれませんが、医学にとっては、けっこうな痛手になりかねない気がしています。

 

さて、ノーベル生理学・医学賞の発表まであと2時間を切りました。楽しみです!

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