2013年ノーベル化学賞発表!~まさに、組み合わせる!だ!~

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みなさん、こんばんは!…本当に夜分に失礼します…

ちなみに僕はいつも23時には寝ていまする!

 

さて!大変お待たせいたしました!!

化学賞予想チーム田村高橋・大渕)を代表して、ぶっちーこと大渕が今年のノーベル化学賞を解説します!

 

今年の受賞者は、Matrin Karplus博士(米・ハーバード大学)、Michael Levitt博士(米・スタンフォード大学)、Arieh Warchel博士(米・南カリフォルニア大学)の3名でした。

 

彼らの受賞テーマは

「複雑な化学反応系のためのマルチスケールモデルの開発」

です。

 

彼らによって「古典力学」と「量子力学」を結びつけた計算化学(マルチスケールモデル)の手法が開発され、タンパク質のような大きな分子の構造が変わっていく様子をコンピューターシミュレーションで解明することが可能となりました。その貢献は、創薬から太陽光発電まで非常に多岐にわたります。

 

さて。

 

どういうこと???

 

実は、タンパク質などの生体内の高分子がどのように立体構造を変えながら機能しているのか?ということを調べることは非常に重要なのです。特にタンパク質の場合、正常な立体構造をしていないと、生体内できちんと働かないことさえあります。

 

 

ところが、分子の計算を行う場合、どのような分子モデルを扱うかによって計算方法が変わります。

 

例えば、古典力学に基づいて、ある分子をモデル化するとイラストの左図のようになります。

分子モデル

イラスト:第27回情報化学討論会 古明地勇人さんの発表要旨より改変

 

 

これを全原子モデルといいます。このモデルでは原子を最小単位として球体で表現し、それぞれはバネでつながっています。このとき、それぞれの原子同士がどういった位置関係にあるのか?ということは比較的簡単に計算できます。ただし、ざっくりとです。

 

一方、量子力学に基づくと、次にイラストの右図のようになります。さきほどの全原子モデルでは原子を最小単位としていましたが、こちらのモデルでは原子を電子と原子核にまでわけて考えます。電子とは量子状態(波であり、粒子である)にあるために、まるで雲のように原子核のまわりを取り囲んでいる(電子雲)わけです。

そうすると、先ほどの全原子モデルとは計算方法がまったく違ってくる上にものすごく手間がかかります。それは電子の量子状態まで計算しなければならないからです。

 

そして、計算の手間は分子が巨大になれば、なるほど、爆発的に増えます。それこそ、タンパク質のような高分子をまるまる全電子モデルで計算させようと思うと、スーパーコンピューターでも何日もかかります。

 

 

つまり、

古典力学に基づけば、ざっくりした化学構造しかわからないが計算の手間はそんなにない。

一方、量子力学に基づけば、精確な化学構造はわかるが計算にかなりの手間がかかる。

 

 

 

この2つの方程式の長所を取り込んだわけですね!

 

たとえばいまタンパク質がひとつあったとします。

これの全体的な大まかな構造を知りたいときは比較的計算の簡単な古典力学をもちいて導き出します。

 

しかし、タンパク質の中の重要な部位(化学反応を起こす機能的な部位)については詳細な構造が知りたいですよね?

ここについては、時間はかかりますが、量子力学的な計算法を用いようというわけです。

 

マルチスケールモデリングイメージ図1

イラスト:ノーベル財団提供、改変

 

 

さてさて、 Levitt博士とWarchel博士は、量子力学によるコンピューターシミュレーションを用いた高分子解析手法を開発しました。そして、Karplus博士は、分析機器を用いて実験によってデータを収集し、そこからシュミレーションの元となる計算式を導き出しました。

 

お三方のこのような功績によって、タンパク質のような巨大な分子も、太陽光パネルの中で光を浴びて電気を生み出す高分子も、コンピューターの中でその動きや形の変化をシュミレーションできるようになったのです。

 

「高分子の構造決定」という点では、僕の予想もいい線行ってたかなと思う(自画自賛)ので残念ですが、受賞されたお三方、本当におめでとうございます(^^)

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