公共空間で、感染症はどのように広がるか... 数理モデル大実験!

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こんにちは、展示企画開発課の鈴木 真一朗です。
2月より開催されている第13期メディアラボ「1たす1が2じゃない世界-数理モデルのすすめ」はもうご覧になりましたか?
この展示では、世界を数学的にとらえて解決しようとするFIRST合原最先端数理モデルプロジェクトの研究成果を紹介しています。
前回の記事で「第13期は「世界平和」、しかも今までにないアプローチでの世界平和をご紹介したいと思います。」と大見得を切っていましたが、それは「数学で世界平和」のことだったんですね。
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数学と世界平和にどんな関係があるのか。
今日は、ひとつの例をご紹介したいと思います。

インフルエンザを防ぎたい!

毎年のように猛威をふるうインフルエンザ、みなさんは大丈夫でしたか? ある意味でなじみ深い感染症ですが、できることなら感染したくないものです。 インフルエンザが怖いのには、その症状の他に、感染力の強さがあります。
1. 感染者のくしゃみなど、直接ふれていなくても感染するおそれがある
2. 感染から発症までの潜伏期間が数日あるため、自分でも気づかずに他の人に感染させてしまう
みなさんもご存じの通り、インフルエンザの流行時に感染を防ぐには、マスクや手洗いが有効です。 インフルエンザ並みの感染力でもっと危険な感染症が出た場合には、街区単位で外出を制限したり、予防接種を義務化したりすることも考えられます。 とは言え、いたずらに外出規制されても困りますし、必要以上にワクチンを用意しても無駄になってしまいます。 「いつ、どこで、どれぐらい」感染するのか、これがわからないことには実効的な対策を打てないのですが、実際にウイルスをばらまくわけにもいきません...


仮想的伝播実験


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2月から3月にかけて、私たちは未来館にいらした方に協力をいただき、大規模な感染症実験を行いました。
同意いただいた来館者のみなさんに、ウイルスの飛沫に代えて、数メートルだけ電波を飛ばすバッジを付けて、それ以外はいつも通り、館内を自由に楽しんでいただきました。
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建物にも同じようなバッジを設置し、みなさんがどのように移動したか、大まかな位置を調べられるようにしました。

全7回の実験結果はこちらからご覧いただけます。
数理モデル大実験

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3月20日、14時少し前に感染力のあるバッジをもった研究者が1人で3階を自由に歩き回った場合です。
およそ1時間後には20人以上に感染しています。
未来館の人気者ASIMOの実演やドームシアター内で感染が広まっていく様子もわかります。

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ニコニコ歩いている「感染源」役の研究者。

それぞれの実験日で、少しずつ実験条件が異なっています。「あの人は感染していると周囲の人がわかって、近づかないように気をつける場合はどうなるだろう?」など、より実際に近い結果を得ることができました。
これらの結果に、合原プロジェクトが得意とする数学的なアプローチを取り入れることで、「もっと感染力が高いウイルスでは?」、「潜伏期間がないウイルスでは?」なども調べることができます。

どんな数学的なアプローチを用いるのかなど、書きたいことは尽きないのですが、記事としてあまりに長くなりすぎたので、このへんで。
展示場の「Mission 1」のコーナーで感染症の数理モデルについて、詳しく解説しています。
とにかく、感染症を防ぐには一人一人の対策が大事ですよ!

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