探査機も飛べば幸運に当たる!?

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「太陽系の外からきた可能性がある粒子を7個発見した」という報告が、アメリカの科学論文誌Science2014年8月15日号に掲載されました。太陽系の外からきた粒子は星間塵(せいかんじん)といい、星と星の間にある小さい粒子だと考えられています。夜空に見える星と星の間には何もないように見えますが、ほんの少しだけ小さい粒子が存在するのです。

この小さい粒子である星間塵ですが、「すい星(ここの話でのすい星はほうき星の事です)のチリをとらえる探査機によってとらえられました。

 

すい星のチリをとらえるってどういうこと?

と、思うかもしれませんが、NASAのスターダスト探査機が「ビルド2すい星」に近づいてチリを取ってきたのです。

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Credit: NASA/JPL

写真1:すい星のチリを回収するスターダスト探査機のイメージ図

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Credit: Stardust Team, JPL, NASA

写真2:スターダスト探査機が撮影したビルド2すい星

 

スターダスト探査機はすい星の尾の中を飛行することで、すい星から放出された約1万個のチリを集積機(コレクター)にとらえることに成功しました。下が、コレクターの写真です。水色に見えるのはエアロジェルで、これをアルミニウムのフレーム(ホイル)で隔てています。

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Credit: Courtesy NASA/ JPL/Caltech

写真3:チリを回収するためのエアロジェル。アルミニウムのホイルで分けられている。探査機からテニスラケットのようにこれを突き出してチリをとらえました。

 

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Image credit: NASA/JPL-Caltech

写真4:エアロジェルでとらえられた彗星のチリ。左から右に向かってチリが突入しました。※太陽系外の粒子はここには存在しません。

 

今 回発見された太陽系外の粒子は、すい星起源ではなくスターダスト探査機が宇宙空間を移動中にとらえたものです。太陽系の外から星間塵が、秒速26Km以上 の速さ(東京から沖縄まで1分で行けるくらいの速さです!) で太陽系に流れてきていることが、ユリシーズ探査機によって明らかにされていましたが、これをとらえることに成功したのです。

写真3のすい星のチリをとらえるエアロジェルの裏側には、星間塵をとらえるためのエアロジェルタイルが取り付けてあり、すい星のチリだけでなく星間塵もとらえたのです。

 犬も歩けば棒に当たる、ということわざがありますが、探査機を飛ばして幸運に当てる!といったところでしょうか。

 

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Image Credit: UC Berkeley/Andrew Westphal

写真5:もっとも大きい星間塵を捕らえたエアロジェル。写真右上の赤丸部が星間塵の通過した痕。

 

粒子は非常に小さく、髪の毛の太さの100分の1以下の大きさ、重さは1円玉3枚の1兆分の1以下程度です。このように小さな粒子でも、今はどのような元素でできているか調べることができます。

そ の結果、ふわふわした構造のものや、硫黄化合物が含まれているものが発見されました。星間塵については色々な説がありますが、星間塵は固くて密度の高いも のである、硫黄化合物は存在しない、という説をくつがえす発見のため注目されています。この後さらに詳細な分析が行われる予定です。

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スターダストのチリのコレクター(チリを集める装置)を調べる研究者

Image Credit: Andrew Westphal, UC Berkeley

 

このスターダスト探査機は1999年に打ち上げられ、2006年に試料を採集したカプセルが地球に帰ってきました。8年もの月日がたった今でもまだまだ調べることは多くあり、そのかなでこのように新しい発見がありました。

日本の小惑星探査機「はやぶさ」は2010年に帰ってきました。現在も回収した試料の分析が行われています。はやぶさの回収した試料からも、まだまだ新しい発見があるかもしれません。期待したいですね。

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