火星探査機MAVEN、マンガルヤーン到着!5分で火星探査がわかるまとめ

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みなさん、ニュースです!

火星探査機「MAVEN(メイブン)」と「マンガルヤーン」が火星へ無事到着しました!!(∩´∀`)∩

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9月22日に米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「MAVEN」が火星へ到着しました。

打ち上げられたのは昨年2013年11月。約10ヶ月の旅を経て、火星へ無事に到着したとNASAが発表しました。

そして本日、9月24日にもインド宇宙研究機構(ISRO)の探査機「マンガルヤーン」も火星に到着しました。アジア初の火星探査機到着です!

この2つの探査機は、どちらも火星に着陸する探査機ではなく、火星のまわりを衛星のように回る周回機。どちらも火星の大気の把握が目的です。

 

さて、ここで火星探査機のニュースで注目すべきポイントを3つご紹介します!

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 それでは、さっそくご説明いたしましょう

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現在も活躍している火星探査機は5つあり、地表を観測するローバーや火星の周りを周回する衛星があります。今回の探査機のミッションや装置は今までのものとどこが違うのでしょうか?

 

■NASAの探査機「MAVEN」 

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主要目的:火星の上層大気の解明

装置:イオンや電子の検出器や紫外線を観測するカメラが搭載されています

 

現在の火星の大気は薄く、地球の約150分の1程度ですが、過去には多くの大気があったと言われています。

なぜ火星の大気はなくなってしまったのか?

まだ解明されていない謎に挑むのがこのMAVENです。

 

火星の大気がなくなってしまった原因は、太陽から吹き付ける太陽風と呼ばれる電子やイオンの流れだと考えられています。太陽風が、惑星の上層部分の大気をはぎとってしまう様子を実際に観測することで、そのメカニズムを明らかにしようとしています。

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(動画:NASA「Mars Exploration Program」より「Studying the Solar Wind on Mars」)

火星の大気が薄くなった過程を知ると、過去や未来の惑星を知ることにつながります。

水が存在していた頃の火星の様子や、太陽風の影響を受けた未来の地球の姿を知る手がかりになるのです。

 

■インド航空宇宙研究所の探査機「マンガルヤーン」

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主要目的:火星表層の地形、鉱物、火星大気の組成の探査、技術獲得

装置:メタン検出装置など。(装置を作る技術を得る意味合いが強い)

火星の探査機としてはアジア初!ということで、インド国内では大変盛り上がっているようです。インドの皆さま、おめでとうございます!「マンガルヤーン」はメタン検出装置などを搭載しており、こちらも科学的な目的としては、大気の組成の探査です。ただ、インドにとっては、科学的目的だけでなく探査機を作ることで技術力を高め、ひいては国力をあげることも大きな意味をもっています。(参考:インド航空宇宙研究所

 


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なぜ今年の9月に2機も火星探査機が到着するのかというと、それは火星と地球が近づくタイミングに合わせて探査機を打ち上げているからです。火星と地球はいつも同じ距離にいるわけではなく、2年2ヶ月ごとに近づきます。そして2014年はちょうど接近する年だったのです。

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ということは、2年ごとに打ち上げのタイミングがやってきます!

ヨーロッパやNASAから2016年、2018年にも火星探査機の打ち上げが予定されています。NASAの次の探査機は、火星の地中を探るみたいですよ!


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アメリカとインド、ヨーロッパはわかったけど、日本はどうなんだ!!という声が聞こえてきそうですね。

最後に、日本の火星探査機のお話をしましょう。

 

現在、日本の火星探査機はありませんが、過去に火星探査機を打ち上げた経験はあります。また、火星の軌道には行っていませんが、火星の大気を観測する衛星はまさに今、活躍中です。

 

■2003年日本初の火星探査機 「のぞみ」(PLANET-B)

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(JAXA「PLANET-B」 )

1998年に打ち上げられ、2003年に火星に到着予定をしていた探査機が、日本にもあったのです!最後まで全力を尽くしましたが、残念ながら火星の軌道に投入するのを断念しました。

実は、この「のぞみ」の目的は

「火星上空大気と太陽風との相互作用の研究」。

お気づきですか? そう!今回のMAVENの目的と同じです!!

のぞみが果たせなかったミッションをMAVENが果たしてくれるかもしれません。

(参考:「PLANET-B」 JAXA

 

■2020年以降 MELOS(Mars Exploration with Lander-Orbiter Synergy)計画

こちらは、まだ計画段階のプロジェクトです。周回機と着陸機からなる日本単独の無人探査計画で、蛍光顕微鏡やアミノ酸解析装置を搭載し生命探査をする可能性もあります。まだ具体的な決定事項はなく、2020年頃の実施を視野に入れて計画を作ろうとしている段階だそうです。

(参考:MELOS計画とは:その生い立ちと検討状況

 

■惑星分光観測衛星「ひさき」(SPRINT-A)

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(JAXA「SPRINT-A」)

実は、日本は火星を毎日観測しています!

人工衛星である「ひさき」は探査機というよりは、宇宙望遠鏡に近いかも知れません。地球をまわる軌道から遠隔操作で火星や金星、木星などを観測しています。昨年9月にイプシロンロケットによって打ち上げられました。

宇宙望遠鏡は、これまでにもいつくかありますが、「ひさき」は世界で初めての惑星観測専用の望遠鏡なのです。惑星の大気の成分から発せられる紫外線を観測することで、惑星の大気が太陽風によって失われていく様子をとらえています。(参考:「SPRINT-A」 JAXA

「ひさき」から送られる観測データをもとに現在、惑星大気の研究をされているのが東京大学の吉川一朗先生です。

 

そして、今週末、吉川先生を講師に迎えたトークイベントを開催致します。

もっとよく知りたい方はぜひお越しください。

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「火星探査機到着なるか?!-大気が明かす未来の地球」

2014年9月27日(土) 14:30~15:30 (開場14:15)

講師:吉川 一朗氏(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻) 

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日本が世界をリードしている紫外線を使った観測法で月・惑星探査プロジェクトに参画し、主に金星や火星の大気のメカニズムを研究されている吉川一郎先生をお招きして、太陽系の惑星に存在する大気を調べることによって、惑星環境の過去そして未来に迫ります。 

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さて、火星探査機のニュースを3つのポイントから解説しました。いかがでしたか?

探査機の観測が始まるのは到着してから約1ヶ月後。
火星探査のニュースが待ち遠しいですね!

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