宇宙に浮かぶ、"ロゼッタストーン"を読み解け!

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まいどーっ!

 

今年の秋は、ノーベル賞で結晶屋さんがキラキラしたり、
月食が雲に隠れるかどうかでヒヤヒヤしたり、
NHK「サイエンスZERO」のプレゼン大会で今年もドキドキしたり、
 (見逃した人は、オンデマンドで見てね)

 

と思ったら、もう冬の便りが北の方から聞こえるようになりました。

 

どおりで朝晩が寒いわけだ。
(やっと冬布団になりました)

 

あ、申し遅れました、ほんだです。

 

ところでみなさん!
ちゃんとニュースはチェックしていますか?

つい先日、大きなニュースがありましたよね。

「欧州の彗星探査機が、彗星への着陸に世界で初めて成功!」
20141115_maido_01.jpg彗星探査機「ロゼッタ」(イラスト)
出典:wikimedia commons

 

おぉぉぉぉぉ、これはすごい・・・!!
と、宇宙の話大好きなほんだは、1人興奮している訳です。

 

 

え?

 

なんだって?

 

どこがすごいんだって?

 

日本は「はやぶさ」が、行って帰ってきたじゃないかって?

 

 

・・・というあなたに。

 

今回のニュースをほんだ(まいどの方)がさっくりと解説します!

 

さぁ、いってみよー!

 


 

1.そもそも、「彗星」ってなに?

みなさん、「ハレー彗星」って聞いたことありませんか?

 20141115_maido_02.jpg

ハレー彗星
出典:wikimedia commons

写真でだけなら見たことある人も多いはず。
昨年「アイソン彗星」が話題になったので、もしかすると覚えている人も多いかも。

 

「彗星」という天体は、長く尾を引くその姿から「ほうき(箒)星」とも呼ばれます。
その正体は、地球と同じように、太陽の周りを回る天体。
れっきとした、太陽系の仲間です。

 

その数、現在発見されているだけでなんと数千個以上
でも、ハレー彗星のように肉眼で見えるものは、とても少ないですけどね。

 

大きさは、地球などと比べるととても小さく、直径は大きくても数十kmほど。
成分には、ちりや岩石だけでなく、氷などの揮発性成分を多く含んでいます。

 

例えるなら「凍った泥玉」みたいなものでしょうか。

 

この揮発性成分が、太陽に近づくと蒸発して、「尾」のように見える訳ですね。
今回の探査機は、宇宙を行き交う「凍った泥玉」に着陸した訳です。

 

 

<「彗星」と「流れ星」の違い>

流れ星は、ちりが地球の大気につっこんできて、一瞬だけ輝くもの。
つまり、星ではなく、「ちりが大気との相互作用で光る」という現象です。

一方、彗星はれっきとした「天体」の名前。
もちろん、一瞬で消えたりはしませんよ。

  

 

2.探査機「ロゼッタ」とは?

今回ニュースになった探査機の名前は、「ロゼッタ」といいます。
ESA(欧州宇宙機関)の彗星探査機で、2004年3月に打ち上げられました。

 

目標としている彗星は「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星
(※ 決して早口言葉ではない)

 

到着までの道のりは、長くそして孤独です。
地球に3回と火星に1回近づいて、惑星の重力を借りて軌道修正※。
※ 「スイングバイ」ってやつです。

また、旅の途中には、小さな小惑星にも2回近づきました。

 

そして、片道10年。
今年の5月にターゲットとしていた彗星に、やっと到着したわけです。

 20141115_maido_03.jpg

チェリュモフ・ゲラシメンコ彗星の接近画像 
出典:wikimedia commons

 

で!

 

 

この探査機、ただ飛んでいって彗星に近づくだけではありません!
ぴったり横に寄り添いながら1年以上観測を続けます。

 

さらに!

 

「ロゼッタ」は、「フィラエという子機(着陸機)を従えています。
(※ 現地の発音は「フィレ」に近い)

 20141115_maido_04.jpg

探査機ロゼッタと、着陸機フィラエ(イラスト) 
出典:wikimedia commons

 

この着陸機には、彗星の表面を調べるカメラだけでなく、表面の物質を測定する装置も積んでいます。
小さな実験室みたいなもんですかね。

 

到着以来、親機の「ロゼッタ」がいろいろな観測を行い、下調べを十分にして・・・
満を持して、子機の「フィラエ」を分離、彗星表面への着陸に臨んだわけです。

 

彗星は小惑星と同じように、太陽系ができたときからあまり姿を変えずにいる「化石」のような存在
しかも、その中には「氷」や「アミノ酸」という生命の存在には欠かせない物質があると言われています。

 

この研究で、地球や生命の起源の重要な手がかりが掴めるかも知れません。

 

「ロゼッタ・ストーン」の調査が、古代エジプト文明研究の鍵となったように・・・
探査機「ロゼッタ」は、「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星」を調べていきます。

 

 

それにしても。

 

あの初代「はやぶさ」が往復7年の旅だったことを考えると、片道10年ってのはとても長い旅ですよね。

 

よくよく考えると、打ち上げ前にも開発に長い時間をかけたでしょうし・・・
当初若手だった研究者は、きっとベテランになっているはず。

 

今回のニュースの裏に隠された研究者の苦労を考えると、もう胸熱です。
(ほんだ、勝手に感極まる)

 

  

3.これからどうなるの?

・・・で、ここからが重要なんですよ。

子機「フィラエ」は、10年越しで、世界初の「彗星への着陸」に成功しました。
やったー!やったでー!(興奮)

 

・・・が。

 

ちょっと深刻な問題が発生してしまいました。

 

なんと、着地の際に大きくバウンドしたことがわかったのです。
2度バウンドした後、なんとか壊れずに表面へと降り立ったものの・・・
目標としていた場所から離れた場所に着地。

 

さらに、その姿勢は不安定なものでした。

 

岩場に斜めになって着地したらしいのです。
太陽電池パネルにも光が当たりづらく、満足に充電できないようです。

 

姿勢を変えようと試みたようですが、まだその結果は分かっていません。
主バッテリーに残された電力はつきてしまいました。
もう一度太陽電池パネルへ太陽光が当たるようになるまでは、とりあえず一時休眠状態となるようです。

 

いや、しかし。
きっとまだ頑張ってくれるはず!
こうなったときの研究者の執念はすごいんだぞ-!
(はやぶさの時を思い出しつつ)

 

がんばれ、フィラエ!  
まけるな、フィラエェェ-!

 

 

< 小天体へ着陸する難しさ>

彗星のような小さな天体の引力はとても小さいです。
今回の彗星も、地球と比べると数万分の一という小さな重力・・・体感的にはほぼ無重力です。
勢いよく跳ね返ろうものなら、二度と着陸することはできません。
跳ね返らないように、ふわりと着陸するのは、とても難しいのです!!!

もちろん、この難しさは「はやぶさ」のミッション時も同様でした。

 

 

4.おまけ

というわけで、ヨーロッパではロゼッタが頑張っています。
日本も・・・そう、いよいよ次が動き出します。

 

あの「はやぶさ」の後継機がいよいよ旅立ちの時を迎えます。

 

未来館でも、もちろん打ち上げを応援するイベントを行いますよー!!!!
ということで、詳細は次のブログにて!
(もったいぶった)

 

ほなまた近々!

 

ほんだ

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この記事への2件のフィードバック

ESAのロゼッタ特設サイトに、ロゼッタの軌道がわかるページがあるのですが、
ttp://sci.esa.int/where_is_rosetta/
この「連続スイングバイ」を見ていると、「軌道計算の神のようなスタッフがいるのだろうな、ESA恐るべし」、と思いました!

宅野さま

そうなんですよ、地球3回・火星1回のスイングバイは恐るべしです。「軌道計算の神」や「スイングバイの魔術師」のような人がいるかもしれませんね。
しかし、日本の探査機運用も負けてはいないはず。なんたって、イオンエンジンで加速させながらの地球スイングバイを世界で初めてやってのけたのは「はやぶさ」チームですから!
さて、もうすぐ打ち上げの「はやぶさ2」チームはどんな仕事をやってのけてくれるでしょうか(わくわく)。

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