ニューホライズンズ 史上初めて冥王星へ!

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はじめまして。科学コミュニケーターの小熊です。よろしくお願いします。

ブログ初回にふさわしく「はじめまして」の話です。

来たる7月14日、人類史上初めて、冥王星に探査機が到達します。2006年1月にアメリカ航空宇宙局(NASA)が打ち上げた、ニューホライズンズという探査機です。これによって、今まで誰も見たことがなかった冥王星の真の姿が明らかになるでしょう。

・・・誰も見たことがない? そうなんです!木星や土星などの外側の惑星を探査し、太陽系の外を目指した探査機パイオニアやボイジャーがありましたが、冥王星には寄らずにもっと遠くへいってしまいました。今までの冥王星の画像といえば、このハッブル宇宙望遠鏡の画像がよく使われていましたが、これも合成で作られたものです。

20150713_ogum_01.jpg© NASA, ESA, and M.Buie (Southwest Research Institute)

冥王星は太陽から地球までの距離の40倍(!)も遠くにある、月よりも小さな天体です。今まではこのように遠くからぼんやりした画像を撮るのがやっ とでした。しかし、今回は冥王星まで1万2500キロメートルのところまで近づくので、表面の地形までわかるようなはっきりした画像が撮られることでしょ う。(月と地球の距離が38万キロメートルですから、その近さがわかりますよね!)

ニューホライズンズは毎日着々と冥王星に近づいていて、すでに続々と画像が送られてきています。

こちらは7月8日に取られた、冥王星の画像です。

20150713_oguma_02.jpg

© NASA-JHUAPL-SWRI

ハート型の地形?クレーターもありそうですね。表面の様子もだいぶ見えてきました。

こちらのサイトでは、最新の画像を見ることができます。

ニューホライズンズの話題は他のニュースなどでも取り上げられるかと思いますので(私が展示フロアで行っているサイエンスミニトークでもお話しします!)、ここでは冥王星とニューホライズンズに関する裏話を2つしたいと思います。

①アメリカは冥王星が大好き!

冥王星の発見者はアメリカのローウェル天文台にいたクライド・トンボー氏(ニューホライズンズは彼の遺灰を載せています)。冥王星はアメリカ人が発見した唯一の惑星でした。

で した、というのは2006年に惑星から準惑星になったからです。ニューホライズンズが打ち上げられたのは2006年の1月で、このときはまだ惑星でした。 でも、同じ年の8月の国際天文学連合(IAU)の総会で、冥王星は惑星でない、ということになりました。このとき、アメリカではものすごい反対運動が起 こったそうです。自分たちが発見した惑星が1つもなくなってしまうのですから当然ですよね。

冥王星にちなんで名付けられたものもあります。 冥王星は英語でPlutoですが、同じ名前のディズニーキャラクターがいますね。1930年に冥王星が発見されたことから、同じ年に登場した彼は"プルー ト"と名付けられました。 それから、原子のプルトニウム。この名前もPlutoから付けられています。ちなみに、ニューホライズンズも動力に酸化プルトニウムを使っています。

冥王星はいわばアメリカの誇り、だからNASAが冥王星を調べようとするのも納得がいきますね。

②ニューホライズンズミッションには日本のすばる望遠鏡が大きく貢献している!

ニューホライズンズはNASAのミッションですが、実は日本も無関係ではありません。

ニューホライズンズのサイトを見ると、major partnersにすばる望遠鏡が入っています。

ニュー ホライズンズは冥王星だけではなく、他のエッジワース・カイパーベルト天体も目指しています。(エッジワース・カイパーベルトとは、海王星より遠くにある、小さ な天体が帯のようにたくさん集まっているところです)。冥王星をはじめとするエッジワース・カイパーベルト天体はとても遠くにあり、かつとても小さな天体なので、地球上から見ようとすれば一苦労です。 でも、世界最高水準の性能を誇るすばる望遠鏡なら見つけることができます NASAにも頼られるすばる望遠鏡!すごい!

はじめまして冥王星! 宇宙好きの方も、そうでない方も、ぜひ今後のニュースにご注目ください!

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この記事への2件のフィードバック

エッジワーズ=カイパーベルト天体。明るすぎますよね。
冥王星が14等級台。エリスが遠日点に近い位置なのに、18等級位。
反射率が、地球型惑星の感覚だと。べらぼうに高いです。エリス1以上?
明るい、明るい。見える望遠鏡結構あります。でも。これに慣れちゃいけない。
次の探査ターゲットを探すのに。すばる望遠鏡とか。木曽のシュミットカメラ
とか。国立天文台の望遠鏡を使っているので、NASAの協力団体なんですね。
大物のターゲット見つかるのか。成果上がるか否かは。精神的要素ありますね。
ニューホライズンズが次に探査する外縁天体。「黒い」とイメージして地上
から探さないと、ひょっとして明るく見積もりすぎて、見逃して失敗するかも。
エッジワース=カイパーベルトの横断。今までの経路と同じ幅あります。
ゆっくり。確実に。次に訪問する天体を、国立天文台も探すべきでしょうね。

塵星さま

コメントをありがとうございます。返信が遅くなり、大変申し訳ございません。

私も明るいという印象を受けました。部分的にもハート型の地域は特に明るいですね。反射率が高いのは表面の氷のせいでしょうか。

次に訪問する天体はまだ選定中のようですね。どの天体が選ばれるのか、とても気になります。すばる望遠鏡もまた活躍してくれることでしょう。
冥王星を通り過ぎて終わりではない!というところを私もしっかり伝えていきたいと思います。

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