南部陽一郎先生に感謝を込めて

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悲しいニュースが入ってきました。

シカゴ大学名誉教授で、2008年のノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎先生が7月5日に他界されました。1921年(大正10年)のお生まれで、享年94歳。

800px-YoichiroNambu.jpg写真は2005年のベンジャミン・フランクリン・メダル授賞式のもの(写真はBetsy Devine/wikipedia commons)

2008年のノーベル賞の受賞対象となったのは、「自発的対称性の破れ」。この理論は、なんと1960年に発表されたものでした。発表から半世紀も たっての受賞です。素粒子物理学でもっとも大切とされる「標準モデル」は、この「自発的対称性の破れ」をベースにしながら土台ができています。

南部先生がその基礎づくりに貢献した「標準モデル」はこの宇宙の成り立ちを説明する理論として、今も多くの子どもやかつての子どもをワクワクさせています。私たち、科学コミュニケーターの中にも、その魅力にとりつかれてこの道に進んだ者が少なくありません。

日本科学未来館の科学コミュニケーターブログの執筆者一同を代表して、感謝を込めつつ、謹んでご冥福をお祈りいたします。ありがとうございました。

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この記事への2件のフィードバック

米沢富美子氏の著書、「二人で紡いだ物語」を読んでいます。
私の母も94歳で旅立ちました。くしくも南部陽一郎氏と同じ享年、しかも今年の6月のことでした。
南部氏は、訳書「晩年に想う」(アインシュタイン著)ではじめて知り、それ以来、関心を抱いてきました。人となりや生産的先進的アイデアは、私にとって注目の的でした。
その独創的才能のもとは今世から失われ、個人としては永久に閉じられたのです。しかし、人間の好奇心、探求心はとどまることなく、他の個人や集団によって引き継がれ、人間が存在する限り永続されていくのでしょう。
ラジオ深夜便からは、「母を語る」で、南こうせつさんがお母様の武勇伝を語り、私も思い出に懐かしさがこみ上げてきました。笑いをまじえらがらのユニークなトークです。
故人は、肉体は今世からは失われても、目に見えずとも繋がりのある人々のこころの中に、存在し続けて行くのでしょう。
米沢氏は著書の本文中、伴侶との永遠の別れの話を披露され、喪失体験から大切なものを得て、安堵なされたようです。
私も、時々、まだ寂しさは拭えませんが、時と共に癒され、さらに絆は深く結ばれていくと感じています。
今回の南部氏の訃報に接し、私は南部氏の影響は、まだ引き続いていくように思われて仕方ありません。
勝手な文言を述べ、失礼いたしました。一シロウトの発言としてご容赦ください。

佐々木健夫さま

コメントをいただきありがとうございます。

母上さまは南部先生と同じ年のお生まれだったと言うことは
青春時代が戦争と重なった世代でいらしたのですね。
心より、ご冥福をお祈り申し上げます。

南部先生の訃報を伝えるニュースの中に
1つ年下の奥さまが
「私の一目惚れでした」とお話しになっているのがありました。
70年ほど前のことでしょうに、このような言葉が出てくるところに
お二人の絆の強さを感じずにはいられません。

南部先生の業績は、すでに学問の体系に深く入っています。
素粒子物理学を研究する先生方や新たに学ぼうとする学生さんたちは
数式を通して南部先生の知性にこれからも触れることができるわけです。
それは、語り合うことに近いかも知れません。
数式を解せない凡人の私は、心底、うらやましいと思います。

四十九日、新盆とお忙しいと思いますが
猛暑の折、どうぞ、ご自愛ください。

コメントをありがとうございました。

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