こうのとり5号機打ち上げはもうすぐ! ―大切なモノを運ぶ技術と心意気

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こうのとり。

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こんなイメージの方もいるでしょうが、ヨーロッパの言い伝えからくるイメージで、生物学的には日本で言うコウノトリとは別の鳥。そして、今日の話題は生き物のこうのとりではなくて、こちら。

20150818_kounotori_02.jpgこうのとり5号機(JAXA提供)

こちらの「こうのとり」は、日本が開発・運用している宇宙ステーション補給機HTV(H-Ⅱ Transfer Vehicle)。食料や衣類、実験装置などの補給物資を国際宇宙ステーション(ISS)に届け、代わりに用途を終えた実験装置や使用後の衣類など不要品を積み込み大気圏へ再突入して燃え尽きる、という使い捨て型の宇宙船です。

実は、この「こうのとり5号機」、もうすぐ打ち上げられる予定なのです。

というわけで、今日は宇宙船「こうのとり」についてご紹介していきます。

★こうのとりが運ぶモノって?

先ほどもご紹介したとおり、「こうのとり」はISSで必要な物資を補給し、代わりに用途を終えたISSでの不要品を積み込み大気圏へ再突入する、という使い捨て型宇宙船です。しかも、世界最大の補給能力を持っています。

今回ISSに向かう「こうのとり5号機」も食料や衣類の他に、小動物飼育観察装置など、新しい実験装置などを運びます。その実験装置の中になんと、未来館に2008年から2015年2月まで展示してあった装置の一部(細胞培養装置の人工重力実験エリア、微小重力実験エリアにあったスライドレール)も含まれているとか!

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展示から取り外している様子

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スライドレール

ISSの日本実験棟「きぼう」には、今までマウスを飼育する装置を持っていませんでした。このスライドレールを細胞培養装置に追加することでマウスを飼う装置が完成するのです。今後、マウス12匹をISSで1ヶ月飼い、筋肉や骨が宇宙でどう影響を受けるかを調べる予定です。

未来館に展示されていたレールが宇宙に行く理由は、「きぼう」にある装置の規格に合うからだとか。実験装置は新品が良い!というわけでもないのですね。

そのほか、ロシアと米国の補給機の打ち上げ失敗の影響で、急遽、、水再生システム用ポンプとフィルタも荷物に加わりました。ISSで過ごす宇宙飛行士たちにとってとても大事なものをたくさん運びます。

★こうのとり5号機が向かう先にいる人とそのミッション

その「こうのとり5号機」が向かうISSで待ち構えるのは宇宙飛行士の油井亀美也さんです。

先月7月23日、油井宇宙飛行士がISSに到着したことはみなさんの記憶に新しいかと思います。ここ未来館でも、科学コミュニケーター樋江井と谷が来館された方たちと一緒に、油井宇宙飛行士がISSに乗り込む様子を見守りました。

20150818_kounotori_05.jpg到着-。

油井宇宙飛行士は、様々なミッションに取り組んでいます。そのミッションの1つに、「こうのとりの把持」があります。

★把持って?

こうのとりは、まず、種子島宇宙センターからH-ⅡBロケットで高度200km/300kmの楕円軌道に打ち上げられます。ロケットから分離した後、NASAのデータ中継衛星と通信しながら、じわじわとISSに近づきます。ISSと直接通信することができる距離に近づいたら、ISSと通信を始め、ISSの下方(地球側)から接近していきます。最終的に、ISSの下方10m付近までたどり着いたら、停止します。この停止したこうのとりを、ロボットアームでがしっとつかみ、ISSに結合させると、ようやく物資を補給することができます。

この「がしっとつかむ」ことを「把持」と呼んでいます。

この「こうのとりの把持」を油井宇宙飛行士が担当する、ということなのです。実は、日本人宇宙飛行士がISSのロボットアームを操作して把持を行うのは初めて。さらに、ロボットアームの操作は、地上からJAXA(宇宙航空研究開発機構)とNASAが協力・連携して行われますが、NASA側ではなんと若田宇宙飛行士がISSとの通信担当のリーダーを務めることに。宇宙と地上で二人の日本人宇宙飛行士が、とても大事なミッションに取り組むなんて、ワクワクします。

★こうのとりが宇宙に行く瞬間を見届けよう

さて、ではいつ「こうのとり5号機」は打ち上げられるのか、というと。

はじめは、8月16日の予定でした。しかし、お天気の関係で17日に延期。でも、またお天気の関係で19日に延期。ISSの軌道が種子島宇宙センター上空にあるときに発射する必要があるので、タイミングはとっても大事。(参考:こうのとり5号機ミッションプレスキット

そろそろ次の台風も日本に近づきそうですし、19日こそ無事打ちあがってほしい。そしてその勇姿をぜひみなさんにも見ていただきたい!夜間の打ち上げのため、未来館ではパブリックビューイングは行いませんが、ぜひJAXAのHPをチェックして、ライブ中継をご覧ください。

参考リンク:宇宙の定期便「こうのとり」5号機/H-IIBロケット5号機 ライブ中継

★こうのとりに詰まった技術と心意気

私は実はあまり宇宙に関することに興味がありませんでした。未来館で働くようになってから、館内で行われるパブリックビューイングイベントを知っても「へー。」というレベル。しかし、未来館でこの「こうのとり」に関する展示をじっくり見ていたとき、日本の優れた技術に心を惹かれ、「こうのとり」が旅立っていく宇宙に少しずつ興味を持つようになりました。

人類にとって国境のない場所のひとつ、国際宇宙ステーションで働く宇宙飛行士たちに、必要な大切な物資を届け、任務を終えたら大気圏で燃え尽きてしまう。

まさに縁の下の力持ちのかっこよさ。そして燃え尽きてしまうところに潔さを感じたからかもしれません。

みなさんもぜひ、これを機会にこうのとりにも注目してみてください。

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