2015年ノーベル賞を予想する 皆さまの予想・生理学医学賞

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未来館の科学コミュニケーターが予想するだけでなく、皆さまにも参加していいただこうという趣向は、一昨年から始めております。展示パネルもありますが、ネットで気軽ににご参加いただける特設サイトも好評です。

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一昨年の2013年は、私たちはノーマークだったJames E. Rothman博士とRandy W. Schekman博士の名前を挙げた方がいました。この年のノーベル生理学医学賞が、このお二人に Thomas C. Südhof博士を加えたお三方が、「細胞内の物質輸送」の研究で受賞したのは、記憶に新しいところ。

さて、今年も皆さまの予想から、実際に受賞する方が現れるでしょうか?どんなお名前があがっているのかをご紹介します。

石坂公成博士:先週、公開した記事でもご紹介しましたが、石坂先生はアレルギーにかかわる免疫グロブリンEを発見した方です。1960年代のお仕事です。奥様の照子先生と一緒に研究なさっていたのも有名なエピソード。大正14年のお生まれなので、早く受賞していただきたいところ。

David Julius博士:痛覚の受容体を発見なさった方です。恩師に、上でも触れたランディ・シェックマン博士、嗅覚受容体の研究でノーベル賞を受賞したリチャード・アクセル博士がいらっしゃいます。ノーベル賞受賞者は、候補者を推薦することができるので......有利かもしれないですね。(書き込みをしてくださった方はマイクロRNAの研究と書いていたのですが、痛覚受容体の方で取り上げました)

坂口志文博士:制御性T細胞の発見で知られる先生です。免疫系は暴走すると自己免疫疾患やアレルギーにつながってしまいます。制御性T細胞は、とくに食物アレルギーの関係で近年、大いに注目されています。

満屋裕明博士:エイズの世界初の治療薬となるAZTの開発で知られる方です。HIV(エイズウイルス)はRNAからDNAをつくる「逆転写酵素」というのを使って増えますが、私たちヒトは、この逆転写酵素をつかいません。AZTは逆転写酵素の阻害剤として働きます。

石野良純博士:科学コミュニケーターの鈴木啓子が今年の受賞者として予想したゲノム編集ツールCRPISPR/Cas9は、バクテリアがもつ特徴的な配列と酵素をうまく利用したツールです。石野先生は最初にその配列を発見して報告した方です。詳しくは鈴木のブログ記事をご覧ください。

森和俊博士Peter Walter博士:私たちの体を構成する細胞の中では、日々、タンパク質が作られています。ところが、じつは不良品もけっこうできてきます。しかも、たとえばお酒を飲み過ぎたとか、熱を出したというときは、いつにも増して不良品タンパク質が増えてしまいます。こうしたとき、再生ラインを止めたり、不良品を修理する修理屋タンパク質を増やしたり、さらには、不良品を壊すことで対応します。こうしたことをしているのが、小胞体のタンパク質たち。「小胞体ストレス応答」と呼ばれるこの反応の解明は、森先生とワルター先生が牽引してきました。お二人は共同研究者ではなく、ライバル。お名前を挙げた方も、お一人ずつ別々に挙げていらっしゃいました。

Georg Nagel博士Karl Deisseroth博士:脳の研究に使われるオプトジェネティクス(光遺伝学)という手法を開発した方々です。マウスなどに遺伝子操作をすることで、脳の神経細胞の特定の1個だけをonやoffにすることができるようになりました。鈴木啓子の2012年のブログ記事で紹介していますので、そちらをどうぞ(記事の後半になります)。

櫻井 武博士柳沢正史博士:睡眠に環研する物質オレキシンを一緒に発見しました。オレキシンのすごさについては、2013年の濱五十鈴のブログ記事をご覧ください。最近では、食欲や肥満との関連も注目されています。

黒岩常祥博士:植物の細胞のなかにある葉緑体。もともとは光合成をするバクテリアが細胞内に共生したものと考えられています。黒岩先生は、遺伝子レベルでこの共生に至る道筋を解明しました。

Daniel J. Klionsky博士:大隅良典先生と同じく、細胞内の掃除の仕組み、オートファジーの研究をしている方です。書き込みをしてくださった方は、大隅先生との「共同受賞になると思います」とコメントしてくださいました。

大村智博士この投票サイトでは去年も化学賞でお名前があがりました。ブログやミニトークとして公開したことはないのですが、ノーベル賞チームの古株メンバーである科学コミュニケーター田村真理子も毎年のように大村先生を挙げています。熱帯地方の風土病である河川盲目症やフィラリアの治療薬を開発したことで知られます。

詫摩が挙げていた有力候補者は坂口志文先生と森和俊先生でした。チーム内競争で敗れてしまいましたが、同じ意見を持つ方がいて、嬉しい。ノーベル生理学・医学賞の発表は今日10月5日の日本時間18時30分から。もうまもなくです。わくわくしますね!

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