2015年ノーベル賞を予想する 皆さまの予想・化学賞

このエントリーをはてなブックマークに追加

生理学・医学賞に続き、物理学賞でも日本人の受賞があって、わいております。今日はノーベル賞の自然科学3賞のトリを飾る化学賞。これは、予想が難しいのです。生理学・医学賞や物理学賞で名前の挙がった研究者が化学賞で受賞することもしばしば。

毎年のことなのですが投票サイトの化学賞への書き込みは、生理学・医学賞や物理学賞が始まってから急に増えるのです。

皆さまはどういう予想をしているのでしょうか?

20151007takuma.png

Pierre Chambon博士:細胞の核の中にある「核内受容体」を発見した方。2012年に科学コミュニケーター西原潔が生理学・医学賞の候補として予想しました。詳しくは西原のブログ記事をご覧ください。

Krzysztof Matyjaszewski博士:読み方からして難しそうですね。ポーランドのご出身で、アメリカのカーネギーメロン大学にご所属です。「原子移動ラジカル重合法」という、ポリマーを作るときに便利な合成法を開発した方です。

澤本光男博士:高分子の合成をしたときに、副産物のない「精密制御合成」を可能にした方です。去年も投票サイトにお名前があがっていました。

春田正毅博士:金のナノレベルサイズ(1ナノメートルは100万分の1ミリ)の粒子が触媒として働くことを発見しました。お寄せいただいたコメントをそのまま引用します。「長きに亘って化学反応には全く作用しないと考えられてきた金が、ナノ粒子化することで劇的な作用を及ぼすことを見出したことは大きな発見と言える」。2013年に科学コミュニケーター高橋麻美が予想しています。詳しくは高橋のブログ記事をどうぞ。

遠藤章博士:毎年のようにお名前のあがる先生です。高脂血症の治療薬スタチンを開発したことで知られます。化学賞ではなく、生理学・医学賞でお名前のあがることもしばしば。

中西香爾博士:天然物の化学合成で数多くの業績があります。多すぎて、どれと絞るのは難しいのですが、近年、とくに欧米で注目を集めている「イチョウ葉エキス」の成分ギンコライドが有名でしょうか。2013年に大渕希郷が候補者として名前を挙げました。このサイトでも複数の方が挙げています。詳しくは大渕のブログ記事をご覧ください。

大村智博士:毎年のようにこの化学賞でお名前が挙がります。でも、今年の生理学・医学賞で受賞したことは皆さま、ご存じの通り!その業績に関しては、鈴木啓子のブログ記事をご覧ください。

藤嶋昭博士:今回「その他」で一番、票が多かったのが藤嶋先生です。酸化チタンの光触媒の開発で知られます。ビルの外壁のタイルなどにすでに使われています。太陽などの光を浴びるだけ、汚れが分解されて、清掃の回数がぐっと減ったとか。2012年に田村真理子が予想していました。詳しくは田村のブログ記事をご参照ください。

向山光昭博士:化学の教科書にもよく載っている向山アルドール反応の開発者です。イチイの木から得られる抗がん剤の成分を化学合成したことでも知られます。

國武豊喜博士:細胞の膜の基本ユニットとなる二分子膜が自然にできあがることを人工分子を使って示した研究で知られます。今年の京都賞を受賞なさっています。

伊藤高明博士奥野武博士:世界で今も多くの方の命を奪っているマラリアをはじめ、去年日本でも話題になったデング熱など、蚊が媒介する感染症には深刻なものがすくなくありません。治療薬の開発研究も盛んですが、このお二人は意表をついたアプローチをしました。防虫剤をしみこませた蚊帳を開発し、実用化させたのです!

飯島澄男博士:物理学賞の方でもお名前があがっていましたね。カーボンナノチューブの発見で知られています。

Emmanuelle Charpentier博士:今をときめくゲノム編集ツールCRISPR/Cas9の開発者のお一人です。今年の生理学・医学賞の受賞者として、鈴木啓子が挙げていました。でも、たしかに化学賞での受賞もありえそう。研究の内容など詳しいことは鈴木のブログ記事をご参照ください。

佐川眞人博士:超強力な永久磁石ネオジム磁石を開発した方です。このお名前を見た物理学チームのリーダー谷は、「あっ」と言っておりました。物理学賞では受賞分野の周期があって、今年は物性ではなく宇宙の年とされているのですが、 物性の年であれば、物理学チームは当然マークすべき方ですね。

Sjors Scheres博士:クライオ電子顕微鏡法。コメントをくださった方は、ほかの方との共同受賞を考えていらしたよう。「たぶん今年ではないだろうけれど」とも。

北川進博士:これは、いただいたコメントをそのまま使わせていただきます。「多孔性金属錯体の合成と機能発現の研究。フラニゲンの研究も重要だけど結局は石油化学限定の研究です。北川先生の研究はその影響範囲が広大かつ甚大で人類の幸福に寄与すること極めて大です」

新海征治博士1つ1つの分子が情報の入力・出力を担うパーツと考え、それらを組み合わせることで、新しい機能を持つ分子を作る研究を手がけています。論文の引用件数の多さで、トムソン・ロイター社が選ぶ候補者になったこともあります。

堂免一成博士:太陽の光を使って効率よく水を分解する反応に必要な光触媒の研究で知られています。水から、水素と酸素を得るわけです。

岸義人博士:毎年のように名前の挙がる先生です。天然有機化合物がご専門。一昨年の拙文からコピペします。「さまざまな天然有機物の合成に成功した方です。岸先生が手がけた天然有機物は本当にたくさんあるのですが、一番有名なのはテトロドトキシンでしょう。日本人には「フグ毒」としておなじみです。テトロドトキシンの構造自体は100年ほど前にわかっていたのですが、合成するのは難しく、それに成功したのが岸先生で、1970年代のことでした」。

上村大輔博士たち(平田義正門下):有機合成の先生です。上村先生のお名前を挙げてくださった方は、すぐ上の岸義人先生、中西香爾先生のお名前も挙げていましたが、お三方とも、平田義正先生(1915年~2000年)の教えを受けた方々です。今年のノーベル物理学賞の梶田隆章先生は2002年に受賞した小柴先生とは師弟関係にありました。研究の大きな発展には、その前にリレーのように脈々と続いてきた流れがあったりするのです。

※コメントをする際は「ブログへのコメント投稿について」をご覧ください

※「名前」は、ハンドルネームでも構いません

コメントを残す