宇宙の大切なものはX線でないと見えない!? ~例えば、ブラックホールのまわりとか~

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 X線と言われたら何を想像しますか?やはり、レントゲン写真でしょうか。健康診断や、スポーツで怪我をしてしまった時にレントゲン写真をとったことのある方は少なくないと思います。

でも今日からは、X線と聞いたら

ASTRO-H

と答えて頂きたい!

 と、いうのも日本の新しいX線天文衛星である「ASTRO-H」が2016年2月12日17時45分に、種子島宇宙センターからいよいよ打ち上がるからです。これまで、日本は「はくちょう」「てんま」「ぎんが」「あすか」「すざく」と、5台のX線天文衛星を打ち上げてきました。ASTRO-H はこれらに続く6台目の新しいX線天文衛星で、打ち上げ後には他の衛星と同じようにもっと親しみやすい名前が付けられる予定です。
(2月12日追記:悪天候のため、12日の打ち上げは延期になりました
(2月15日追記:新しい打ち上げ日時は2月17日(水)17時45分となりました)

 X線天文衛星なんて、初めて聞いた人が多いかもしれません。やはり、私たちに一番身近なX線の利用例といえば、レントゲン写真でしょうか。レントゲン写真では装置でX線を発生させ、これを用いて写真をとります。

一方、ASTRO-Hは...

宇宙の天体が出すX線を観測します。

 天体はその温度によってさまざまな光を出しています。私たちが目でみえる光を出す天体は、数千度~数万度です。一方、X線を出す天体は数万度や数億度という非常に高温の状態です。X線をとらえることで、このような高温の天体やその現象、例えば星がその一生を終えるときに起こす大爆発の様子を調べることができます。

高温の天体やその現象を調べる、と言われてもあんまりピンと来ないかもしれません。

でも、ブラックホールを調べることができる、といわれたらちょっと面白そうだと思いませんか?

 ブラックホールを調べる、といってもブラックホールが非常に高温ということではありません。ブラックホールにガスが吸い込まれるときに、ブラックホールの周りを高速で回りながら吸い込まれていくために、ガスが高温になりX線を出すのです。

 また、ブラックホールは吸い込むだけではなく、吸い込みきれなかったガスやエネルギーを外に向かって放出しているとも言われています。ブラックホールから放出されたものの観測は、これまでのX線観測衛星では困難でしたが、ASTRO-Hならば桁違いの性能を持つ観測装置を積んでいるため実現できると期待されています。

 銀河の真ん中には大きなブラックホールがあり、そのブラックホールが銀河の形成に影響していると考えられています。銀河とブラックホールは一緒に成長しており、その詳細を明らかにするためには、ブラックホールが外に向かって放出しているものを観測する必要がありました。ASTRO-Hによって、これを観測することができる時代が今まさに訪れようとしています。

 宇宙の90パーセントはX線でないと見えないと言われています。しかし、これまでお話ししたとおりX線天文衛星ASTRO-Hによって、今まで見えなかった宇宙のダイナミックな動きが明らかにされることが期待されています。今回はブラックホールの話を中心にしましたが、星が爆発した後はどうなっているか、銀河同士の衝突や合体でどのようなことが起きているかも観測する予定です。

 いよいよ打ち上げられるASTRO-H。打ち上げ後に明らかにされる宇宙の姿が楽しみですね!打ち上げは、2016年2月12日17時45分に、種子島宇宙センターです。皆さん是非、ご注目下さい!!
(2月12日追記:悪天候のため、12日の打ち上げは延期になりました)
(2月15日追記:新しい打ち上げ日時は2月17日(水)17時45分となりました)


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この記事への1件のフィードバック

天候のため、打ち上げが延期されることが決まりました。
気長に打ち上げを待ちましょう!

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