熊本地震の余震、回数が減っても安全に気をつけて

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編集管理人による注:この記事の公開後、4月16日午前1時25分にそれまでの地震を上回る揺れが起き、これが「本震」、記事でふれている14日21時26分の揺れは「前震」となりました。予断を許さない状況が続いております。皆さま、今のうちにできる安全対策をなさって下さい。どうぞご無事で。(4月16日12時52分)

4月14日21時26分ごろ熊本県で非常に強い地震が発生しました。今後の余震の規模や発生の可能性について、どのように考えればよいのでしょうか?気象庁の発表に基づき、整理していきます。

大きな災害が起きたときには、情報が錯綜することがあります。
必ず、気象庁や各自治体が発する一次情報、ないしNHKなどの主要報道機関の情報を確認してください。

私たち日本科学未来館は、東京にある科学館です。混乱の元となる情報発信は控えます。

さて、発生翌日の15日15時ごろ、熊本市に住む両親に連絡をとったところ「余震も昨晩ほどではなくなり、落ち着いてきている」との答えでした。発生直後である14日深夜に比べて、15日の昼は余震の回数と規模が小さくなってきていますが、まだ警戒は必要です。

2004年に発生した新潟県中越地震では、震度7の地震が発生した4日後に震度6弱の余震が発生しています。

気を張り続けることは大変なことかと思いますが、「倒れた家屋にむやみに近づかない」、「倒れやすい壁や家具から離れる」といった基本的な心がけは継続した方が良さそうです。

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余震回数の比較(4月15日14時現在、気象庁作成)

画像クリックで拡大します。

気象庁がその時点での余震の見通しを発表したのは、15日15時半のこと。資料(※1)によると、「ところによって震度6弱以上の揺れとなる余震が発生する可能性は、4月15日16時から3日間で20%、震度5強以上となる可能性は40%」と計算されています。

(※1:気象庁報道発表資料「平成28年(2016年)熊本地震」について(第6報)

確率で示されると「余震は起きるの?起きないの?」と不安になってしまう方もいらっしゃるかと思います。基本的には「起きる前提で備えておく」と考えるべきでしょう。

その上で、この余震確率がどのようなものなのか、気象庁のHP(※2)に掲載されている情報などを元にまとめました。各社報道をご覧になる際に参考になさってください。
直接、気象庁のHPをご覧になりたい方はこちら↓
(※2:気象庁「余震について」)

①「震度6弱以上の余震発生確率が20%」の意味とは?
ご存じのように、震度は場所によって変わります。そのため、「ところによっては震度6弱程度になる可能性がある」地震の大きさ=マグニチュード6.0以上の地震が起こる確率を算出しています。この確率は、「同じような発生確率の発表が10回あったときに2回については震度6弱以上の余震が発生する」ということを意味しています。

②天気予報で「降水確率20%」というと雨が降らないように感じるが、「余震発生確率20%」はどのくらいの確率なのか?
気象庁のHP(※2)「余震の発生確率が10%や20%ならば安心と言えますか?」よりそのまま引用します。
「日本の都道府県庁所在地のいずれにおいても、平常時、3日以内に震度5弱以上の揺れを観測する確率は0.1%未満です。 ですから、たとえ10%であっても、平常時と比べると、地震による強い揺れが生じる確率は格段に高い状態ですので、十分な注意が必要です。」

余震発生確率が降水確率と違うのは、「余震発生確率20%」が平常時に比べて極めて高いということです。降水確率20%はよく見る数字ですが、余震の発生確率の高さは、それだけ警戒すべきことを示しています。

③「地震は予知できない」と聞いたけど、なぜ余震の確率を計算できるの?
14日の地震発生後に開かれた気象庁の会見で、「一般的に、大きくて陸域の浅い地震では余震が多い、という特徴がある」と地震津波監視課の青山元課長は述べています。その上で、余震の一般的な二つの特徴を組み合わせて、発生確率を統計的に予測します。

1. 「余震の数は本震直後に多く、時間とともに少なくなっていく」
2. 「規模が大きい地震の数は少なく、規模が小さい地震の数は多い」

④余震が起こる場所は分からないのか?
気象庁のHP(※2)「余震域から離れた場所でも大きな地震が発生することがありますか?」によると、「大局的な流れから少しはずれたこと(大きい余震や余震域から離れたところで起こる地震)が、いつ起きるのか、どこで起こるのかについては、現在の科学技術のレベルでは予測できません。」となっています。例えば新潟県中越地震では、初めの大きな地震が起こった場所とは10km以上離れた場所を震源とした余震が発生しました。

余震が少なくなったとはいえ、大変な思いをなさっている方も多いことでしょう。眠れなかったり、お子さんが不安な様子で過ごしたり...。繰り返しになりますが、気を張り続けることは大変なことです。軽く見るのはあまり良くないですが、身の安全を守る基本的な事柄を継続して実行することが最善の策のように思えます。

最後になりますが、ご不幸に遭われた方にお悔やみ申し上げる とともに、余震がつづく地域にお住まいのみなさまの安全を願ってやみません。

編集管理人による注:気象庁は大きな地震のあとに「余震の発生確率」を発表しており、今回の熊本地震でも当初は発表しておりました。しかし、4月20日の報道によれば、今回の地震は過去の経験則が当てはめられないことから、「余震の発生確率」は出さない方針にしたそうです。

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