この瞬間は忘れられない!ドキドキの大西宇宙飛行士の帰還!

こんにちは、科学コミュニケーターの田代です!

10月30日(日)、この日はISS(国際宇宙ステーション)で活躍していた大西宇宙飛行士含む3名のISSクルーが地球へ帰還する日でした!
日本科学未来館では、彼らの帰還を見守るパブリックビューイングというイベントを行っていました。
私はこのイベントの進行を、同僚の片平と一緒にしていました。

場所は常設展示フロア5階のコ・スタジオ。いつもは椅子がありますが、このときはカーペットを敷いてこんな様子で見守っていました。

この日、たくさんの感動があり、私にとって忘れられない日になりました。
このイベントを狙って来た方、たまたま来たらラッキーだった方、様々な方がいましたが、ものすごく貴重な瞬間に立ち会えたと思いませんでしたか?
私は心からそう思っています。
特に、大気圏突入を終えてからの映像はドキドキで忘れられませんね!

はじめのころはパラシュートしか見えなかったのに、徐々に近づいてくると帰還船が見えるようになってきました。

そして画面にヘリコプターの姿が!

宇宙飛行士たちを乗せた帰還船が、ヘリコプターの高度まで降下してきたということ。
そして映像はいよいよ、着陸の瞬間へ。
映像の後方にはっきりと草原が映し出され、そのあと帰還船が草原の中へ降下!

後からパラシュートがふわあっと降ってきました。
その瞬間を見ていた誰もが、

「今、着陸したよね?ね!?」

と思うくらいはっきりとした映像でした。
私は思わずゾクゾクっとしてしまいました。

程なくして、ロスコスモス(ロシアの宇宙センター)の中継映像に、着陸の確認を知らせる文字。

(パチパチパチ!!!!)

誰が音頭をとったわけでもなく、自然に発生した歓声と拍手。
最高の瞬間を、来館者の皆さんとともに立ち会えたことがとっても幸せでジーンときました。

我にかえると、心臓がドキドキなっている自分に気づきました。
実はひざもガクガク...

そりゃあそうです。
だって、見ていた方はお分かりと思いますが、帰還船は結構な速さで降下してくるのです。
パラシュート開いた頃は秒速80m(N700系新幹線が本気を出した時の速度)、着陸が近づくころには速度が緩まりますが、それでも秒速8m(ボクサーのパンチがこれより少し速いくらい)はあったと思います。
着陸の瞬間は逆噴射をして、衝撃を押さえ込み、なんとか秒速80cm(一般的なヒトの歩行速度)までに速度を落としていました。

しかしこの減速の度に、無重力に慣れきった宇宙飛行士たちの身体に急激な重力がかかるのですから、相当な負荷だったに違いありません。
そんなことを考えていたら、ドキドキしますよね!
いやー本当に、無事に帰還できて何より。
ホッと安心しました。

着陸したあと、2番目に帰還船から搬出された大西宇宙飛行士。
地上にいた体格のいいスタッフ達に担がれて専用のイスに座りました。
この時、大西さんのそばにいたJAXA(宇宙航空研究開発機構)の職員さんが印象的でしたね。
そわそわしながら大西さんを心配そうに見守っていました。すぐにでも声をかえたそうな感じで。

そして3名がそろったところで簡易の健康状態チェックを受けて、カザフスタン共和国のカルガンダ空港で歓迎セレモニーに向かいました。
セレモニーのあとは、ロシアのアナトーリ宇宙飛行士はモスクワへ、大西宇宙飛行士とアメリカのケイト宇宙飛行士はヒューストンへと向かいました。約1ヶ月をかけてリハビリを行います。
元気な姿で日本へ帰ってくる日が楽しみです!

大西宇宙飛行士、リハビリがんばってくださいね!

こんな素敵なイベントを終えての帰り中、今日の帰還を動画でもう一度振り返っていました。
宇宙飛行士の皆さんが健気に手を振ったり、笑顔を見せたりしてたなあ。
お水を飲んだ時のいい顔は忘れられないなあ。

ん?あれ・・・?
大西さんのとなりにいるJAXAの職員さん、誰かに似てる気が。

・・・これって油井さんじゃないかー!

私がパブリックビューイングの時に印象的だと感じていたJAXAの職員さんの正体は、油井宇宙飛行士だったのです!
なんということだ・・・!

私は一代前の宇宙飛行士が大西さんの帰還に駆けつけていたことに感激と驚きを感じました。
この時の大西さんはきっと心強く思ったことでしょう。
油井さんは、きっと自分の姿と重ね合わせたことでしょう。

同じ思いと同じ経験を持つ者同士が、同じ場面にいる。
2人にしか分かち合えないモノがあったはず。

そんなことを思ったら、この写真が泣けました。
今日、一番グッときたのはココでした。

と、イベントのことを思い出しながら感動に浸っていたら、私は最寄駅を降りそびれ、いつの間にか見慣れない駅に。
しかも運悪く急行電車に乗っていたため、若干遠回りする事態に見舞われました。
宇宙飛行士たちにやられっぱなしの1日でした。

こんな日のことを忘れられるはずがありません!

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