もうすぐ皆既日食 in USA!

このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、小熊です。
来たる8月21日昼(日本時間8月22日午前3時頃)、アメリカで皆既日食が見られます。アメリカの西海岸から東海岸までの広い範囲で見られるとあって、とても盛り上がっています!


170814_oguma_01.jpgImage Credit:NASA's Scientific Visualization Studio


*日食とは?日食はなぜ起こる?

日食とは、昼間に太陽と地球の間を月が横切って、太陽が一時的に隠れる現象です。太陽は月の約400倍も大きいのですが、太陽は月よりも約400倍遠くにあるので、地球から見ると月と太陽は同じくらいの大きさに見えます。

170814_oguma_02.jpg

太陽の隠れ方によって、皆既日食、金環日食、部分日食に区別されます。

170814_oguma_03.jpg

2012年5月に日本で起きた金環日食をご覧になった方も多いのではないでしょうか。

170814_oguma_04.png(著者夫が千葉県にて撮影した金環日食。)


さて、ここで視点を変えて、日食が起こっているときに宇宙から地球を見てみましょう。ちょっとおもしろい状態になっています。

170814_oguma_05.jpgImage Credit: Centre National d'Etudes Spatiales (CNES)


昼なのに一部だけ影になっているところがありますね(写真中央部)。これが月の影で、幸運にもこの影の中にいる人は、日食を見ることができます。日本でも2035年9月2日に皆既日食が見られます。だいぶ先ですね。なぜこんなに先になってしまうのでしょうか?


*皆既日食はなぜ新月のたびに起こらない?

日食は月が太陽と同じ方向にあるとき、つまり新月の日に起こります。
でも、日食って珍しいですよね?なぜ新月のたびに日食が起こらないのでしょうか?私はこれがいつも不思議でした。ちょっと複雑ですが、一緒に考えてみましょう。

まず、太陽・地球・月の公転の様子を図にするとこうなります。ここで、月はいつも地球が太陽を回る平面(公転面)上にあるわけではない(月の公転軌道は地球の公転面から約5度傾いている)というのが最大のポイントです。
図を使って考えてみましょう。

170814_oguma_06.jpg

図で示したのは、どれも新月(地球から見て月が太陽の方向にあるとき)の状態ですが、①〜④の違いはなんでしょうか?ここで、月の影に注目してみましょう。

170814_oguma_07.jpg


もし、月の公転軌道が傾いていなければ、新月のたびに月の影が地球にかかって日食が起こります。でも、実際には横から見るとこのようになっていて、②や④の場合には、月の影は地球の上または下をすり抜けてしまって、地球上からは日食が観測できません。

170814_oguma_08.jpg

日食が起こるのは①と③の場合だけです。月は約28日の周期で地球の周りを公転しているので、だいたい14日に一度、地球の公転面を月が通過することになります。その瞬間に、たまたま太陽が月の真裏にあれば日食が起こるわけですが、このような特別なときは年に2回しかないことが分かります。

実際、部分日食を含めた日食は、およそ半年に一回ずつ世界のどこかで起こっています(もっと多く見られる年もあります)。中でも月と太陽がぴったり重なる皆既日食はその3割ほどだそうです。私は、日本で見られないだけで意外と頻繁に起こっているんだな、と感じました。

それでは、皆既日食になるか金環日食になるかは、何で決まるのでしょうか?
地球と月との距離はいつも同じではない(月が地球を周る公転軌道は楕円)というのが次のポイントです。月が地球から遠いときには、太陽を完全に覆いきれずに金環日食になります。
「月が近いときと遠いときがある」というのはスーパームーンのときにも話題になりましたね。具体的には、地球と月の距離は約35.6〜40.7万kmの間で変化します。約5万kmの差というと、月と地球との距離が地球の直径4個分も変わるということになります。「地球と月の距離は38万km」と覚えている方もいると思いますが、これは平均の距離なのですね。

つまり、(1)月が地球の公転面を通過し、(2)新月で、さらに(3)月が地球に近いときでないと皆既日食は起こらない!ということになります。

説明が長くなりましたが、地球から見て太陽と月がぴったり重なる皆既日食はとても限られた場合だけ!アメリカで見られる皆既日食は38年ぶりで、太平洋側から大西洋側までアメリカを横切るのはなんと99年ぶりだそうです。しかも今回は皆既になるのが最長で2分40秒間と比較的長め!これは見逃すわけにはいきません!!

日食を日本から見に行かれる方もいらっしゃると思いますが、必ず太陽観測グラスをお持ちください!NASAからも「安全に観察してください!絶対に太陽を直接見ないこと!」という指導がされています。

170814_oguma_09.jpg

日本時間では深夜になってしまいますが、NASA TVでも生中継するようです。
https://www.nasa.gov/multimedia/nasatv/#public

私も見に行く予定です。皆既日食は見たことがないので、とても楽しみです。皆既日食が起こっているときには一時的に夜のように暗くなるので、気温が下がる、星が見える、動物が騒ぎ出す、などの現象が起こるという人もいます。本当にそんなことが起こるのか、確かめてきたいと思います。

ただし問題は、太陽が出ていないと日食も見えないということ。私がいるアメリカ南部では夏は雷雨も多く、当日のお天気次第ではありますが・・・。無事に見られたらまた報告しますね!

参考 

国立天文台 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2017/08-topics04.html
NASA Eclipse2017 https://eclipse2017.nasa.gov
図は最新天文百科(丸善出版)P.44をもとに作成。

※コメントをする際は「ブログへのコメント投稿について」をご覧ください

※「名前」は、ハンドルネームでも構いません

コメントを残す