カラーリングを「華学」する!

はじめまして、こんにちは!
10月に未来館勤務となった科学コミュニケーターの藤井です。
皆様、どうぞよろしくお願い致します。
私事ではありますが、入社前、第一印象は大事だ!とばかりに、美容院で髪のカットとカラーをしてもらいました。
しかし、気がつけばもう新年を迎えてしまいました。
「新しい環境へ慣れる」を言い訳に長らく髪のメンテを放置していました......。
自分の女子力の低さにがくぜんとしつつも、久々に美容院へ。
今回、お願いしたのはカットとカラーです。
ちなみに、今回私がセレクトしたカラーはこの色。
私のように数年来、カラーリングを続けている方は多いと思います。
そんな皆さんを悩ませるのが、「カラーリング後のダメージ」ではないでしょうか。
色は思い通りになったけど、なんだか髪がきしんでいる......。
こんな経験きっと一度はあるはず!
そこで今回はこのダメージヘアの原因を追求するために、
①カラーリングの仕組み
そして次回ブログにて、
② 脱!ダメージヘア
をお届けしていきたいと思います。
ではまず「カラーリングの仕組み」についてです。
カラーリングでは具体的に何をしているのでしょうか。
私たち日本人の髪の色は、黒や黒みがかった茶色をしています。
そのまま他の色を重ねてもうまく発色しません。
そのため、上手にカラーリングするには「脱色と染色」を同時に行う必要があるのです。
もっと具体的に説明すると、脱色とは、髪の色を黒くしているメラニンという色素を分解することです。
一方の染色とは染料色素を髪に定着させることをいいます。
さらに細かく見ていきましょう。
はじめに:「わたしたちの髪の毛」
表面には「キューティクル」という魚のウロコのようなものが並び、髪の内部を守っています。髪の色を決めるメラニン色素は、キューティクルの内側にあります。
Step1:「キューティクルを開く」
脱色剤や染料をそのまま髪に塗っても、キューティクルががっちりと守って、中には入れません。そこで、脱色剤や染料色素が髪の中に入れるよう、まず、アルカリ性の薬剤を使ってキューティクルを開かせます。
Step2:「脱色剤と色素が内部に浸透する」
すると、キューティクルのすき間から、脱色剤の過酸化水素と染色色素が髪の内部に浸透していきます。
Step3:「脱色と染色が同時に起こる」
髪内部に入った脱色剤が、メラニンの分解を行います。
また、この脱色剤がStep1でキューティクルを開くために使った薬剤(アルカリ剤)と反応し、酸素が発生します。
この酸素と、いくつかの染料分子が結合することで、染料の分子が大きくなります。
このため、キューティクルのすき間から毛髪の外へ出にくくなります(髪が染まります)。
こちらは、私が今回カラーリングで使用した薬剤のパッケージです。
なんだかカタカナの名前がたくさん並んでいますが、
この中から反応に大切なものを2つご紹介したいと思います。
アルカリ剤:Step1でキューティクルを開かせる、Step3のメラニン分解反応を促すための薬剤
染料(①、②、③):Step3で染色を行うための薬剤
ここまで読み「脱色剤が入ってないじゃないか!」と思われた方、
とてもするどいご指摘です!!
皆さん、カラーリングでは1剤、2剤の2種類の薬剤を混ぜて使っていることをご存じでしょうか。
実は、先程お見せした写真は1剤のパッケージだったんです。
脱色剤の過酸化水素は2剤に入っています。
2剤の脱色剤は、先ほどのアルカリ剤と反応することでStep3のメラニンの分解を行っています。
長々と書いてしまったのですが、ここまでカラーリングの仕組みについてお話してきました。
皆さんを悩ますカラーリング後のダメージヘアの原因はどこにあるのでしょうか。
Step1でアルカリ剤を使ってキューティクルを開きましたよね?
これにより本来、弱酸性である髪・頭皮がアルカリ性になってしまっています。
次のStep2では染料を髪の内部へ浸透させていきましたよね?
ここでは染料が内部へ浸透するのと引き換えに、内部に閉じ込めておくべき水分やタンパク質が流れ出てしまっていたのです。
「では、どうすればいいの!!??」
そのあたりのお話は次回ブログで書いていきたいと思います!!
これでカラーリング後のダメージが改善されるかもしれません。
どうぞ、お楽しみに!