風疹の予防接種に行ってみました

こんにちは。普段、まわりで風邪が流行っていても「バカは風邪引かないっていうから私は大丈夫だもーん」とうそぶいている長倉です。

しかし!自分はよくても(よくないが)、まわりの人にうつしてしまうなどの迷惑をかけてしまうのが感染症です。

最近流行っている感染症と言えば風疹。

風疹は、大人がかかるとひどくなることもあり、自分が苦しむのももちろんですが、万が一妊婦さんにうつしてしまったら、生まれてくる子どもに難聴や心疾患などが出る先天性風疹症候群(CRS)になる危険性があります。

風疹やCRSについて詳しくは国立感染症研究所のこちらのページを。

まわりの友だちは出産ラッシュ。

リスクは少しでも減らしたいということで、予防接種をしようと近所の診療所へ行ってみました。

*「風疹ってなに?流行ってるの?」という方は、ぜひこちらのマンガをご覧ください。

「もやしもんと感染症屋の風疹が大変暴れている」(リンクは削除されました)
作:石川雅之、監修:岩田健太郎(神戸大学医学部附属病院感染症内科)

近所の診療所に行ってみた

そもそも、過去に予防接種をしたかどうか、風疹にかかったかどうか、全く記憶にありません……。

そこで向かったのは近所の診療所。公休日の平日朝に行って来ました。小さい診療所ながら、待合室はおばちゃんやおじちゃんでごった返しています。

風疹のワクチンは品薄という噂があったので、おそるおそる受付の方に聞いてみます。

長倉:「あの、風疹の予防接種をしていただきたいんですが……」

受付の方:「やっていますよ。予防接種費用は今、自治体から助成が出ますが、まず免疫を持っているかどうか抗体検査を受けてください」

風疹と麻疹(はしか)を防ぐ、MRワクチンという混合ワクチンがありました。

「自治体から助成」とのことですが、今回風疹が流行をしているのをうけて、一部の自治体では、予防接種の費用の一部を助成しています。MRワクチンの接種費用は10000〜12000円ほどかかりますが、助成で半額くらいが出ます。対象は、「妊娠を予定している女性と、妊娠している女性のパートナー」と限定されていることが多いです。私が住んでいる葉山町でも、4月から助成が始まっています。

東京都感染症情報センターが首都圏と近畿圏で助成を実施している自治体をまとめたページはこちら(リンクは削除されました)にありましたよ。

さて、予防接種をする前に、風疹への免疫(抗体)を持っているかどうかを調べる抗体検査をしてもらいます。医療保険はきかず自己負担で、私が行った診療所では1500円でした。

体重と身長、血圧を測ったあとに、採血。

*普通に予防接種に行ったときに、「職場のブログに書いてもいいですか?」と看護師長さんに伺ったら長倉のiPhoneで快く写真を撮ってくださいました。お忙しい中ご対応いただいた看護師長さんを始めとする診療所の方々に感謝です。

ちなみに、免疫検査の結果(数日後に出る)、私は十分な抗体があるから予防接種をしなくてもよい、ということになりました。ひとまず安心。

そもそも私ってこれまで予防接種していなかったんだっけ?

採血の前に診察をしてくださった医師と、こんなやりとりがありました。

医師:「過去に風疹にかかったことや、予防接種をしたことはありますか?」

長倉:「それがよくわからないんです……orz」

医師:「あなたのように、過去に予防接種を受けたかどうかわからないという人がほとんどですよ。行政の政策に一貫性がないからこんなことになっている」

え?行政?いったいどういうこと?

感染症を抑えるための法律「予防接種法」で決められた「定期接種」のワクチンは、多くは無料で受けられます。現在の制度では、風疹と麻疹(はしか)の混合ワクチン(MRワクチン)を1歳時と小学校入学前の2回接種しています。ところがこの制度はこれまで何度か変更しています。

風疹は、かつては子どものころに感染することで免疫を獲得していましたが、先天性風疹症候群の予防対策などから1977年から国と自治体の負担で、当初は中学生女子を対象に定期接種が始まりました。その後、制度の変更があり、年代によって予防接種をした人としていない人が混ざっているのが現状です。

年齢別の風疹ワクチンの定期接種の状況
(国立感染症研究所感染症疫学センターの資料をもとに作成、年齢は2013年4月2日現在)
※幼児期にMMR混合ワクチンとして接種している場合あり

今回、風疹の流行の中心となっているのは20歳〜40歳代の男性。このうち30歳代後半〜40歳代の男性は、これまでに風疹ワクチンが定期接種となったことがなく、接種の機会がありませんでした。20歳代後半〜30歳代前半は男女とも、中学生のころに定期接種はあったものの、学校などでの集団接種ではなく、保護者と一緒に医療機関に行って個別に接種する必要があり、接種率が低かったそう(長倉はこの世代)。

このため免疫を持たない人の割合が多く、周囲に風疹の人がいると自分もかかりやすくなり今回の流行の中心となっているというわけです。

取りあえず予防接種に行ってみよう

現在、風疹の患者はうなぎのぼりに増えています。国立感染症研究所の集計(リンクは削除されました)によると、今年に入ってから5月19日までに、昨年の同時期の35倍以上にあたる7540人の患者が報告されていますが、今後まだ増えると見られています。

私のように、自分は予防接種をしたのか、風疹にかかったのか、よくわからない、という方は多いと思います。

医療機関で抗体検査をしてもらえば、自分の抗体の状態(予防接種をする必要があるのかどうか)はすぐわかりますし、もし接種の必要があれば、自治体の助成を活用して接種してもらうこともできます。

平日は忙しい!という方のために、新宿区にある国立国際医療研究センター(リンクは削除されました)では、6月中の日曜日に風疹の予防接種をする取り組み(リンクは削除されました)を緊急にはじめましたよ。

取りあえず、風疹の予防接種に行ってみませんか?

本文中に出てきた参考になるサイト

(リンクはすべて削除されました)

・「もやしもんと感染症屋の風疹が大変暴れている」

作:石川雅之、監修:岩田健太郎(神戸大学医学部附属病院感染症内科)

・風疹(国立感染症研究所)

・自治体別予防接種助成実施状況(東京都感染症情報センター )

・大人が風しん・MRワクチンを接種できる医療機関リスト(NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会)

・風しん累積報告数の推移2009~2013年(国立感染症研究所)

・日曜日に風疹(MR)ワクチン接種を希望される方へ(国立国際医療研究センター)

マイナビニュースさんに以下の記事を書かせていただきました!

風疹大流行 20~40歳代の男性がワクチンを接種すべき理由 (2013年6月6日公開)

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