光る花 ~未来イルミネーション?!~

空気が冷たい季節は街中が様々なイルミネーションで輝き、夜景が一層輝かしくなりますね。近年、青色LEDも開発され色とりどりの強い光でしかも省エネルギーなイルミネーションが今年も至るところをキラキラと輝かせていました。ここお台場も昨年末からビルや木が光に彩られており、帰宅するゆりかもめからは素敵な景色が広がっています。
さてここで質問です!!
現在、街中に彩られたイルミネーション。
将来はどのように進化するとお考えでしょうか?
今回は未来のイルミネーションとしても用いられる可能性のある日本の最新技術をご紹介します!
昨年9月の新聞にこんな記事がでました。
「光る花」
ご覧になったでしょうか?
テレビでも紹介されていたのでご覧になった方もいるかもしれません。
この度いろいろなご縁があり、この光る花を見せて頂くことができました。
『光る花とは??』
『造花を光らせている?』
『生花に蛍光塗料を塗っている??』
などなど考えを巡らせ、つくばにある農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)花き研究所へ!
「光る花」とはトレニアという植物に、富山湾で採取された海洋プランクトンの遺伝子を組み込んで光らせたもの。
通常のトレニアはコチラ↓↓もちろん光りません。
この花の遺伝子を組み換え、花自体に青色LEDライトを当ててオレンジのフィルターを通して観察すると光るのです。
それではフィルターを通して見える花をご覧下さい!
差を示すために「光る花」は左、遺伝子組み換えをしていない(光らない)花を右に置いています。
その名の通り、植物体そのものが光っています!
蛍光塗料を塗って発光させる花は今までもありましたが、花自体がこれほど強く光るのは世界初です。
右側には遺伝子組み換えでないトレニアを置いていますが、全く見えません。その差がはっきりと見て分かりますね!
こ の技術は観賞用としてだけではありません、ノーベル賞を受賞した下村脩先生が研究していたオワンクラゲの光のように、生物の研究用マーカーとしても利用す ることができます。また、今回の遺伝子から作られる光はオワンクラゲの光とは性質が異なり、厚みのない組織でも強い光を観察できるのでさらなる用途が期待 されています。
「光る花」、どんなところで使えると思いますか?
未来の街には電気で輝くイルミネーションだけでなく、植物が光るイルミネーションも登場するようになるかもしれません。街中が「光る花」で彩られた世界を楽しみにしていてください。
この「光る花」の開発には、以下の4団体がかかわっています。
NECソフト株式会社
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
株式会社インプランタイノベーションズ
国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学