声に出して読みたい科学

声に出すのは恥ずかしいなー
そう、お思いのあなた! ちょっと待ってください。この話、聞かぬは一生の恥、ですよ。
だっていま電車の中でこのブログ読んでるし・・・
まぁ、そう言わずに。
大声でなくていいので、騙されたと思って読んでください。声に出してみて初めて気づくことって、結構ありますよ。
それではいってみましょう。
まずは「初級編」です。
日本科学未来館
はい。もう少し大きな声で。
日本科学未来館
どうもありがとうございます。
「ニホン」ではなく「ニッポン」と読むのがポイントですね。
ニホン、チャチャチャ!
では、なんだか壊れたメトロノームみたいで、テンポつかめてない感じです。
やはり、
ニッポン、チャチャチャ!
に限ります。
ニッポン、チャチャチャ!
ニッポン、チャチャチャ!
ニッポン、科学未来館!
いかがでしょう。顎の筋肉はほぐれましたか? これで準備運動はおしまいです。
それでは「中級編」に参りましょう。
ご一緒にお願いします。
せーの
自発的対称性の破れ
やや長いですが、息つぎなしで読んでください。
もう一度いきます。
自発的対称性の破れ
ぜんぜん意味わかんないですね。今は音読することに集中してください。意味は二の次です。ここではイメージだけお伝えしておきます。
なるほど。「対称性」が勝手に(=自発的に)破れている、というわけですね。
なぜだか、どこかで見たことある気になってきました。もう大丈夫。
声に出すときは、自発的ではなくあなたが対称性を破るのがオススメです。
では、「対称性」と書いた紙をビリッとちぎり捨てるイメージで、もう一度声に出してみましょう。
準備はよろしいですか?
息を深く吸って~
自発的対称性の破れっ!
ちょっと力が入ってしまいましたね。
現代物理学によると、自発的対称性の破れは弱い力で起きているとされています。音読では、強い力で破っていただいてOKです。
意味は分からなくとも、スッキリ爽快。テンションも上がってきました。
いよいよ「上級編」です。
ここまで、ちゃんと声に出してお読みいただいたあなただけに贈る、スペシャルコンテンツです。
どうぞご堪能ください。
いとおか市
ん? どこ? 何県にあるの?
些末なことは気にせずに、無心で声に出してください。
いとおか市
枕草子を感じさせる、豊穣な響きが聞こえてきませんか?
上級編では文字をただ読むのではなく、詠んでください。
ここまできてもわからないあなた。ちゃんと、声に出せばわかりますよ!
次が、最後のチャンスです。
「いと」と言ったあと、50ミリ秒ほど間をとってから「おか市」を読むのがコツです。
いとおか市
大声ではなく、はんなりと、読んでくださいね。
声に出して読むとわかる奥ゆかしい世界。伝わりましたでしょうか?
未来館では今年8月21日(日)に新規展示「2050年くらしのかたち」をオープンします(未来館の公式サイトのお知らせページはこちらから)。
展示テーマは「ひとりひとりの願いがつくる未来のくらし」。 2050年の街を散策して持続可能社会をつくるライフスタイルと、それに必要な科学技術をともに考える展示です。嶋田も企画に携わりました。
舞台となるのは2050年の架空の街「いとおか市」。
えっ?
そう、「いとおか市」は展示に出てくる架空の街の名前だったんですね。2050年の未来と平安時代がこんなところで出逢いました。
来たる8月6日・7日に、友の会会員のみなさまを対象に、この展示モニターテストを行います。お披露目前の「いとおか市」に限定30名様ご招待です。
まだ定員に余裕がありますので、ぜひこの機会に未来館の展示づくりに参加してみませんか?
7月22日(金)締切です!
あ、これは声に出さないほうがいいですよ。もし、耳にした人が応募して、定員でも超えようものなら、抽選になってしまいますからね。
申し込みは、友の会ページにある「新展示のモニター募集!『技術革新と未来』」よりお願いします(申し込みには会員番号または仮会員番号が必要となります)。
「自発的対称性の破れ」イメージはばっちりです(笑)
何事も興味をもってもらうためには最初のつかみが大切ですね。
(これで少し論文を読んでみようと思えました)
短い感想、失礼しました。
イメージが伝わったようで、なによりです(笑)
英語ではSymmetry Breakingですので、破るというよりは「壊す!」というニュアンスかも知れませんが。