STAP細胞はあったのか?
キメラマウスになった細胞は、本当にSTAP細胞だったのか?
科学の視点からすると、一番の疑問はこれになるかと思います。「STAP細胞は本当にあったのか」と言い換えてもいいでしょう。
Nature誌2014年1月30日号に掲載されたSTAP細胞の論文をめぐって、さまざまな疑義が生じています。筆頭著者の過去の論文にも疑義が生じており、その多さに、STAP細胞の存在そのものが疑われているような状況になっているのも、残念ながら事実です。
現在、筆頭著者の所属機関である理化学研究所(理研)をはじめ、関係する機関がそれぞれ独立に、疑義に関して調査をしていると表明しています。
私たち未来館の科学コミュニケーターは、指摘されている疑義に関して、それが不正であるかどうかを判断できる立場にはありません。しかし、倫理的な問題の大きさは別として、疑義の中には、STAP細胞の実在を根本から揺るがすものと、それほどでもないものがあります。今回は、それを紹介していきたいと思います。
STAP細胞とは何かについては以下をご覧ください
・理研の最初のリリース(1月29日)
・それを受けた志水のブログ(1月30日)
・志水のブログ続報(2月7日)
理研の調査委員会の中間報告(3月14日)
・それを受けての志水のブログ(3月16日)
まずは、STAP細胞とは何かの要点をしっかりと押さえておきましょう。STAP細胞は日本語では「刺激惹起性多能性獲得細胞」といいます。この「多能性」は、英語では2つの専門用語に対して同じ訳語が使われてしまっています。ややこしいので、理研のプレスリリースでも使われている「万能性」を使うことにします。
STAP細胞とは、
①体細胞が
②刺激(酸に漬けるなど)を受けることで
③万能性を獲得した細胞です。
少ししつこく書くと、
身体にもともと万能細胞があったわけではなく、
「いったん分化し終えた細胞」が
「刺激を受けて」初期化され
「万能細胞になった」、という意味です。
万能細胞としては、ES細胞やiPS細胞が知られていますが、ES細胞は初期胚からとるので、「いったん分化し終えた細胞」由来ではありません。iPS細胞は遺伝子などを加えることでつくるので、「刺激を受けて」の部分がSTAP細胞とは異なります。
「いったん分化を終えた細胞」の部分の根拠
Natureの論文でこの部分の論拠にしているのは、下の写真で、これで T細胞という白血球の一種がOct4陽性細胞に変化していることを示しています(Oct4陽性細胞とは、万能細胞の条件の第1ステップをクリアした細胞程度にお考えください)。T細胞はまさに「いったん分化し終えた細胞」です。
上の写真は理研・調査委員会の中間報告書から。もとの写真はNature誌
なぜ、この写真でT細胞からOct4陽性細胞になったと言えるかというと、真ん中のT細胞(Lymphocytes)と右の2つのOct4陽性細胞のレーンには、ほかの線よりも薄いはしごのような複数の線があるからです。このはしごのような線は、T細胞に特有の特徴で、これが現れるということは、これはT細胞か、T細胞から変化した細胞である、といえるわけです。
このはしごのような線が見えると、「TCR再構成があった」と専門家は表現します。(TCR再構成の意味は、また別の機会に)
この写真は切り貼り加工がされているという指摘が早くから出ていました。3月14日発表の理研の調査委員会の中間報告によると、筆頭著者は切り貼りを認めたそうです。真ん中のT細胞のレーンは切り貼りだったのです。
な~んだ、じゃあ、ダメじゃないの。
と、言われそうですが、そう簡単でもないのです。TCR再構成(はしごのような線)はT細胞に特有だと書きました。そして、写真の2つのOct4陽性細胞にはそれが現れているのです。2つのOct4陽性細胞のレーンに不可解な点があれば、「ああ、結果をごまかしたのね(=本当は、Oct4陽性細胞はT細胞由来ではなかったのね)」とすぐになりそうですが、切り貼りされたのは比較参照のために置かれているT細胞のレーンです。
中間報告では、切り貼りが行われる前の写真も公開されました。![]()
写真は理研の調査委員会の中間報告書から(写真の一部を抜粋)
4のレーンが前の写真の真ん中に相当し、5と6が前の写真の右2つのレーンです。調査委員長の石井俊輔先生は「なぜ、これをそのまま使わなかったのか」と仰っていましたが、私もまったく同感です。T細胞の線が薄いので見えにくいから、もっとはっきりしたものを切り貼りしたというのが理由だったそうです。
釈然としませんが、「TCR再構成」の点はもう一度、後で触れるとして、次に行きましょう。
「万能細胞になった」の部分の根拠
STAP細胞の特徴はなんといっても「万能性」があることです。
細胞が万能性を持つかどうかについては、おもに以下が重要とされています。
前段階: Oct4遺伝子を発現しているか(Oct4陽性細胞になっているか)
①培養皿上でほかの種類の細胞に分化できるか
②マウスに移植するとテラトーマ(奇形腫)がつくれるか
③初期の胚(胚盤胞)に入れるとキメラマウスになるか
前段階のOct4陽性細胞になっているかどうかは、「万能性の証明」ではなく、ふるい分けの条件のようなものです。実験ではOct4を発現すると緑色に光るようになったマウスの細胞が使われていました。光った細胞と同じ操作で得られた細胞だけが、次の①(培養皿上での分化)、②(テラトーマ)や③(キメラマウス)の実験に進むわけです。注1)注2) ①から③に行くほど、万能性のチェックとしては厳しくなると考えていいです。
②のテラトーマは良性腫瘍の一種ですが、その中には、表皮や筋肉、腸など、さまざまな種類の組織になりつつある細胞群が含まれています。万能性とは「身体のあらゆる種類の細胞になれる」ことですから、このような腫瘍が生じてくるわけです。論文にはOct4陽性細胞から作ったテラトーマの写真があります。3枚ひと組で2セット載っています。このうち、下段のセット(下の写真で赤い太線)に関しては、調査委員会は調査中としていますが、まったく違う実験結果の写真と同一と見なしています。テラトーマ形成の証拠と見ることはできないのです。
理研の調査委員会の中間報告書から。元の写真はNature誌に掲載
上段のセットの写真は今回の中間報告では触れられていませんが、「移植後7日目のテラトーマの写真にしては、分化が進みすぎていて、おとなのマウスの組織片の写真ではないか」といった指摘が実名でも匿名でもネット上に出ています。
では、万能性を示す、一番厳しいチェック項目であるキメラマウスはどうでしょう。キメラマウスは、初期胚に注入した細胞が、生まれてきたマウスの身体のどこにはいっているかを調べるテストです。目印として、注入する細胞にはやはり緑に光る細胞を使います。例えば注入した緑の細胞が血液にしかなれない細胞だったとすると、マウスの血液には緑の細胞がまじっていますが、身体のそのほかの部分には緑の細胞はできてきません。論文には、全身が緑に光るキメラマウスの写真が載っていました。注3)
おわかりでしょうか?
テラトーマ形成を示すデータには、「確かだ」といえそうな証拠が示される状態になっていません。ですが、より厳しい万能性チェック項目であるキメラマウスの写真はあるのです。
そっか、やっぱりSTAP細胞はあったんだ~
となりそうですが、これもやはりそうではないのです。
キメラマウスになった細胞は何だったのか?
先ほど、釈然としないまま残しておいた、T細胞について思い出して下さい。ここで、最初に詫摩がどのようにあの論文を読んだのかを振り返ります。
①マウスの脾臓の細胞群(CD45 陽性細胞:T細胞やB細胞など、いくつかの種類の細胞のミックス)を酸に漬ける
②多くの細胞が死に絶えた後、Oct4遺伝子を発現して緑に光る細胞が出現した(Oct4陽性細胞)
③Oct4陽性細胞はT細胞に由来する細胞だった(TCR再構成があった)
④Oct4陽性細胞をマウスに移植したらテラトーマが生じた(ただし、確実と言える証拠なし)
⑤Oct4陽性細胞と同じ条件で処理をしたCD45陽性細胞をマウスの初期胚に入れたらキメラマウスが生まれた
いかがでしょうか?
私と同じ"早とちり"をしてしまった方もいるのではないでしょうか。
②のT細胞に由来するOct4陽性細胞と⑤のキメラマウスになった細胞が同じタイプの細胞だと、私は思い込んでいました。
ですが、酸に漬けたもともとの細胞群(CD45陽性細胞)がいろんな細胞が混ざったミックスですので、キメラマウスになった細胞がT細胞由来であるとは言え切れないのです。
STAP細胞の要件である「いったん分化を終えた細胞」が「刺激を受けて」「万能細胞になった」の最初の部分の証明がされていないのです。
これでは、脾臓にもともとあった別の万能細胞や、何らかの理由で混入したES細胞などである可能性を捨てきれません。
この点は慶應義塾大学の吉村昭彦先生や明石市立市民病院の金川修身先生、広島大学名誉教授の難波紘二先生が比較的早くから指摘していらっしゃいました。匿名での指摘もありました。
証拠が論文に十分に示されていないわけですから、本来は査読の段階で見つけられるべき不備です。ですが、なぜか見つからずに掲載されてしまいました。
はっきりさせる方法はあります。
キメラマウスの細胞を採って、TCR再構成が見られるかどうかを調べればいいのです。TCR再構成があれば、もとの細胞はT細胞由来という証拠、つまりはSTAP細胞という証拠になります。
キメラマウス作成の実験をなさった著者のお一人、山梨大学の若山照彦教授は、STAP細胞からつくったSTAP幹細胞を手元にお持ちだそうです。この細胞もキメラマウスづくりに使われた細胞です。これを第三者機関に渡して解析してもらうと仰っています。注4)
ただし、STAP幹細胞に関しては、著者のうちの3人が3月5日に公表したSTAP細胞づくりの手順書によれば、TCR再構成はなかったと書いてあります。注5)
STAP細胞からつくられたキメラマウスは胎盤も緑に光っていました。これは、万能細胞として知られるES細胞でも、一般的にはない性質です。注5)
キメラマウスづくりに使われた"STAP細胞とされる細胞"がT細胞由来だとされれば、本当にSTAP細胞があったのだ、ということになります。
でも、もうしそうでなかったら......。
「ない」ことを証明することはできません。T細胞由来ではなくても、刺激で万能性を獲得した別な細胞だった可能性は否定できないのです。
結論が出すには、STAP細胞が「ある」ことを誰かがもう一度、示して、検証しなければならないのです。いつまでたっても、それがなかったら、STAP細胞は「なかったようだ」ということで、忘れられていきます。
ですが、正直なところ、調査の途中とはいえ、これだけの傷のある論文となると、第三者が再現をする気になるかどうかさえ疑問です。
調査委員会の会見によると、著者のお一人である理研の丹羽仁史先生は、すべてのプロセスの再現実験をすると仰っているそうです。著者グループが再実験をしても本当の意味での再現にはなりませんが、その成功が、STAP細胞の存在を明らかにする最初の一歩になるはずです。
最後になりますが、データの改ざんや捏造、盗用などを考えたこともなく、日々、真摯に科学と向き合っているすべての研究者に、とくに理研の方々に、私ごときで僭越ですが、心からのエールを送らせていただきます。
注1)STAP細胞の再現に成功したといういくつかの非公式な報告は、いずれも緑に光るところまでだったようです。
注2)緑に光る細胞の写真についても、そのまわりで画像がカクカクしているという不自然さが指摘されていましたが、「問題なし」と判定されました。Nature誌に投稿した写真では不自然さがなかったためです。
注3)キメラマウスに関連した写真も、別々の実験の結果なのに、同じマウスの写真が使われているとの指定がありました。中間報告では、最初は比較のために2つの実験の写真を並べていたが、あとから文章では比較するのをやめたのに、写真は削除し忘れたという説明があり、「不正ではなく、単なるミス」と判断されました。
注4)山梨大学のサイトや一部報道では、若山先生が調査に出すのは「STAP細胞」となっていますが、ご本人にお聞きしたところ、「STAP幹細胞」でした。STAP細胞は、培養状態ではあまり増殖しないのですが、培養条件を変えると盛んに増殖するようになります。これがSTAP幹細胞です。この細胞からも、キメラマウスはつくられています。
注5)上の若山先生のお持ちの細胞に関して、STAP細胞かSTAP幹細胞であるかを詫摩が混乱していたため、この2つの段落は3月17日19時30分頃に加筆しました。
※このほか、中間報告では他の論文からの文章の盗用と思われる箇所についても発表がありました。これに関しては、1つは「盗用ではない」、もう1つは「検討を継続」となりましたが、どちらもSTAP細胞の実在を根幹から揺るがす部分とは言えません。
※中間報告では6つの項目が上がっていますが、これ以外にも調査対象にすべき疑義、対象にすべきかどうかを検討している疑義があるそうです。

1点のみ不同意、というか懸念があります。
もし、STAP細胞の存在が示せなかった場合、おっしゃるとおり、科学の本流では、「なかったようだ」ということで忘れ去られると思います。
問題はそれ以外のところで、「実はあった」「実はウチでだけ再現できた」などと称して、インチキ医療の種としてSTAPが復活する可能性が大きいということです。商売で再現を騙る人は、論文を出さずにどこかの学会(事前審査無し)に出して、会場でどう叩かれても「学会発表しました」と、根拠があるかのように装って一般の人を騙すでしょう。これまでに、ダイエット法やインチキ医療の宣伝では、人に効果があるという論文などなくても、限られた条件での動物実験の結果が出ただけで、人向けの方法として宣伝されてきました。今回、STAPは有名になりすぎたので、きちんと実験して無いなら無いとつぶしておかないと、一般の人を巻き込むニセ医療に材料を与える結果になるのではないかと危惧しています。
詫摩さん、事実に沿った分かりやすい解説をありがとうございます。
さすが日本科学未来館。
本質でない部分を誇張して煽る「ネタ」とは一線を画していますね。
詫摩さんもおっしゃっているようにSTAP細胞が存在するのか、しっかりとした研究チームを組んで誰もが結果に納得する検証実験をしてもらいたいものです。実験の過程でブレークスルーとなる発見がひょっとしたらあるかもしれませんし。
大変わかり易い解説ありがとうございました。さすが未来館です。
<STAP細胞からつくられたキメラマウスは胎盤も緑に光っていました。これは、万能細胞として知られるES細胞でも、一般的にはない性質です。>
ひょっとすると、何か知られていない万能細胞が出来たということでしょうか? 私のような門外漢には、STAP細胞でもなんでもかまいません(名前はどうでもよいです)、大変夢があるような印象をうけました。
これは大変面白い研究テーマのように思いました。以上、ど素人です。ご笑覧ください。
apjさま
コメントありがとうございます。
なるほど、有名になっただけにインチキ医療に使われるかもしれないということですね。
たしかに、医学的にきちんと証明されていない「○○で治った」「○○でやせた」はいっぱいありますし、知名度の高いものほど、利用されそうです。
こうしたインチキに巻き込まれないためには、結局のところ、鵜呑みにしない態度(=きちんと疑う態度)を習慣づけるしかないのではないかと考えております。志水も書いているように、これは自戒を込めての思いです。
この仕事をしていると、「科学リテラシーがなぜ必要か」に向き合わざる得ません。この答えには、いろいろありますが、一番身も蓋もない答えとして「だまされないために」があるかと思っています。
知名度が高ければ高いほど、詐欺や詐欺まがいに悪用されるのは、本当に仰るとおりだと思います。コメントのご趣旨からはちょっと外れますが、まっとうな科学であるiPS細胞に対してでさえ、それを騙った怪しげな投資勧誘が行われているようです。
京都大学iPS細胞研究所の注意喚起
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/other/130520-155106.html
関東財務局の「悪質な社債等の勧誘にご注意下さい」の資料
http://kantou.mof.go.jp/content/000063649.pdf
「うちでは独自にiPS細胞から○○をつくっていて、これを使えば××が治りますよ。ほかでは受けられない治療ですよ」などというインチキ療法がすでにあるかもしれません。
繰り返しになりますが、きちんと疑う態度を身につけるしかないと思っています。そのために、私たち科学コミュニケーターは何ができるのか、それを考え、実践していきます。
Yutakaさま
いつもコメントをありがとうございます。
3月14日の理化学研究所の会見では、STAP細胞の科学の部分に関しては「科学者コミュニティ」の検証に任せる、といった立場だったのに、17日になって、理研が独自に調査をすると報じられています。
STAP細胞の著者グループはもちろんのこと、理研が委託した外部機関が追試に成功したとしても、それは厳密な意味では「実証」とはいえないでしょう。
でも、撤回が濃厚となりつつある論文の追試をしたがる研究者がいるか、となると、そうは言えません。厳密な意味での「実証」にはならないとしても、理研自身が追試に成功して初めて、「自分もやってみようか」と思う人があらわれるのではないでしょうか。
Yutakaさんが仰るように、追試の最中に、何か別の発見もあるかもしれませんしね!
素人3さま
コメントありがとうございます。
「胎盤が光った」の部分は、第一報を聞いたときから、私は非常に気になっていました。そして、今も引っかかり続けているのです。
通常のES細胞やiPS細胞でキメラマウスをつくっても、胎盤の部分にはES細胞やiPS細胞は入っていきません。
ただ、特殊な状態で培養したり、特定の遺伝子を過剰発現させたES細胞は胎盤に入っていくという報告があるそうです。私自身がその論文を確認できていないし、胎盤といっても、単一の細胞からなる組織ではないので、あまり詳しく書きませんでした。STAP細胞のキメラマウスで光ったのも、論文には「胎盤の組織」(placental tissue)としか書かれていないようなのです。
この「胎盤が光った」に関しては、何が(STAP細胞、何か特別なES細胞、未知の万能細胞、その他)、何になって(胎盤を構成する細胞のうち、どの胚葉由来の細胞になって)光ったのか、それが知りたいと思っています。
これをお読みの皆さまの中で、ES細胞と胎盤の関係に関して、詳しい方がいらっしゃったら、ご教示いただけると助かります。
詫摩雅子
今回の研究の整理としてGJ。個々のデータの信憑性以前に、論文としての論理的な詰めの甘さがよくわかる。
しかし、理系の実験プロジェクトって、事前にきちんとした国際標準のUMLのダイヤグラムを揃えないのか? それ無しに予算が通っているのか。理研ほどの組織で、相応の予算規模なのだから、それが無かったら、どうやって予算や工程を見積もったのか。行き当たりばったりで、次々と作業だけをして、それぞれの結果に一喜一憂していたのだろうか。それで、期待に合わないと捏造した? きちんとUMLダイヤグラムを組んでさえいれば、この記事にあるようなロジカルなスキは、きちんと詰められたし、疑われうるようなデータや検体が紛れ込ませられる悪意の余地もなかっただろうに。
先日の会見を見ても、実験プロジェクト以前に、組織としてのSOXもへったくれもない様子に驚いた。病院に事務長が、飛行機に整備長がいるように、実験もまた、実験する研究者の他につねにマネジメント監査して、上位停止権を持つ者が必要なんじゃないだろうか。論文を発表した後の「化学者コミュニティ」のチェックなんて、事故や欠陥が見つかるまで、実験段階ではカネと時間と人材は好き勝手に使いたい放題、と同義だろう。
コミュニケーター、というのは、実験監査役として有望だと思う。すべての実験プロジェクトは、UMLダイアグラムで事前にオープンにされ、そのダイヤグラムそのものが、敵対的な方法的懐疑の立場のコミュニケーターの事前監査でチェックされるのでないと、現行のような、狭い業界の同業者の相互チェックでは、ザルであることがはっきりしてしまったと思う。
純丘先生
コメントをありがとうございます。
今回の事態は、あまりにも異常だと私は思っています。
何があったのか、誰が、どういう不正行為を行ったのかをきちんと調べた上で、関係者には過不足のない処分が行われるべきだと思っています。
ですが、これだけは申し上げさせて下さい。
私は科学者ではありませんが、仕事柄、科学者の方々と接する機会は少なくありません。
今回の事態のメイン舞台となった神戸の理研にもお邪魔したことがあります。
ほとんどの先生方は真摯に研究と向き合っていらっしゃるのです。
どうか、今回の件をもって、科学者みんながいい加減なことをしているとはお考えにならないで下さい。
それだけは、切にお願い申し上げます。
詫摩雅子
一研究者です.
大変分かりやすいご説明をありがとうございます.
仰るとおり,今回の事態は「異常」です.研究者のほとんどは(自分に対しても)健全な批判的精神をもっており,どんなに不都合な実験結果がでても,それに誠実に向き合っています.むしろ思い通りの結果がでることなど珍しいといってもよく,新たな結果が出るたびに自説を修正もしくは棄却する覚悟をもっているのが普通と思います.この意味で,(STAP 細胞の真偽に関係なく)小保方さんは研究者失格です.
純丘先生はマネージメントが不適切と仰っているようですし(難しくて理解できませんが),私は大規模プロジェクトに共同研究者として関わることが少ないので分からないことも多いですが,一般的に言って,研究所が不正・捏造を見過ごさないよう管理するのは現実的に難しいと思います.論文投稿前にドラフトを監査する研究所など世界を見渡してもほとんどありませんし,研究者は不正など頭をよぎりもしない生活を送るのがふつうです.面白い研究成果がでるのは(がちがちに管理・統括された研究機関ではなく)一見放任で無駄ばかりしているようにみえる研究機関であることが多いです.管理に注力するより,そもそも無茶苦茶なひとに学位を取得させるのが問題でしょう.
おいおい、こんどはカッシーナが出てきたぞ。それも、接客用ではなく、交流用、居住用ということだから、内部スタッフ向けだ。神戸理研に行ったことがあるなら、一般の研究室とは場違いで、すぐに気づいたんじゃないか。こんなのが予算で通るとなると、残念ながら、ここ、組織ぐるみで、みんなおかしい、としか言いようがないだろ。
ちなみに私学の場合、初年度は、なーんにもない空っぽの研究室で、他のところから、壊れた廃棄処分扱いの灰色のコクヨの事務机などをおもらいさんしてかき集めて、なんとかしのぐ。私も、部屋に掛時計さえも無かったから、コメリで一番安い電波時計1980円を新しく買って研究費で落とそうとしたら、年度末になって、電波時計じゃないといけないのか、研究における絶対的な必要性を説明しろ、と経理に言われた。まあ、典型的な田舎者たちのヨソモノ新人イジメではあろうが、他人のカネを自分の研究に使うということは、それくらい厳しくて当たり前だとも思う。
民間の工場などでは、1歩1秒のムダでも時給ドロボーのように言われる。そうやって日本製品は乾いたぞうきんを絞るようにコストダウンをやってきた。カッシーナを紛れ込ませて、だれも気づかない、それで真摯にやっている、などと平然と言うとすれば、それは、あなたを含めて、もはや社会常識に欠ける、ということになるよ。
> 研究における絶対的な必要性を説明しろ
ははは.これ,私も言われました.
ホチキスを買ったときに
「このホチキスは研究資料にしか使えないのですか?」
らしいです.最近,大学はどこもうるさくなってます.
理研は違うようですね・・・.
冷静な論考ありがとうございます。
生命科学分野で研究をしている者ですが、一点お伺いしたいことがあります。
「脾臓にもともとあった別の万能細胞や、何らかの理由で混入したES細胞などである可能性を捨てきれません。」
この点についてですが、おっしゃる通り本当にT細胞由来か証明するにはキメラ個体を取ってきて、血球系以外の組織のTCRのPCRを確認するとか、単一細胞で培養を始めてTCRを確認した上で実験全部やり直す事が必要になるかと思います。
ただCD45陽性、GFP陰性で選別した細胞を使っているので、当初Oct4陰性であり、その後Oct4陽性になった細胞であると考えられます。であればT細胞以外の血球系細胞由来の可能性はあっても、別の万能細胞の可能性というのは考えにくく、再プログラム自体は起きていると考えられるのではないでしょうか?
私もこの件に関してはそこまで詳しくないので、ご教授頂ければ幸いです。
純丘先生、ocelotさま
コメントをありがとうございます。
私自身は高級そうな家具を見た覚えがないのですが、純丘先生のご指摘は、研究所の成果を向上させるのに、高級な調度が必要なのか、という話なのだと思います。
これに関しては、私には「わかりません」としか申し上げることができません。
仰るとおり、乾いたぞうきんを絞るようなコストダウンで競争力を高めている企業は多いはずです。一方で、社員の福利厚生の充実で、優秀な人材の確保や社員のやる気の向上を図ろうとしている企業もあると聞いております。いずれも上層部のご判断でしょう。
理研は公的資金が入っているわけですから、よりシビアなチェックが必要だろうと思いますが、どういう判断だったのかは、少なくとも、私には「わからない」としか申し上げられません。
私が前の純丘先生のコメントへの返信として書いた「真摯に向き合っている」は、研究者個人の研究に対する姿勢です。組織の運営となると、私には何とも申し上げることができません。
ocelotさまが書かれているように、管理自体が難しそうでしょうし、どこまで管理をするのが適正かの判断も難しそうに個人的には感じます(管理するにもコストはかかるし、過剰な管理はマイナスに働きそうです)。
もちろん、だからといって、管理者に責任がないというつもりもありません。組織には、約束ごとがあったはずで、それが守られていたか、その約束ごとが適切だったかどうかの判断も含めて、責任がある方はいるだろうと考えております。
詫摩雅子
吉田さま
コメントをありがとうございます。
私は専門家ではありませんので、吉田さまに限らず、以下の私の理解に誤りがあれば、ぜひご指摘ください。
「別の万能細胞」という書き方が悪かったようです。
私が可能性として想定したのは、「もともとあった未知の万能細胞(pluripotentな細胞)」や、「もともとあった多能性幹細胞(multipotentな細胞;組織幹細胞)が刺激を受けて万能性を獲得した細胞」です。
後者は、未知と既知の両方の可能性があると考えています。多能性から全能性に変わったのであれば再プログラムが起きたと言えますが、STAP細胞のスタートを体細胞と考えているので、区別しました。
CD45陽性細胞に、まだ素性のわかっていない細胞がある可能性と、コンタミと同じ意味になりますが、ソーティングの不十分さがあった場合も考えてもよいのかと思います。
今回、ブログでは触れませんでしたが、STAP細胞は培養ではほとんど増殖しないようです。ここは、ES細胞と異なる点です。なので、4倍体補完法でつくった4Nキメラ(100%注入した細胞に由来する)マウスのTCR再構成を確認するのが確実なのかなと理解しております。特許の申請書の方には、通常のキメラマウス(2Nキメラ)の結果が示されているのですが(Figure 20です)、これですと、ホスト側のマウスの細胞も含まれてしまいそうで、証拠になるのかどうか、きちんと理解できずにおります。
特許の申請書
https://patentscope.wipo.int/search/en
/detail.jsf?docId=WO2013163296&recNum
=1&tab=Drawings&maxRec=1&office=&
prevFilter=&sortOption=Pub+Date+Desc&
queryString=FP%3A
%28WO%2F2013%2F163296%29
STAP細胞は増えないのですが、培養条件を変えることによって、ES細胞並みに増えるようになります。これがSTAP幹細胞で、山梨大学の若山先生がお持ちで、調査に出したのはこちらの細胞です。
詫摩さん
ネイチャーの仕事を離れて、別の筋から、この話をよくフォローする必要が出てきて、ここを見つけました。わかりやすい説明、ありがとう。
要するに、T細胞から多能性を獲得したOct4陽性細胞ではなく、CD45陽性細胞でキメラができた。さて、それはT細胞から多能性を獲得した幹細胞(STAP細胞)由来なのか、それとも未知の幹細胞由来なのか、ということですか? う〜ん。後者だとしたら、酸の処理に負けないタフなやつ。
松尾さん
お久しぶりです。
松尾さんにほめていただくと、本当にほっとします。
>要するに、T細胞から多能性を獲得したOct4陽性細胞ではなく、CD45陽性細胞でキメラができた。
Oct4が発現しているかどうかは、くっつけてある緑に光る遺伝子が一緒に発現して、細胞が緑に光るかどうかで確認しています。
ですが、キメラマウスづくりでは、注入した細胞がマウス体内のどこに行ったかがわかるように、常時、緑に光るマウスの細胞を使っているのです。
このため、キメラマウスづくりの細胞では、Oct4陽性細胞なのかどうかは、見ていません。
(ただ、キメラマウスができた以上、万能性のある細胞はあったはずで、それならば、Oct4陽性だっただろうと考えてよいのではないかと思います。しかも、STAP細胞のキメラマウスは、胎盤も光っていますから、万能性から“やや全能性より”の細胞と考えていいかと思います)
問題は、STAP細胞は培養条件ではほとんど増殖しないうえに、CD45陽性細胞がミックスですから、TCR再構成を生じていたSTAP細胞と、キメラマウスづくりに使った細胞が、同一といっていいのかどうかがわからない点です。
論文ではSTAP細胞からSTAP幹細胞をつくっています。3月5日に公表されたSTAP細胞づくりの手順書では、8株のSTAP幹細胞は「どれもTCR再構成は認められなかった」と明記されています。
私が3月5日の「TCR再構成はなかった」を見て、どういう反応を示したか、ご推察ください。
→皆さま
松尾は、前職での詫摩の上司です。編集者としての師匠です。
通常のブログのコメント運用では、私信は非公開にしていますが、松尾の確認項目は、私も念押しした方が良い内容かと思い、公開にしました。
(松尾には、まだ身内意識があるので、三人称では敬称なしです)
詫摩様
返信ありがとうございます。
CD45陰性の細胞がコンタミした件ですが、フローサイトメーターの信頼性は99.5%と言われており、CD45については非常に感度がいい抗体があるため一般的にはコンタミは無いと考えられます。ですので論文の査読の時にこれに対する突込みがなかったのは無理のないことと思います。ただ一個も含まれていないことを要求されるような研究では二回かけて100%陽性であることを確認することをやったりするそうです。
体細胞中の他の幹細胞の関与ですが、基本的に体細胞ではOct4陽性の細胞はなく、そのままの状態で万能性を持つ細胞は存在しない(いろいろやられてるけど見つかっていない)というのが現在のコンセンサスなので、もしそういう細胞がいるのであればそれはそれでSTAP級の発見だと言われています。
やり取りの中で改めて考えましたが、まず酸処理で万能性を獲得する細胞を確認し、そのあとでこの細胞がもともとどんな細胞であったかを確認するのがいいのかもしれません。STAPでなくとも万能性を示す細胞があればいいわけですので。
キメラ動物におけるSTAP細胞の関与の確認ですが、T細胞以外の体細胞ではTCRの組み替えは起こらないので、2Nキメラであっても体細胞サンプルにTCR組み換えのバンドが検出できれば問題ないと思うのですが、血球のコンタミの可能性を否定するのは難しいですね。
いずれにせよ不正が発覚した時点でこれらのことを敢えてやろうとする他人はいないと思いますので、著者の方々が行うしかありませんね。
吉田さま
ご教示ありがとうございます。
CD45は感度がいい抗体なのですね。なるほど~。このあたりのことが私にはわからないので、非常に助かります。
>もしそういう細胞がいるのであればそれはそれでSTAP級の発見だと言われています。 やり取りの中で改めて考えましたが、まず酸処理で万能性を獲得する細胞を確認し、そのあとでこの細胞がもともとどんな細胞であったかを確認するのがいいのかもしれません。STAPでなくとも万能性を示す細胞があればいいわけですので。
そうですね。万能性の細胞が生後1週間の赤ちゃんマウスとはいえ、あることがわかれば、大発見なのだと思います。
いろいろご教示、ありがとうございました。
引き続き、よろしくお願いいたします!
詫摩さま
判りやすい解説記事でありがとうございました。私も1人の生化学者の端くれですが、大変参考になりました。
最初に論文を読みながら違和感を感じたのが、キメラマウスに使った細胞(cag-gfp)と、STAP細胞(Oct4-gfp)が違っている点でした。GFPを目安に実験する手軽さについつい流されがちですが、キメラマウスでTCRの再構成を確認していない点は、レフリーが指摘していないのかな、と不思議でした。レフリーの意見を無視して、natureのエディターが掲載した可能性も高いですが、こんな実験はPCRを一回やるだけだし、なんでやってないんだ?、と思いました。慶應の吉村先生のブログを見て、その考えが間違ってないんだなー、とちょっと嬉しかったり。
そのうち、TCRのPCRの写真で切り貼りが発覚して、ああ、こりゃダメだと思い、もう疑いの目でしか見られません。今となってはキメラに使ったのがSTAP細胞に由来するものじゃないんだろう、と思っています。
一つ、世間でみんながあまり指摘していないことについてご意見を聞かせて下さい。
理研の会見で石井委員長がTCRの電気泳動図を見せながらしゃべったときに、この電気泳動はパルスフィールド電気泳動の図です、と言われてました。ん?、そんな面倒なことしてんの?と思ったんですが、サイズの大きいDNAの電気泳動ならしょうがないかな、と考えました。でも、原著論文を見るとこのPCR産物の電気泳動はGLのバンドでもせいぜい2kbくらいの短い断片です。多分、こんなDNAの解析にパルスフィールドなんて面倒な装置、使わないですよね。どう思いますか?
誰がパルスフィールド電気泳動だって言い出したんでしょう?(小保方さんかしら)。参考文献を見て適当にパルスフィールドです、って言っちゃったんじゃないの?、なんて思ってしまいました。小保方さんのラボにパルスフィールドの泳動装置(結構、高価な代物です)があるかどうか、誰か知ってませんかね。
軽口はこれくらいにして、これからも科学的な観点からの情報発信を続けて行ってください。今回の記事で初めて読ませていただきましたが、ブックマークに登録させていただきました。
詫摩様
ご返信ありがとうございます。
こちらこそ大変お世話になりました。
今後のご活躍をお祈り申し上げます。
吉田さま
昨晩は外出の直前にバタバタと返信したので、きちんとしたお礼が申せずに失礼いたしました。
私は、2Nのキメラマウスだと、ホスト側のマウスの細胞が入っているので、きちんとした証拠にならないと思い込んでいたのですが、仰るとおり、2Nだろうが、4Nだろうが、T細胞以外の体細胞でTCR再構成があることを示せれば、それで十分ですね。読み返して「はっ」としました。ありがとうございます(こういう目からウロコが落ちる瞬間は、自分のダメさを思い知る瞬間でもあるのですが、大好きなのです)。
白血球の混入を防ぐのはたしかに難しそうですが、そういう技術はありそうな気がします(輸血や移植医療のあたりで、行われていそうな気がします)し、ソーティングを繰り返して信頼度を上げていくこともできそうです。
でも、ほかの先生方がネット上で指摘なさっていましたが、T細胞由来のSTAP細胞からできた4Nキメラマウス(100%キメラマウス)ですと、TCRが1種類しかないわけですから、事実上の免疫不全になりそうです。それはわからないのかな?と疑問に思っています。
ぜひ、今後ともいろいろご教示下さい。ありがとうございました。
とも様
コメントをありがとうございます。
また、志水の方の記事にお寄せいただいていた「金額」に対する質問へのお返事もありがとうございました。志水にも私にも、すぐにはお返事できない質問だったので、大変助かりました。
とも様は最初に論文を読んだときに気づかれていたのですね!さすがです。私は、難波先生や吉村先生のご指摘を見て、「ああっ!」と気がつきました。TCR再構成の意味も意義も知識として知っていたのに、「T細胞由来のSTAP細胞でできた4Nキメラマウスでは免疫不全にならないか?」という先生方の指摘も、読んで初めて気がついたくらいです。「頭が鈍い」とはまさに私のことだと思い知りました。
パルスフィールド電気泳動の件ですが、すみません、私にはそこまでの知識がございません。科学雑誌の編集をしていただけですので、私の知識はごく浅いのです。
ただ、ご指摘のように、「なんでキメラマウスのTCR再構成を確かめなかったのか」という点に関しては、まったく同意見です。理研の調査委員会の中間報告書はご覧になりましたか? 切り貼りの元となったGel2には2Nキメラ(CD45 STAP)というレーンがあるのです。特許の申請書にも2Nキメラのデータがあります。
理研の中間報告書(スライド資料の10ページ目です)
http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/topics/2014/20130314_1/document-5.pdf
(4月2日追記:中間報告書は3月31日に修正版に差し替えられました。修正版では、2Nキメラの電気泳動の結果があるゲルの写真は削除されています。修正の理由は「未発表のデータが含まれていた」ためとの説明が4月1日の会見でありました)
特許の申請書(Fig20です)
https://patentscope.wipo.int/search/en
/detail.jsf?docId=WO2013163296&recNum=
1&tab=Drawings&maxRec=1&office=&
prevFilter=&sortOption=Pub+Date+Desc&
queryString=FP%3A
%28WO%2F2013%2F163296%29
ただ、実験条件が書かれていないので(また、私には電気泳動図を解読できるだけの知識が不十分なので)、これがTCR再構成のデータとなっているのかどうかがわかりません。キメラマウスのT細胞が入っていたら、TCR再構成が認められても、何も言えないはずです。
このあたり、とも様、あるいはこれをお読みの詳しい方々のご意見をいただければと思っています。
よろしくお願いいたします。
詫摩さま
ご返信ありがとうございました。理研の中間報告のスライドが公開されていたのは知らず、見ていませんでした。教えていただいたファイルを拝見いたしました。ありがとうございます。
まず、特許の申請書の方の写真ですが、若干、老眼が進行しつつあることと画像も圧縮されていることもあり、小さすぎてよく見えませんが、Fig20の泳動の写真は左から5レーン分はnatureの論文と全く同じものなので、切り貼り加工されているはずです。なので、他のレーンのデータも信用できません(笑)。ただ、それではミもフタも無いので、よく見てみましたがレーンの説明の文字がつぶれて見えなくて解析できませんでした。スミマセン。
Gel2の2Nキメラのレーンってのは、どの組織のどの細胞のTCRを見ているのか、判らないので、私も何とも言えませんです。
あ、キメラマウスでTCRの再構成を見て証明にする、ってのはご指摘の通り、キメラマウス由来のT細胞がコンタミしたら何も言えなくなるでしょう。でも、どこかT細胞がコンタミしないような組織(そんなのは難しいけど、血液を還流して血液を減らすことができるはず)を使ってれば、僕はSTAPを信じます。それか、キメラマウスから何らかの組織の細胞のプライマリーカルチャー(簡単に言えば単離細胞)を作ってPCRで確認してくれれば良いのかなと思います
いずれにしても、一つの細胞から分化した細胞ならTCR再構成で見えるバンドは1つ(または2つ?)のはずなので、こんなにいっぱいバンドが見えるのが何故かは私にはさっぱり判りません。最初にキメラマウスを作るために胚盤胞にいれたSTAP細胞が1つの細胞じゃないから、いっぱいバンドがあってもいいんだよ!、ていわれたらそうなのかな、と思ってしまいます(ここらは専門ではないのでよくわかりません)。
理研の中間報告のデータについて、切り貼りしたのはTCR再構成のバンドがよく見えなかったから、なんて言ってましたが、そんなもの全くウソでしょう(多分、石井委員長も判っているはず)。CD45+ cellのレーン(いろんなリンパ球が混在している状態)と、sorted-Oct4+ 1のレーン(緑色に光ったものだけを集めたはず、つまり、TCR再構成のパターンが異なったクローンが分別されているはず)の電気泳動バンドのパターンが全く同じなので、これではOct4+で分別したはずなのにちゃんとクローン化できてないように見える、ってのが論文掲載には不都合だと思ったから切り貼りしたのでしょう。
ちょっと踏み込んで推測すると、石井委員長は会見で、切り貼りに使ったCD45+/CD3+と、もとの図にあるCD45+の細胞はどちらも同じリンパ球のことです、なんて言ってますが、分離するときに使う抗体が1つだけのCD45+のリンパ球と、CD45とCD3の抗体2つを使って分離したリンパ球では、リンパ球の純度が違うはずです(2つの抗体を使った方が純度が高いはずでしょ?)。
STAP細胞を作るのに使ったCD45+細胞のPCRのレーンに、純度の高いと思われるCD45+/CD3+のPCRの泳動レーンを切り貼りするのは何らかの意図があるとしか考えられません。そのあたりを石井委員長ははっきり言明するのを避けたのではないでしょうか(理研ぐるみで問題を隠そうとしてるんじゃないの?、なーんちゃって思いました)。
実際にCD45+/CD3+のレーンではGLのバンドがほとんどないので、分化したリンパ球細胞の割合が多いと思いますから、ここからSTAPが出来たならそれはすごいことだ!ってミスリードされてしまいます。でも、STAP細胞でまたGLのバンドが復活しています(ゲノムが短くなったはずなのに、なんでまた長くなるんじゃ?)。実はこのデータを見て、なんか実験がおかしいんじゃね?と思ったのが、最初に論文を読んだときの違和感でした。多分、論文を読んだ生化学の専門家たちはみんなそう思ったんじゃないかなと思います。
長文で失礼しました。
たまたまこちらの議論を見かけました。この状況でもSTAPとTCRについて科学的な議論をされているので大変感激しました。多くの疑問は"最後にもう一度TCR” http://new.immunoreg.jp/modules/pico_boyaki/index.php?content_id=350 をお読みいただければご理解いただけるのではないかと思います。発生学者はCD45陽性の分化した細胞からでもOct4陽性の細胞ができたのだから『未分化細胞からでも万能細胞が出来た』と割と気楽にポジテイブに結論ずけようとします。つまりよい面を評価して伸ばそうという姿勢でそれはそれで評価できます。しかし論理性の強い免疫学者は『仮説以外のあらゆる可能性を排除しなければ仮説は正しいと認めない』という堅苦しい人が多いのです。もしSTAP幹細胞やキメラでTCR再構成がひとつでもあればそれはもう逆らえない証明なので『未分化T細胞から万能細胞が出来た』と肯定せざるを得ません。しかし今回のようにSTAP細胞と呼んでいる細胞のかたまりにしかTCR再構成が見つからない場合(幹細胞やキメラには見られない)、現在の知識で一番合理的に説明可能な『ESの混入』あるいは『未同定の組織幹細胞』の可能性を排除しない理由は考えられません。それらの混入の可能性を実験的に排除するためにTCRを持ち出したのに結局それに答えていないのでさらに疑惑が深まるという構図になっています。CD45陽性分画からスタートしたのだから組織幹細胞は入らないというのは幻想で、FACSの純度は不明ですし、未知の幹細胞はCD45陽性かもしれません。
もとさんの『一つの細胞から分化した細胞ならTCR再構成で見えるバンドは1つ(または2つ?)のはずなので、こんなにいっぱいバンドが見えるのが何故かは私にはさっぱり判りません。』は完全に正しい推論です。胚盤胞に入れられる細胞はせいぜい20個でそのうちマウス組織になるのは数個なので、この方法で見れるバンドはせいぜい1本です。この2Nキメラの解析結果が不自然であることを理研の先生たちは理解しているからこの図をもって『キメラにTCR再構成がある』と言わないのだろうと思います。
こんな形而上学的な議論は実はたいした意味がなく、純化したT細胞から作ったSTAP細胞でキメラを作製するとか、4Nキメラで解析するとか、キメラの子孫でTCRの解析をするとか、不確実性を可能な限り排除した感度の高い方法で実験すれば何の問題もないはずです。現在丹羽先生が再現実験をされているそうなので次回ぜひこのような疑問点を解消していただければと思います。
ただ今回の議論で免疫学者は『もっぱらアラさがしをしてポジティブな面を評価しようとしない』傾向があることに自分でも気がつきました。厳密な論理性を要求する学問であるからか、免疫はなかなかとっつきにくく若い人に敬遠される理由がはからずもわかったような気がします。
なおTCRが単一の4Nキメラマウスでは免疫不全になるかもしれませんが、通常の動物実験室の環境でしたら生存できます。TCRトランスジェニックマウスと似たようなものです。
追伸です。
特許の申請書、ドキュメントがダウンロードできますね。
みたところ、いろいろ?てな感じです。教えていただいた特許申請書のFig20の写真と、理研の中間報告の生データ、一致しません。ここでも切り貼りがありますね。2Nキメラマウスのデータもどこからか切って貼ってますね。ま、これが真実ならキメラマウスの細胞にTCRの痕跡があるのかも?しれないです(決定的な証拠ではないけれど)。
特許のFig20とFig12Eが一部分で一緒と言いましたが、Fig2BとFig13Bも同じものです。特許の書類は書いたことないのでわからないですが、同じデータの図を複数回、引用するときに図の番号を変えなきゃいけないのでしょうか。私にはよくわかりません。弁理士の皆さん、教えてください。
とも様
コメントをありがとうございます。
特許の書類の方は、原図をスキャンしたのが公開されているようで(白黒ですし)、解像度も低いですし、これで切り貼りなどを論じるのは危険なように感じております。
未来館の科学コミュニケーターのOBで、特許事務所に勤めている者がおりまして(弁理士になるべく、修行中の身です。多様なネットワークは未来館の自慢です)、同じデータを複数回使うことがあるのかという話を聞いてみました。
彼はもともと技術畑の人間で、今回のような生物学の話はきちんと理解できていないこと、また、この特許の書類をきちんと読んでいないことを述べた上で、一般論としては、特許の出願書に、よく似た図が並ぶのは珍しくないと話してくれました。それは、自分の保護したい権利をきちんとカバーするために主張をいろいろな側面から眺めたり、少し違う条件を加えたりすることがあるからなのだそうです。
また、この特許の書類を見ると、基礎出願と呼ばれるものの日付が2つあります。これは最初の出願の後に、何かを付け加えて出願したということなのだそうです。こういったことも関係しているのかもしれません。
私は、この特許の書類の分厚さに面食らって、まだきちんと読めておりません。話を聞いた科学コミュニケーターOBの彼も、精読はしていません。なので、歯切れの悪いお返事しかできなくて申し訳ないのですが、そこはお許しください。
詫摩雅子
吉村先生
まさか私の重箱の隅をつっつくようなコメントに答えていただけるとは、恐縮しております。TCRの再構成のところで「バンドが1つ(または2つ?)」と書いたのは、免疫細胞では対立遺伝子排除(allelic exclusion)がおこるので未編集の(再構成していない)ゲノムが残るからGLのバンドがあってもおかしくない、という議論があったのでGLのバンドが残ってるから(2つ?)って書きました。完全に分化したTリンパ球にはallelic exclusionでもとのゲノムって残ってるのでしょうか?もしまだご覧になってたら教えていただければ幸いです。
あと、吉村先生の論理的な考え方は、アラ探しなどと批判されるようなものではなく、科学という学問に対する真摯な姿勢として後に続く研究者たちへの規範となるものだと尊敬しております。
詫摩さま
特許の書類に関して、おっしゃられてることはごもっともです。お知り合いの弁理士(のタマゴ)の方のご意見も大変参考になりました。ありがとうございます。
私の特許情報に関する先のコメントは軽率のそしりを受けても仕方がありませんので、削除していただいて差し支えありません。でも、(切り貼りに関しては)私は間違いないと考えてますので、コメントをそのまま残していただいても大丈夫です。この類いの電気泳動の図は自分でも数えきれないくらい撮影してますし、写真を見たらすぐわかるので、自分の分析には絶対の自信があります(なんちゃって)。
コメント欄を通していろいろコミュニケーションがとれたことは、とても楽しかったです。お礼を申し上げます。またよろしくお願いいたします。
詫摩さま
一つ、参考になるかどうかわかりませんが、胎盤とES細胞についてです。
胎盤の組成は、wikipediaからの引用ですが、
「胎盤は、母体由来の基底脱落膜と胎児由来の絨毛膜有毛部とから構成されている。」
とされています。
ということは、胎児由来の細胞が胎盤に分布していても不思議はないですよね。ということは、何故、ES細胞やiPS細胞から胎盤にならないのか、そっちの方が不思議じゃないですか?
一つの可能性としては、キメラマウスなどを作る際には胚盤胞にES細胞(またはiPS細胞)をインジェクションするので、「胎児由来の絨毛膜有毛部」の細胞が胚盤胞に由来するせいなのでは?と考えられます。この仮説が正しいとすれば、STAP細胞のキメラマウスで胎盤の細胞になることがあり得ないことになります。
逆説的ですが、STAP細胞由来で胎盤ができるなら、ある意味ES細胞やiPS細胞から胎盤が形成される可能性は残されているのです。それがまだ発見されていないだけとも言えます。例えばですが、GFPの発現を目安にしてES細胞やiPS細胞が胎盤にならないって結論しているなら、それは全然証明になってません。単純に胎盤の細胞ではそのGFPタンパク質に使ってるプロモーターが働いていないだけかもしれませんし、もっといえばGFPタンパク質が作れない(または光らせることができない、クエンチングという現象もあり得る)ってことかもしれないです。
だからこそ、STAP細胞が今までに見つかっていない新たなES幹細胞であっても価値があるんだ、という考え方が成立します。これはこれで発見で、STAP細胞の正体が明らかになり多能性獲得のメカニズムが解明されれば、明快に説明できることなので、今後の研究の進展を待ちましょう。
一般人です。ここで行われている、専門研究者同士の議論こそは、stap論文の著者達との間でなされてほしかった、と思うのは私ばかりではないと考えます。著者達の直接的な弁明がなく、出てきたコメントが、論文撤回を含む「お詫び」とは、何か不明朗なものを感じます。著者達は、修正案をネイチャー送ったようですが、その内容が分かればある程度著者達の考も分かりますが、撤回が問題になっている以上、修正案が載るとは思われません。加えて、文部科学大臣が、論文の撤回・再提出に言及する珍現象(これ重大な問題だと、私は思いますが)まで表れました。このような科学的・専門的な問題に対して「しばらく、専門研究者同士の議論にゆだねる」という余裕のある社会では、日本はないのでしょうか?
とも様
私も粗忽者で間違いが多く、とてもとても尊敬されるような立派な学者ではありません。仲間にはザルと言われています。ただ一応免疫学の専門家ですので学生や一般のかたに興味を持っていただけるチャンスと考えて解説をしているだけです。
ともさんの疑問についてですが、VDJ組み換えではDJが先行して起こりますので両方の染色体でDJ組み換えが起きます。
次にVDの組み換えが起きますが、対立遺伝子排除の機構は主にこの時期に働きます。つまりまずD1J1, D1J2, D2J2の組み換えのいずれか、あるいはD1J1とD2J2の両方の組み換えが両アレルで先に起こって、それからどちらかのアレルのVがDJとくっつく。ここで機能的なTCRβができればもう片方のVD組み替えは起こりません。これが対立遺伝子排除といわれる現象です。もし機能的なTCRβが出来なかった場合はもう片方の染色体でVDの組み換えが起きます。
ですので理論的な組み合わせは相当数ありますが、実験的にはD2J2のプライマーで検出されるGLをもつT細胞は10%程度ではないかと言われています。もし1個のT細胞がマウスになったとすると、可能性としてはGLもしくは組み換えの1本のみ、GLと組み換えの2本、組み換えの2本、あるいは全く検出できない、となります。よってバンドが見えるとすれば1つか2つでともさんの考えは正しいと思います。それぞれの可能性の確率がどれくらいなのかは原著をあたらないとちょっとわからないのですが、明らかにこの方法ではTCR再構成が起こっても全く検出できない不確実性がついてまわります。もしTCR再構成をT細胞由来の染色体のマーカーとして使うのであれば、さらに確実な方法で確認したほうがよいと思います。例えば汎用型のVDJでのPCRプライマーで検出する方法、サザンブロッテイングを行う方法、あるいはwholeゲノムシークエンスシングを行う方法、TCRβレパトア特異的抗体によってFACSで解析する方法などいくつか考えられます。いづれにしましても出発細胞を純化したT細胞やB細胞にすることでCD45+よりも検出感度が格段に上がるはずですのでぜひ再試験ではそうしていただければより確実だと思います。
とも様
お返事が遅れて申し訳ありません。
とも様がコメントで問題提起をして下さったおかげで、吉村先生からTCR再構成に関する詳しい説明をいただくことができました。ありがとうございます。私だけでなく、読者の皆さまも感謝していることと思います。
また、胎盤に関しても、情報提供をありがとうございます。
仰るとおり、胎盤は母体と胎児の双方の組織からなるものですが、詫摩の非常に大雑把な理解ですと、胎児由来の組織は、胚盤胞の栄養外胚葉由来だったはずです。ES細胞は、胚盤胞の内部細胞塊からつくるので、そのままの一般的な状態では、栄養外胚葉に由来する胎盤にはならない(とされている)、と理解しております。キメラマウスは胚盤胞に細胞を注入するので、胎盤はもとの胚盤胞の細胞に由来するはずです。iPS細胞は、ES細胞を目指して遺伝子導入により作成した細胞で、ES細胞を超える分化能力があるという報告はまだ出ていないと思います(例によって私の勉強不足や理解不足の可能性を排除しないで下さいね)。
以下、丹羽仁史先生が「蛋白質 核酸 酵素」2006年11月号に書かれた総説「幹細胞生物学の基本的概念」と同じく丹羽先生が同誌2006年3月号に書かれた「哺乳類初期発生運命決定における転写因子の相克」などからの受け売りですが、初めてこのサイトにいらした方もいると思うので、少していねいにご紹介します(上の2本はネットで読むことができます。「PDFへのリンクはお断り」となっているのでhttps://lifesciencedb.jp/pne/ からご検索ください)。
受精卵には全能性(totiponent)があり、単独でも母胎に戻せば個体が産まれてきます。受精卵が分裂して2細胞期になってもやはり全能性はあって、この2つがバラバラに母胎で成長しても、それぞれ個体となります(一卵性双生児)。4細胞期でも同様です。
4細胞期、8細胞期から、桑実胚を経て、マウスだと受精後3.5日目ごろには胚盤胞となります。
胚盤胞は3種類の細胞集団からなり、それぞれ将来的には胎盤、胎児、卵黄嚢となります。母胎の組織と融合して胎盤をつくるのは、胚盤胞の外側にある「栄養外胚葉」で、胎児になるのは内側の「内部細胞塊」です。
ES細胞は、この胚盤胞を壊して、内部細胞塊から樹立した細胞株です。胎児の身体を構成するあらゆるタイプの細胞になる万能性(pluriponent)を備えていますが、ES細胞を母胎に戻しても、個体の誕生には至りません。ここが全能性をもつ細胞との違いで、具体的には、胎盤(胚盤胞の栄養外胚葉に由来)をつくることができないため、とされています。iPS細胞はES細胞を手本にしたものですから、この点は同様のはずです。
(私の勘違いや勉強不足の場合もあります。ご指摘いただければ幸いです)
ただ、「ES細胞は胎盤にはならない」とされている根拠なり、データなりはまだ見つけられずにおります。とも様のご指摘のように、GFPの緑の発光で確認をしている場合、「胎盤に分化したES細胞由来の細胞では何らかの理由で光らないだけ」という可能性はありうるかと思います。
私はずっと「キメラマウスになった細胞は何だったのか」に興味があります。もっというと、胎盤が光ったのはなぜだろうという疑問です。胎盤が光ったキメラマウスは“STAP細胞”からつくられていますが、10数個くらいの細胞を注入している上に、もともとが単一の細胞が分裂したものではなく、ミックスの細胞でした。
同じ1つの細胞から胎児と胎盤の両方になったのか、胎児になる細胞と胎盤になる細胞の2種類があったのか。
それは、本当にSTAP細胞(刺激により分化能を獲得した体細胞)なのか、赤ちゃんマウスの脾臓にもともとあった細胞なのか。それとも、ES細胞とTS細胞(胎盤を形成する幹細胞株)の混入があったのか。
中間報告書の会見のときの竹市センター長のお話では、ほかならぬ丹羽先生が再現実験をすると仰っているとのことですから、その結果を楽しみにしています。
※上で紹介した丹羽先生の2本目の記事にも書かれていますが、ES細胞であっても、特別な条件下にすれば、胎盤を形成するTS細胞に似た細胞になるようです。また、キメラマウスの胎盤が光ったのは、胎児の血液が胎盤に流れ込んだせいではないか、という声もあることを付け加えておきます。
吉村先生
詳細な解説、ありがとうございました。いろいろ疑問もはれました。とても勉強になるとともに、自分の知識の浅さを痛感させられます。
また、今回のやりとりの中で気づかされたことは、私は細胞というものを一つの遺伝子バックグラウンド(モノクローン)として扱う必要がある場面と、雑多な細胞集団(ポリクローン)としてとらえる必要がある場面の使い分けがきちんとできていなかったんだな、と感じました。うまく表現できていないかもしれませんけれど。いろんな機器の検出感度が向上するとともにごく微量なサンプルから膨大な情報が得られる時代になり、結果の解釈は慎重にしなければならないと、あらためて認識しました。
詫摩さま
ES細胞に関する詳細な解説、ありがとうございました。蛋白質核酸酵素、廃刊になって悲しく思ってましたが、アーカイブで読めることがわかって感謝しています。
ここでも自分の知識の浅さを痛感させられ、脳みそにいい刺激でした。胎盤になる細胞が胚盤胞由来だとわかっているのですね。ということは、新たな疑問として、マイクロインジェクションで導入した細胞由来で胎盤ができるということは、胚盤胞由来の細胞を押しのけて胎盤になっているのか、それともお互いが共存しているのか、興味深いです。胎盤でお互いの遺伝子が異なる細胞が共存する(いわゆるキメラですね)といろいろ不都合がありそうな気もしますし。。。この発見だけでも新たな研究テーマが設定できそうです(といっても自分じゃできないのですけど)。丹羽先生の詳細な報告が待たれます。
コメントは全文読んだわけではないのですが…
説明文は全文読ませていただきました。普段科学とは程遠い仕事をしている
馬鹿な私にも解りやすくて大変興味深い内容でした
研究面とは少し外れるのですが、理研は国から予算をもらう切り札としてSTAP細胞をこんな事件にしているという点はないのでしょうか?
オヤジに聞けば本人を再実験メンバーに入れようともしないし、彼らの小保方さんに対する3/31~4/1に関する行動がエイプリルフールか!すぐ再契約て…
と思わず言いたいほど不可解な行動だらけです
STAPの幹細胞に関することについても真っ先に小保方さんから離れた人が大きく関わっていますし…
なによりマスコミの印象操作が酷いです 200回の成功というのは200皿の成功例ということですよね? 普段実験って何十、何百皿も使って一度にやると思われるのですが…
馬鹿な私でもそのくらい思い浮かぶのに東大の教授がこの事について今朝あげ足取りとかをされていました
ごめんなさい、何が言いたいかわからなくなってきました ええと、そう、
純粋な研究という立ち位置から関係のないところばかりで小保方さんって被害にあっていませんか?
この辺の話が何故かメディアで全く取り上げられないものでして