エコチル調査で明らかにしたい! ~子どもたちが健やかに成長できる環境とは?~

  

年が明けて平成31年となりました!

昨年末辺りから「平成最後の~」と銘打ったテレビ番組や企画を見るにつけ、「この30年いろんなことがあったな~」と、時の流れの早さに驚愕している科学コミュニケーターの毛利です。今年もよろしくお願いいたします!

   

時代が変わったとはいえ、親が子どもの健やかな成長を願う気持ちは同じ。その時代ごとに、やれ「〇〇が子どもの成長に良い」だの「××は身体に良くない」だのといった情報が存在してきました。最近ならば、ベビースイミングとぜん息の関係や、親の喫煙が子どもの健康に及ぼす影響などの話を耳にしている方もいらっしゃるかもしれません。

こうした話が科学的に正しいかどうかは、「コホート調査」という時間をかけた研究等を通してわかってきます。

コホート研究とは、ある特定の病気を引き起こしうる要因や特性を考え、対象となる集団(コホート)に属する対象者の生活習慣などを、介入を行わずに調査・観察することです。それにより、その要因や特性がどのように病気へ関わっているかを調べることができます。

今、日本でも行われている大規模なコホート調査をご存知でしょうか? それが、環境省が行っている「エコチル調査(子どもの健康と環境に関する全国調査)」です!

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トークセッション「日本で見つけた! 巨大隕石衝突の証拠」を10倍楽しむ!巨大隕石が落ちた三畳紀とは?

来る1月13日、未来館5階コ・スタジオにて、トークセッション「日本で見つけた! 巨大隕石衝突の証拠」を開催します。約2億1500万年前、三畳紀とよばれる時代の末期、巨大隕石が地球に衝突しました。これを発見した研究者、千葉工業大学の佐藤峰南さんに直接お話を伺います。トークセッションでは、研究者本人が隕石衝突の証拠と、その発見の経緯についてたっぷりとお話しますが、ここではこのイベントの担当者である科学コミュニケーターの福井が、隕石が衝突したころの生き物について紹介します。

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東北の海を復興せよ!~"海博士"たちと語る一日・その2 「あれからガレキはどうなった?~ガレキとともに生きる深海生物」

明けましておめでとうございます!科学コミュニケーターの中島です。寒くてお布団が私を離さない!そんな日々が続いております。


さて、先日からスタートした"海博士"たちのトークをお伝えするブログですが、第2弾の今回は「ガレキと深海生物」がテーマ。海洋研究開発機構 技術主幹の土田真二先生に、「あれからガレキはどうなった?~ガレキとともに生きる深海生物」というタイトルでお話していただきました。


※本ブログは2018年11月10日に開催された「東北の海を復興せよ!~"海博士"たちと語る一日」の実施報告で4回シリーズです。東北マリンサイエンス拠点形成事業(TEAMS)*の4人の"海博士"たちに話していただいたトーク内容をご紹介しています。

その1 "東北の海のおいしいヒミツ~豊かな海の源と津波のはなし": http://blog.miraikan.jst.go.jp/201901041-4.html
その2 あれからガレキはどうなった?~ガレキとともに生きる深海生物(この記事)
その3 知ってる?海のパイナップル~海の恵みをいつまでも
その4 海の砂漠化?~ウニの良いトコ、悪いトコ


ガレキ?深海生物?そしてそのつながりとは?そんな疑問を抱きつつ、当日のトークに参加している気分で、土田先生のお話をお読みください!
なお、筆者・中島の感想や当日の会場のようすも括弧書き→( )でお伝えしたいと思います!



それでは、トークイベントスタートです!



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トーク中の土田真二先生


さっそくですが、皆さん。こちらの生き物をご存知でしょうか?
(星柄ではなく生き物!?)

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(画像提供:海洋研究開発機構)

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東北の海を復興せよ!~"海博士"たちと語る一日・その1「東北の海のおいしいヒミツ~豊かな海の源と津波のはなし」

あけましておめでとうございます。科学コミュニケーターの田中です。みなさん、お正月はどのように過ごされたでしょうか?おいしいお正月料理を食べましたか?お正月といえば、お雑煮やおせちが定番ですが、他にも普段よりも豪華なものが並んだりしますよね。その中には魚やエビなど、いろいろな海の幸が使われているのではないでしょうか。というわけで、今回はきっと多くの日本人が大好きな、海の幸のお話です。

未来館では、2018年11月10日に海のイベントを開催しました。「東北の海を復興せよ! ~"海博士"たちと語る一日」と題して、東北の海を研究し続けている"海博士"たちにお集まりいただきました。さらに海を調べるためのいろいろな道具や東北の海で捕まえた生き物たちも大集合!海の生き物たちに触れるタッチプールには、お客さんも私たち科学コミュニケーターも興味津々。"海博士"たちに海の生き物や東北の海について直接聞きながら、ウニ、ホヤ、ナマコの、間近に見る生きた姿や初めての感触を楽しんでいました。

20190102_tanakas_01.jpgウニ、ホヤ、ナマコに触れる

20190102_tanakas_02.jpg研究内容をパネルで紹介。会場奥にはプランクトンを採取するプランクトンネットも。

加えて、4人の"海博士"たちには、それぞれ30分間のトークを実施していただきました。当日お集まりいただいた"海博士"たちは、東北マリンサイエンス拠点形成事業(TEAMS, http://www.i-teams.jp/j/index.html)*のメンバーのみなさん。それぞれの角度から、東北の海の復興を目指し、調査・研究を行っています。2011年3月11日の震災、津波に襲われた東北の海はどう変わり、どう回復してきたのでしょうか? 今回のブログから、以下のように4回に分けて"海博士"たちのトーク内容をお伝えします。

その1 東北の海のおいしいヒミツ~豊かな海の源と津波のはなし(この記事)
その2 あれからガレキはどうなった?~ガレキとともに生きる深海生物
その3 知ってる?海のパイナップル~海の恵みをいつまでも
その4 海の砂漠化?~ウニの良いトコ、悪いトコ



というわけで、第1回目のタイトルは「東北の海のおいしいヒミツ~豊かな海の源と津波のはなし」。東京大学大気海洋研究所 名誉教授の木暮一啓先生にお話しいただきました。

20190102_tanakas_03.jpgトーク中の木暮一啓先生(東京大学大気海洋研究所 名誉教授)

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2019年は国際周期表年!



こんにちは!科学コミュニケーターの梶井です。


日本科学未来館は、本日12月27日が2018年最後の開館日となります。


2018年は、「はやぶさ2」の小惑星Ryuguへの到着や本庶佑先生のノーベル生理学・医学賞受賞など私たちを元気づけるような科学の話題が多かった一方で、大手企業によるプラスチック製ストロー廃止や各地で起こった異常気象、大規模な通信障害など、これからの科学と社会の関係を考えさせられる出来事もいろいろありました。


来年はどんな年になるでしょうか。


私たち日本人にとっては改元が一番大きなイベントになるかと思います。その他にもアポロ11号の月面着陸から50年、ラグビーワールドカップなど大きく取り上げられそうなトピックスがありますね。


どれも要チェックですが、私にはとても楽しみにしている行事があります。


その行事とは......



「国際周期表年」



※正式名称は「国際周期表年2019(IYPT2019; International Year of the Periodic Table of Chemical Elements 2019)」



2019年はドミトリ・メンデレーエフ(1834~1907、ロシア)が、「周期律」を発見してから150周年という記念の年なのです!

※周期律とは、原子番号順(メンデレーエフの時代では原子量順)に元素を並べると、元素の性質が周期的に変化するという法則。これを一目でわかる形にしたものが「周期表」です。


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美しい実験装置 乱流屏風

12月某日、スマホを見ると物理学者の友人から「これ興味ある?」と連絡が。併記されたURLをクリックしてみると「乱流屏風」という実験装置。

むむ???? ...... なにこれ、きれい!そしておもしろそう!

「乱流を調べるための実験装置」と説明されていて、「流体力学」という物理の分野に貢献している「水の流れをみる」ための装置らしい、ということはわかりました。しかし、生命科学が専門の田中にはさっぱりわかりません!しかし、とりあえずおもしろそうだと思いました。なにより、紹介されている写真がとてもきれいです。そこで、乱流屏風を所有する研究室に伺い、本物を見せていただくことにしました。

20181226_tanakas_01.jpg乱流屏風での実験の写真。とてもきれい。
(画像提供:佐野雅己教授)

◇いざ、研究室へ

伺ったのは、東京大学理学部 佐野研究室。教授の佐野雅己先生にお話を伺いました。案内された地下2階の実験機器室に入ると、その奥に乱流屏風が!

20181226_tanakas_02.jpg佐野雅己教授と乱流屏風
(画像:筆者撮影)

佐野先生の後ろに写っているのが、乱流屏風。横幅7mほどもある乱流屏風は、目の前にすると、かなりの大きさです。この装置、先生の研究室で4年前に作ったもの。これを使って得られた研究成果は、世界的にも超一流な論文雑誌Nature Physicsに掲載されています1)。なんだかいろいろとすごそうな予感がしますね。ですが、どうすごいのでしょうか?そして、そもそもどんな装置なのでしょうか?先生に伺いました。

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もう君なしでは生きられない!ミトコンドリアと細胞の不思議な関係

初めは接点なんて何もなかったのに、気づいたら一緒に過ごしている。もう君なしでは生きられない......今回はそんな不思議な運命のお話です。

というわけで、みなさんこんにちは!科学コミュニケーターの田中です。みなさんは、こんな運命的な恋に落ちたことがあるでしょうか?(田中は残念ながらありません......)しかし今回は恋のお話ではなく、みなさんの体の中のお話です。

主役は私たちの体をつくる細胞、そして細胞の中にいるミトコンドリア。前回の田中のブログでは、ミトコンドリアのちょっと意外な見た目についてご紹介しました(「ミトコンドリアのほんとの姿は"あの形"とちょっと違う?!」http://blog.miraikan.jst.go.jp/other/20181109-4-gfprfp-mito-gfpmito-rfp.html)。その続報である今回は、細胞内で働く他の小器官(オルガネラ)とは違った、ミトコンドリアの特徴についてご紹介していきます。

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生物の教科書に載っているミトコンドリアの絵(イメージ)
本当はこの絵とは少し異なる姿をしている(詳しくは前回の記事「ミトコンドリアのほんとの姿は"あの形"とちょっと違う?!」をご覧ください)

◇別々の細胞がひとつに!

ミトコンドリアが他のオルガネラと大きく異なる特徴、それはもともとは別の生き物だったこと。好気性細菌という、酸素を使ってたくさんのエネルギーをつくりだすことができる生き物が、細胞に取り込まれ、細胞内に住み着いてミトコンドリアになったと考えられているのです。これを細胞内共生説といいます。生物を勉強したことがある方なら、もしかするとご存知かもしれませんね。

20181220_tanakas_02.jpg細胞内共生説
好気性細菌が細胞の中に取り込まれてミトコンドリアになった。

もう少し詳しく説明しましょう。まず生き物は細胞の中に核があるかないかで大きく2つに分類をすることができます。核がないのが原核生物、核があるのが真核生物です(下図)。ではその核ってどんなものなのかというと、私たちの体の設計図であるDNAをしまっておく部屋です。核がない原核生物の細胞も設計図であるDNAを持っていますが、核のようにDNAの周りを隔てる仕切りはありません。DNAがある程度まとまって細胞の中にあり、これは核様体と呼ばれます。そしてミトコンドリアは、そんな原核生物のひとつである好気性細菌が、真核生物の細胞に取り込まれてできあがったと考えられているのです。したがって、ミトコンドリアを持つのは、真核生物の細胞のみです。

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この細胞内共生説はその名の通り、ミトコンドリアが細胞の中で細胞と共に生きていくようになったという「説」ですが、この説はおそらく正しいだろうと考えられています。でも、ミトコンドリアが細胞の中に入っていったその様子を見ていたわけでもないのに、なぜ正しいなんて言えるのでしょうか?

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2018年 キミ×ケミ~君と見つける化学~対談イベント「人工知能で見つける化学の未来」イベント報告

みなさんこんにちは。科学コミュニケーターの鈴木です。専門は化学です。

なぜいきなり専門の話を出したかというと、去る10月23日は「化学の日」だったからです。10月23日は化学の基本となる数、アボガドロ定数(6.02×10の23乗)に由来し、2013年に制定されました。

日本科学未来館でもこの化学の日にあわせて10月21日にイベントを行いました。「見に来たよ!」という方にも、「行きたかったけど行けなかったよ」という方にも、「何それ知らなかった!」という方にも、化学好きな皆様に向けて当日の様子をお伝えしたいと思います。イベントでは化学実験教室とトークセッションを行いましたが、今回はトークセッションのお話をしたいと思います。

トークセッションでは、大阪大学の佐伯昭紀博士と東京大学の岡田洋史博士をお呼びし、お二人の対談を行いました。

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このトークセッションのキーワードは「人工知能」。佐伯博士は人工知能を使って太陽電池の素材を探した研究者です。一方、岡田博士は化学物質のまだ見つかっていない面白さを調べている研究者です。人工知能が問題を解くにはたくさんのデータが必要です。しかし、岡田博士のように発見したばかりの化学物質の性質を研究しようとする場合、まだ研究が進んでいないためにその化学物質のデータがほとんどありません。こういった研究に人工知能は利用できるのでしょうか?これが対談のテーマとなります。そして、このトークセッションタイトルは、「人工知能で見つける化学の未来」です。

本トークセッションは、以下の流れで進めました。

(1)佐伯博士の研究紹介

(2)岡田博士の研究紹介

(3)対談

本記事もこの流れに沿ってご紹介します。


 

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天気×宇宙=?

時は20XX年。明日は久しぶりの家族旅行。明日の天気はどうだろう?TVをポチッとな。

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TVのアナウンサー「明日の地球天気予報です。日本は全国的に晴れとなるでしょう」
私「ふむふむ」
TVのアナウンサー「続きまして、宇宙天気予報です。ここ最近、太陽の活動が活発です。月や火星など、大気圏外にお出かけ予定の方は、宇宙線に備え、防護服を忘れずにお出かけください。それでは、よい週末を」
私「ちょっと荷物が多くなるけど、持って行くか!」
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冒頭から失礼しました。科学コミュニケーターの中島です。この春に未来館にやってきました!どうぞよろしくお願いします。


さて、9月より、国際宇宙ステーション(ISS)横に新しい展示物が仲間入りしました!その名も宇宙天気予報!一体どんなものなのでしょうか?

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火星の地震? 探査機インサイト まもなく火星着陸!

来たる11月27日(日本時間)、アメリカ航空宇宙局NASAの探査機インサイト(InSight)が火星に着陸する予定です。

20181121_oguma_01.jpg Image credit:NASA/JPL-Caltech

5月5日に打ち上げられたので、火星に行くにしては比較的短い旅です。下の画像は10月3日に飛行中の機体から撮影されたものです。火星が見えてきました!

20181121_oguma_02.jpgImage credit:NASA/JPL-Caltech

インサイトは、2012年の探査車キュリオシティから6年ぶりに火星表面に着陸する探査機です。下のイメージ図ではプローブを地面に刺していますが、何を測るのでしょうか?地面に置いてある小さいドーム状の装置は何?

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