みえる人とみえない人はアンドロイドに何をみた

未来館の展示を誰かと一緒に見て語り合ったら、新しい発見があるかもしれません。

それも、自分とは立場が違う人――たとえばそれが、視覚障害者と晴眼者(見える人)だったなら?

 

2015年の12月、「みえる人とみえない人のミライカンバセーション ―ロボットとわたし」というタイトルで行ったイベントの一幕を紹介します。

 

このイベントは「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」のみなさんと一緒につくりました。
この団体に所属する「視覚障害者であるナビゲーター」と科学コミュニケーターと参加者で10人弱のチームを組み、未来館の展示を見学します。"見学する"と言っても、ナビゲーターは全盲のため展示が見えません。そこで、展示が見える方に、色や形、大きさなどといった「みえるもの」を言葉にしてもらいます。もう1つ大切なことが「みえないもの」です。みえないものとは、展示を見て感じたことや考えたこと。
参加者には晴眼者も視覚障害者もいて、視覚の程度は人それぞれです。それぞれの立場からみえるものを言葉にし、見たことや聞いたことから感じたみえないものを語り合います。

 

ナビゲーターは、展示の姿を想像し、想像しきれない部分を質問していきます。

 

たとえば、Geo-Cosmosを見ていたとき。

20160619kumagai01.jpg(上の写真は、地球の姿を映し出した大きな球型のディスプレイであるGeo-Cosmosとそれを見て語り合うチームの様子)

 

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アルクダケを体験できるのはあとムイカダケ!

ブログをご覧の皆様、こんにちは。科学コミュニケーターの野副です。2015年7月15日に公開したメディアラボ第15期展示「アルクダケ 一歩で進歩」はもうご体験していただけましたか?展示期間は6月27日の月曜日まで。あと6日間だけです。おかげさまで公開以来、これまでに9万人を超える方々にご体験いただいております。......9万人ですよ、9万人!!

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なぜわたくしは「!」マークまで付けて「9万人」という数字を喜んでいるのか。その9万人の中身がすごいのです。あ、本題に入る前に、アルクダケってなんじゃそら?という人はこちらをどうぞ!

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ソコに隕石が落ちたから ~チチュルブクレーター海洋掘削 その②~

こんにちは、科学コミュニケーターの坪井です。

先日お伝えしたチチュルブクレーターの海洋掘削プロジェクトは、5月28日に無事にそのミッションを終えました!
(前回のブログを書いたのは、27日。おっと、ギリギリセーフ...?)

 

20160615_tsuboi_01.JPGミッションを終えたプロジェクトメンバー(なんと清々しい笑顔!)
ESO outreachより

 

海底から掘り進めた距離は、1334 .69m。東京スカイツリーを縦に2本重ねた以上の距離です。計画していた1500 mまで掘削しなくても、今後の研究に十分な範囲の岩石試料を得ることができました。

ここからどんな新しい発見が出てくるのでしょうか?
くぅ~、待ちきれない!!

海洋での掘削は今回が初めてとなるチチュルブクレーターですが、実は、いろんな意味でとてつもなく絶妙な位置にできたものです。

今回は、冷めやらぬ熱を原動力に、前回書ききれなかったチチュルブクレーターそのものの坪井的興奮ポイントをお伝えします。
どうぞお付き合いください。

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"みらいのかぞく"を考える~特別ワークショップ編~

2月11日に実施したイベント「"みらいのかぞく"を考える~人の心・制度・科学技術~」の様子を、これまで4回にわたりお届けしてきました。

いよいよ今回が最後です。

 

実は2時間のトークイベント後、参加者限定の特別ワークショップも開催したのです。トークイベントでの濃い議論では飽き足らず、もっと深く家族について語り合いたい方20名ほどが参加してくださいました。このワークショップはグループディスカッション形式で行ったのですが、武藤香織先生松尾瑞穂先生だけでなく、ディスカッションパートでお話しいただいた加藤英明さん石塚幸子さん塚本紹史さんも各グループの一員として参加してもらいました。

 

ワークショップのメニューはこちら。

 

STEP1 家族とは誰のこと?

STEP2 家族をつなぐものとは?

STEP3 当事者とそうでない人の違いは?

STEP4 未来の家族はどうなる?

 

早速、STEP1から振り返っていきましょう。

 

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"みらいのかぞく"を考える~LGBTにみる多様な家族像

「"みらいのかぞく"を考える~人の心・制度・科学技術」のディスカッションパート後編です。

ディスカッションパート前編はこちら

LGBTの1人、塚本紹史さんに将来どのような家族を持つことを希望しているか、子どもを持つときに生殖補助医療などの科学技術を使いたいかお話を伺いました。

20160608hiei_1.png塚本紹史さん

塚本さんの見た目は男性。恋愛対象が男性であることから、周りからLGBTの「G(ゲイ):男性同性愛者」と考えられることが多いそうです。しかし、「自分の心は女性だと思っている」と述べているように、心と体の性が一致しない「T(トランスジェンダー):性同一性障害」と呼ぶほうが適切なのかもしれません。

塚本さんは、将来的に「子どもがいる家族」を持つことを希望しています。「できるだけ遺伝上のつながりがある子どもが欲しい」と考えていますが、恋愛対象が男性のため自然に子どもを授かることはありません。そのため、塚本さんは一般的でない結婚のかたちをとること、人工授精などの生殖補助医療を用いて子どもをつくることを望んでいます。

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"みらいのかぞく"を考える~精子提供による新たな家族のかたち~

科学コミュニケーター田中健のブログに続き、「"みらいのかぞく"を考える~人の心・制度・科学技術」のディスカッションパートを前編と後編にわけてご紹介します。前編のテーマはこちら。

非配偶者間人工授精(AID)

カップルが無精子症などを理由に不妊で悩んでいる場合、他人の精子を使って妊娠するという技術。この場合、産まれてくる子供と父親との間に、遺伝的なつながりはないことになります。この技術で生まれた人たちは日本全国に1万~2万人いると言われています。

これだけの数の人が生まれているにも関わらず、あまり聞いたことがありませんよね? 

「子ども(本人)に事実が伝えられていない」、「(親から聞いたりして)知っていたとしても他人には言えない」といったさまざま事情があることから、あまり知られてはいないのです。

トークイベントでは、自らがAIDによって生まれたことを公表している加藤英明さん、石塚幸子さんに、当事者としての率直な意見を述べていただき、技術の裏側にある、子どもの「出自を知る権利」などの課題について会場全体を巻き込み意見交換していきました。

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左側:加藤英明さん       右側:石塚幸子さん

※トークイベントの前に、加藤さんと石塚さんからお話をうかがっており、その内容も盛り込んでお届けします。

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113番元素ニホニウムのこれまでの歩み

新しく発見された4種類の元素名の案が、昨晩、国際学会である国際純正・応用化学連合(IUPAC)から発表されました。113番、115番、117番、118番の4つです。正式な命名は、秋~冬とされていますが、まずは

4つの元素の合成・発見に携わった皆さま、おめでとうございます!

と申し上げたいです。

これらの元素の合成・発見までの道のりは、昨日や今日のことではもちろんありません。日本の理化学研究所がかかわった113番元素の最初の発見は2004年、いまから12年前のことです(もちろん、研究はその前から)。

当時、この科学コミュニケーターブログはまだありませんでしたが、そのときのことも含めた、新元素をめぐる世界での研究競争の話を歴史を踏まえながら紹介した記事が未来館のサイトの中にあります。

以降、2012年の3回目の合成成功のときの記事や、命名権をめぐる記事などを科学コミュニケーターブログからピックアップしました。


編集管理人の独断と偏見にもとづく「取っつきやすさ」の★付き。★の数が多いほど、取っつきやすい記事です。

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どうなる!? 113番元素の名前

ついにきました!!!

待ちわびていたニュースがやってきました!

『2016年6月9日』

この日に何があるのかというと...?

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都会に住む人たちが、森林社会の未来を変える

こんにちは。新緑の訪れをお知らせしてからはや2ヶ月......GW過ぎ去り、気づけば初夏の日差しに!(そして、うかうかしているうちに、季節は梅雨へ......)

あっという間に駆け抜けていったある春の日に、とても嬉しいお誘いがありました。

 

「タケノコ、掘りませんか?」

 

返事はもちろん即答で

 

「はい!!!!」

 

ということで先日、人生初タケノコ掘りを楽しんできました。

 

1本収穫するのにこんなに苦労するとは思っておらず、案の定、翌日から全身筋肉痛に襲われました。

P4242213.JPGのサムネイル画像

全力でタケノコと格闘する科学コミュニケーター武田

(撮影:未来館 科学コミュニケーター髙橋)

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大量絶滅の謎を突き止めろ!チチュルブクレーターの海洋掘削!

 恐竜を含む地球上の75%の生物種が絶滅した白亜紀末(約6600万年前)の大量絶滅。30年に及ぶ科学論争を経て、この絶滅は巨大隕石の衝突によるものだとする「巨大隕石衝突説」が多くの支持を得るようになりました。しかし、隕石がどのような環境変動をもたらし、どのように生物が絶滅したのかはまだ謎が残っており、科学者は今も挑み続けています。4月5日からメキシコ・ユカタン半島沖で行なわれている海洋掘削プロジェクトは、まさにその最前線。科学者は何を解き明かそうとしているのでしょうか?

20160527tsuboi_01.jpgJOIDES RESOLUTION Websiteより (http://joidesresolution.org/node/4536)

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