危険をさがして 地震に備える
~団体プログラム「地震の国で生き残れ!」遠隔授業 実施報告~

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こんにちは!科学コミュニケーターの坪井です。
ハロウィンの翌日である、11月1日。私はこんなことをしていました。

20171101_tsuboi_01.pngパソコンと大きなディスプレイを見つめる科学コミュニケーターの宗像と坪井
何してる?

ゲーム? いえいえ、違います。
これ、中野区立緑野小学校との遠隔授業を行っているのです。

未来館では、来館する学校団体向けに提供しているプログラムがあります。その中から、30 min.サイエンス「地震の国で生き残れ!」を、今回、新たな取り組みとして、テレビ会議システムを使って行いました。

プログラムはどんな内容なのか?また、画面の向こうの子どもたちからはどんな反応が返ってきたのか、その様子をレポートします。

 

 

当日、中野区立緑野小学校は避難訓練の日。
授業中に地震が発生した想定のもと、それぞれの場所で身を守る体勢をとって地震が収まるのを待ち、その後、体育館に避難しました。
5分ほどで全員の避難が完了したところで、遠隔授業のスタートです。


最初に「地震って知っている?」「地震にあったことがある?」と聞くと、ほとんどの子が手を挙げてくれました。

その地震がなぜ起こるのか?常設展示「Geo-Scope」の動画を見ながら探っていきます。


20171101_tsuboi_02.jpg地震が起きた場所に次々と黄色の丸が現れる

 

2016年6月から1年の間に起きた地震の震央を表す黄色い丸が次々とあらわれると、画面越しに「えーー?!」と、画面越しにどよめきが聞こえてきました。地震が起こる数が、想像以上に多かったようです。

注目するのは、数だけではありません。
「地震がよく起こるところとあんまり起こらないところがありませんか?」と聞くと、「あるー!」との声。

では、日本はどちらでしょうか。
日本の場所を示すと、「うわーっ!」と驚きの声が返ってきました。


20171101_tsuboi_03.jpg日本列島が見えなくなっちゃった!

 

日本はたくさんの丸で埋め尽くされて、見えなくなっていたのです。なぜ日本はこれほど地震が多いのでしょう。それは、日本が4つのプレートに囲まれているため。ちょうどプレートがぶつかり合う場所であり、結果として日本の地面はヒビ(活断層)だらけ、地震大国であることを実感してもらいました。

 

日本のどこでも地震は起こる...。
ならば、地震が起きたらどうなるのかを、過去の地震から学びとっていきます。

多くの命が失われた原因。それは、1923年の関東大震災では火災、1995年の阪神淡路大震災では建物倒壊、2011年の東日本大震災では津波、2016年の熊本地震では土砂災害でした。
一言で「地震」といっても、地震のゆれで何が起こるかによって、私たちが受ける被害は変わるのです。

 

ここからは、実践です。
スライドにあるシチュエーションで、実際に自分が地震にあったときに、何が起こるのか、どんな危険があるのかを考えます。

 

例えば、こんな場所。

20171101_tsuboi_05.PNG教室で地震が起きたら...?

 

「どんな危険がありますか?」と聞くと、代表で答えてくれた6年生が、「蛍光灯やガラスが割れてケガをする。黒板が落ちる」と発表してくれました。
避難訓練のときに、なぜ頭を防災ずきんや手で守ったのか。先ほどの経験と上手く結びつきました。

 

地震の危険は、物が落ちてくるだけではありません。
例えば、こんな場所。

20171101_tsuboi_04.PNGガソリンスタンドで地震が起きたら...?

 

ガソリンスタンドの写真です。
別の6年生が想像した危険は「爆発」。引火しやすいガソリンがたくさんある場所だからです。
実は、日本のガソリンスタンドは、法律で定められた厳しい基準で建てられており、周辺で火事が起きても地下のガスタンクには引火しない構造になっています。それでも、事前にあらゆる可能性をしっかり想像することが大切です。

 

最後に、一番難しいシチュエーションをみてもらいました。
一見、落ちてくるものは、そんなになさそうな広場です。

20171101_tsuboi_06.pngここに潜む危険は...?

 

実はここ、東日本大震災のときに液状化が起こった場所。目で見えなくて、その土地のことをよく知らないと見つけられない危険もあるのです。

 

写真から、たくさんの危険を一緒に探した後、「今日の帰り道で、通学路にどんな危険があるのか探してみてね。」という宿題ミッションを出しました。自分が普段よく通る道の危険を知ることが、なによりの対策になるからです。緑野小学校の皆さんは、きっとたくさんの危険を見つけてくれていることでしょう。

 

遠隔で、しかも、体育館に集まった1年から6年まで全クラスの皆さんに向かってお話をするのは初めての経験でドキドキしましたが、緑野小学校の皆さんはたくさんの危険を想像してくれました。このお話をしたタイミングはちょうど、学校の授業中に地震がおきたときの練習として避難訓練を行った後。その発展として、学校の中だけにとどまらない、たくさんのシチュエーションの中にある危険を探したことで、リアリティをもって取り組むことができ、皆さんそれぞれにたくさんの気付きがあったのではないかと思います。

また、未来館の建物は、お台場から動くことはできませんが、「遠隔でこのような科学コミュニケーションが可能なんだ!」というのも、私にとっての大きな気付きでした。

展示フロアで来館者の皆さんと直接お話するだけに留まらない、さまざまな科学コミュニケーションの方法をこれからも探っていきたいです。

 


【ご興味・ご関心をお持ちの学校団体の方へ】

30 min.サイエンス「地震の国で生き残れ!」は、新しいコンテンツのため、試行体験という形での募集は締め切っておりますが、今後、定常コンテンツとして、継続していく予定です。小学校の学校団体向けにはなりますが、「課外学習などで未来館に訪れたときに実施したい」という方は、団体予約受付担当までお問い合わせください。

また、「地震の国で生き残れ!」に限らず、インターネットを通じた遠隔でのコンテンツ提供にご関心をお持ちでしたら、同じく団体予約受付担当までお問い合わせいただければ幸いです。

 

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