2012年ノーベル賞を予想する!~物理学賞その2~

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 ギリシャでは季節が変わると挨拶として「いい○○を~」と言います。皆さん、いい秋を! 夏の間に海と太陽をいっぱい楽しめましたか? あと2ヶ月ぐらい夏があったらいいな。

 さて、「ノーベル賞を予想する」の私の番になりました! 海と太陽を思い浮かべながら私のリサーチ結果を発表します!

ディミの予想する物理学賞

受賞者:Anton Zeilinger(オーストリア)、Alain Aspect(フランス)、John F. Clauser(アメリカ)

受賞テーマ:量子力学におけるベルの不等式の検証と量子もつれに関する研究

Anton Zeilinger (@J. Godany)

[caption id="attachment_18843" align="alignnone" width="200"] John F. Clauser @AIP Emilio Segrè Visual Archives[/caption]

この研究のここがスゴイ!

量子テレポーテーションとか、量子暗号、量子コンピューターなどといった言葉をきいたことはありませんか? 上の3人はこれらの研究の先駆者です。量子テレポーテーションの実験に成功し、それを応用したのが量子暗号、量子コンピューターです。まだ実用化していませんが、現在のコンピューターとは本質的に違います。

この研究のキーワードは「量子もつれ」。それって何? 大阪に住んでいた時、とてもいい友達に日本の昔話についていろいろ教えてもらった。今回は、量子力学を童話化して説明します。

「距離と時間を越える絡まれた恋愛」

昔々あるところに粒子ボーイと粒子ギャルがおったとさ。

ある日、粒子達はパーティーを開きました。そのパーティーで踊るうちに、粒子ボーイと粒子ギャルは近づいていきました。

「こんにちは、名前は?」

「粒子ギャルよ。あなたは?」

「粒子ボーイ。」

すぐに恋に落ちて、その日から二人の人生が絡まれました。このカップルはとてもユニークでした。お互いの愛はものすごく強くて不思議な力で二人の気持ちを結んでいました。一人は嬉しかった時、もう一人は悲しかったです。一人は悲しかった時、もう一人は嬉しかったです。謎なのは二人が同じ場所にいなくても相手の気持ちの変化を瞬時に感じて、適切に自分の気持ちも変わっていました。恋人同士の以心伝心?

二人の友達はこれを信じていなかったから、ある日、実験をしました。粒子ボーイを火星に行かせ、粒子ギャルを金星に行かせました。火星で待っていた粒子ボーイの友達は「今日の気分はどうですか?」と聞きました。「粒子ギャルから離れているから悲しい!」 同じ瞬間に、金星で待っていた粒子ギャルの友達も「今日の気分はどうですか?」と聞きました。「なぜか分からないけど今日は超嬉しいです!」

二人の愛の力は本当に距離と時間を越える!

おしまい。

もっと書きたいけれど、そろそろ本当の科学に戻る時間になりました。

量子力学での「量子つもれ」という現象は、粒子ボーイと粒子ギャルのように、距離を超えて情報が伝わる現象です。粒子(光子、電子など)2つは相互に作用した時(もつれた時)、同じ量子状態をシェアしています。例えば、粒子にはスピンという性質があります。スピンは回り方のこと。簡単にいうと左回りか右回り。もつれた状態にあるとき、一方が右回りならば、もう一方は左回り。話の粒子と同じように、量子もつれのある粒子2つを離ればなれにして、一方の粒子のスピンを測定して右回りと定まれば、他方は瞬時に左回りと定まります。え? 最初から右か左か定まった物を、引き離しても、そのままではないの? 量子力学では、そうとは言えないのです! ここが、量子の世界の不思議なところ。量子の世界では、測定するまでは右回りと左回りの状態が重ね合わせになった状態なのです。先の童話では火星の粒子ボーイは友達に聞かれるまで(測定されるまで)自分でも悲しいのか嬉しいのか、わからないのです。これは金星の粒子ギャルも同じ。でも、聞かれて、粒子ボーイが「悲しい」と応えると、瞬時に粒子ギャルも「嬉しい」となります。曖昧模糊とした一方の状態が決まると、もう一方の状態も瞬時に決まるのです。

ツァイリンガーらはこの現象で光子(光の粒子)を用いて量子テレポーテーションを実現しました。彼らは量子情報と量子テレポーテーションという新しい分野の先駆者になりました。将来にこの研究の成果に基づいて量子コンピューターを作ることは可能になります。量子コンピューターは現在のコンピューターに比べたら数倍強いです。社会にとても大きな影響を与えるに違いありません。

では、私はなぜこんな分かりにくいテーマを選んだのか?

みなさん、すでにおわかりと思います。私は不思議な科学のほうが好きです。実用的な超伝導より、応用されやすいLEDより、私はファンタジーに近い科学がすきです(だから天文学を勉強するの選びました)。私にとっては大事なのは応用性ではなくて、感動させるパワーです。そうはいっても、今回選んだ研究の場合、感動させるパワーがあるだけでなく、将来は絶対応用されます。

「テレポーテーションや量子コンピューターに興味があるけど。。。まだよく分からない、どうしたらいい?」 

答えはとても簡単:勉強!

残念なことに/幸いにも何かを理解したい場合、努力が必要です。この分野に興味を持った方に本をすすめたいと思います。「量子情報の物理―量子暗号、量子テレポーテーション、量子計算」D.Bouwmeester、A. Zeilinger。

 ノーベル物理学賞の発表は10月9日(火)日本時間の18時45分から。

あと20日間!わくわくしてきた!

私の予想が当たりますように~ アーメン!w

P.S.

さきほど、学術論文を調査しているトムソンロイター社から、今年の受賞予想が発表されました! 内容は・・・「量子テレポーテーション」です! 私が予想したテーマとほとんど同じだけど、受賞者の予想は違いました。トムソンロイター、勝負だ!!!!(笑)

<リンク>

2012年ノーベル物理学賞 「重ねて、もつれて」?

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この記事への1件のフィードバック

はじめまして。予想を興味深く拝見いたしました。

当たるかどうか、楽しみです。

さて、Alain Aspect先生の写真の、キャプションと引用が

抜けているようですので

追記していただければ幸いです。

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