花粉×黄砂×PM2.5のトリプルパンチ !?

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ビナサン、コンニジワ。

カフンコミュニケーター ノ ホリガワ デツ。

花粉症デツ。

ナントカシテ――!!!

と鼻をかみながら、花粉症にまつわるリサーチをしました。花粉症の方にお役に立てることを願って。(衝撃でかえって悪化したらごめんなさい・・・)

-トピック-

その1:まずは敵(スギ花粉)を知るべし!

その2:黄砂やPM2.5との関係

その3:花粉症の撃退にむけて進む研究

その1:まずは敵(スギ花粉)を知るべし!

さぁ、スギ花粉とにらめっこしましょう。

スギなんて見たくもない? 大丈夫、よく見る恐怖の映像(山から花粉がバァーッ)ではありません。未来館の5階には、顕微鏡が並んでいます。そこでスギ花粉も見ることができます。

さぞかしトゲトゲしていて、私の鼻をツンツンしているのでしょう・・・

ところが、意外にも丸い(図中の花粉の色は染色による)。

じゃあ、なんでこんなにツライのか !?

それは、花粉がトゲトゲしているからではなく、花粉がアレルゲン(抗原)を持っているから。アレルゲンは、私たちの体にとって「異物」であるため、体の免疫システムが「侵入者発見!」と作動し、体が防御態勢に入ります。

明らかになっているスギ花粉のアレルゲンは、Cry j 1Cry j 2というタンパク質で、Cry j 1は主に花粉の外側(外壁とそこについている粒)に、Cry j 2は花粉内部のデンプン粒に含まれます。

ちなみに、Cry j (クリジェイ)は、日本スギの学名Cryptomeria japonica (クリポトメリア ヤポニカ) の略称ですが、スギ花粉症は日本人だけと言われています・・・たしかに、未来館にいらした海外のお客様に「Do you have pollen allergy? (花粉症ですか) 」と聞いても、「No」という返事が多く、ましてスギ花粉症の人にはお会いしたことがないです。

さて、2種類のアレルゲンを持つスギ花粉ですが、なんと濡れると割れます! (だから雨の翌日はひどくなる)

雨や鼻や目の粘膜で花粉が濡れると、まず外壁からCry j 1が染み出て、Cry j 1を含む粒もポロッととれます。さらに完全に湿ってから4分後には、水を吸って膨らんだ花粉の殻が割れ、Cry j 2を含む中身が、むにゅ~んと出てきます。こうしてCry j 1とCry j 2が解き放たれます。

こうなると、私たちの体の免疫細胞がCry j 1とCry j 2を発見し、免疫システムが稼働すると花粉症の4大症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ)が起こります。(涙)

しかも、大気汚染物質が殻に亀裂を入れて、花粉を割れやすくしているというのです・・・

 

その2:黄砂やPM2.5との関係

環境省の花粉観測システム(愛称:はなこさん)によると、今年は去年に比べ、全国的に(地域によっては2~7倍ほど)花粉の飛散量が多いようです。また花粉症でない方でも、黄砂や、最近話題のPM2.5の健康被害を気にされている方は多いのではないでしょうか。

ところで、PM2.5って・・・(まさか午後2時半?)。PM2.5については、野副「PM2.5って何? 2.5μmのおはなし」長倉「PM2.5ってどうやって観測しているの?」で詳しくご覧いただけますが、微小粒子状物質 (PM2.5) は、大気中に浮遊している2.5μm以下(髪の毛の太さの1/30程度、スギ花粉と比べても1/10以下)の小さな粒子の総称です。肺の奥深くまで入りやすいことから、肺がん、呼吸系、循環器系への影響が懸念されています。発生原因は様々ですが、物の燃焼から直接生じるものと、ガス状の大気汚染物質どうしが化学反応によって粒子化したものがあります。一方、黄砂は中国の砂漠や高原から巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来したものです。

花粉症の話に戻りますと、PM2.5などの微粒子や黄砂は、花粉と同時に人体に取り込まれることで「アジュバント効果」を引き起こすと考えられています。アジュバントとは、それ自体はアレルゲン(抗原)ではないものの、補助因子となって免疫反応を強める物質です(もともとは感染症を予防するワクチンの効果を高めるための補助剤を指します)。つまり粉症がひどくなりうる。(号泣)

他にも、黄砂が大気汚染物質を一緒に運んでくること、大気汚染物質を含んだ雨が花粉からアレルゲンを溶け出しやすることなどが、都市部での花粉症患者を増やす原因と考えられています。

 

その3:花粉症の撃退にむけて進む研究

ここまで、涙ながらに花粉症についてみてきました・・・。ついに希望の光が!

それは花粉の出ないスギ 。(嬉し涙)

花粉症対策品種として、花粉の少ないスギや無花粉スギが開発されています。その一つ、無花粉スギの 「爽春」は雄性不念性といって、雄花が成熟する過程で花粉が正常に発達せず、花粉がつくられません!とはいえ、スギの成長には10年以上かかるので、恩恵に預かれるのはまだ先…。それでも将来の爽やかな春のため、全国に普及してほしい!という話をしたところ、同僚から「花粉ないのに、どーやって殖やすの?」と鋭いつっこみが。

細胞増殖で増やす方法もありますが、主流は挿し木です!枝を切り、苗床で根を生やさせ、苗木を作ります。

さらに別のアプローチから期待をされているのが花粉症緩和米です。

花粉症緩和米のアプローチは、「減感作(げんかんさ)療法」といって、これは、体を徐々にアレルゲン(抗原)に慣れさせて、最終的にはアレルギーが起こりにくい体質に変える根本的な治癒を目指すもの。毎日食べるご飯で減感作ができれば、負担も少なく、病院に行ったり、薬を飲む必要もなくなります。花粉症緩和米は、遺伝子組み換え技術を利用して、花粉症のアレルゲンとなる物質を含むようにしたお米で、現在、食品としての安全性の確認する実験が行われています。スギ花粉症もそうですが、主食のお米で治す発想も日本ならではですね!

 

 

・・・ぼやき・・・

花粉症患者の一人としては、年々辛くなるし、スギを全部切ってほしいくらい。だけど、スギを植えたのも、山をきちんと管理しきれなかったのも人間・・・。花粉、黄砂、PM2.5とトリプルパンチをくらっているけど、汚染物質を出しているのも人間・・・。花粉症は環境問題を象徴する現代病なのかもしれない。なってからでは遅いのだけど、今こそ真剣にこれからの環境との付き合い方を考えろ、と警告されている気がする・・・と花粉症になって、こんなことを思うのでした。

 

【参考】

・花粉および大気汚染物質について(埼玉大学 王 青躍 研究室)

http://park.saitama-u.ac.jp/~wang_oseiyo/index-j.php

・PM2.5に関する情報(環境省)

http://www.env.go.jp/air/osen/pm/info.html

・黄砂に関する情報(環境省)

http://www.env.go.jp/air/dss/

・無花粉スギ等の花粉症対策品種について(独立行政法人 林木育種センター)

http://ftbc.job.affrc.go.jp/

・スギ花粉症緩和米について(独立行政法人 農業生物資源研究所)

http://www.nias.affrc.go.jp/gmo/index.html

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