2018年未来館ノーベル活動を振り返る

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こんにちは!科学コミュニケーターの片平です。

自然科学3賞の予想、発表後の速報ブログとあわただしく続いた未来館のノーベル活動が終わりを迎えようとしています。

このブログは、ノーベル賞に関連した一連のイベントをひっそりと見守り、ニコニコ生放送では運営コメントを打っていた2人の科学コミュニケーター片平と宮田の振り返りトークです。(本当は2人とも関西弁なのですが、あまりにざっくばらんに過ぎるので、標準語に修正されています。あらかじめご了承ください。)

宮田:今年もノーベル賞の発表が終わりましたね。

片平:今回は去年のように的中!(昨年は物理学賞が重力波の予想を的中)とはいかなかったけれど、何とか乗り切ったね。

宮田:僕としては、予想外の内容が受賞して、メンバーみんなが混乱するのを期待していたんですが......。

片平:我々はニコ生チームとして、発表の日に運営コメントや前説の動画を作ったりと、視聴者のみなさんが楽しめるための伝え方の部分を担当していたけど、各チームのみんなはずいぶん前から予想テーマの準備で大変だっただろうね。

宮田:あの予想はどうやって立てているんでしょうね、チームのメンバーに聞いてみましょう。(周りを見渡して)あ、毛利さーん。

 

宮田:ノーベル賞の予想ってどうやって立ててるんですか?

(生理学・医学賞リーダー)毛利:自分がこれがすごい!と思った研究を紹介しています。

片平:予想というより、自分の好きな研究なんですか!?

毛利:それもありますけど、私たち生理学・医学賞のチームでは、薬の開発につながっていることもあるので、社会的なインパクトを鑑みて選んだりしています。それに技術的なものは昔の研究、というよりは比較的最近の研究成果が受賞することもあります。

宮田:それって、当てる気無いってことですか?

毛利:私たちの目的は予想を当てる、というよりはノーベル賞にふさわしいような素晴らしい研究を紹介したい、という気持ちで選んでいます。

宮田:ネタ切れになることってあるんですか?

毛利:それぞれの科学コミュニケーターが自分のバックグランドも活かしながらすごいと思う人を紹介してくれるので、これからも大丈夫だと思います!

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予想を紹介する生理学・医学賞チーム櫛田

片平:じゃあ、外れたらそれで終わりではなく、ブログでは今年の予想を知ってもらいたいという毛利さんの気持ちを受けて、リンクで紹介しておきますね。

毛利さんが予想したのはこちら
2018年ノーベル生理学・医学賞を予想する③ 適応免疫に必須なリンパ球と器官の発見
http://blog.miraikan.jst.go.jp/topics/201809262018-12.html 
他のメンバーの予想もブログ内にリンクがあります。

 

宮田:毛利さん、ありがとうございました。

片平:ということで、1日目だった生理学・医学賞は未来館でも3年前に予想していたジェームズ・アリソン博士と本庶 佑博士のお二人が受賞されました。

【詳報】2018年ノーベル生理学・医学賞発表! 免疫を抑える仕組みの発見およびその仕組みを応用したがん治療法の開発
http://blog.miraikan.jst.go.jp/topics/201810022018-15.html

宮田:片平さんのセリフが説明とリンクでいっぱいになってきましたね。(笑)
生理学・医学賞の本番は過去の予想で準備した資料もあったので、あまり混乱もなかったですね、残念。

 

片平:宮田君と視聴者のみなさんが期待している発表直後の混乱、現場で対応している人たち(私たちも座っていましたが、)はどんな気持ちなんだろうね。おっ、ちょうどいいところに、高知尾く~ん。

宮田:発表された瞬間って、どんな気分でしたか?焦ったんじゃないですか?

(物理学賞リーダー)高知尾:発表の現地の中継を見ていると、最初に顔写真が出てくる前に、今年は~~の研究で、と話し始めるんですが、今年はそれがうまく聞き取れませんでした。なので、一緒にいた坪井さんの方を見ました......。

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現地映像を見ながら少し不安げなリーダー高知尾
後ろでは情報収集を急ぐメンバーの清水・伊達があわただしく動いています

宮田:リーダー、それでいいんですか!?そこからどう持ち直したんですか?

高知尾:前半(光ピンセット)は自分の専門分野とはかなり離れていたので、むずかしかったです。後半のレーザーの分野については少しなじみもあったので、次第にどんな話なのか見えてきました。それでも医療分野の応用例なども紹介されていて、焦りがありました。

片平:理解が追いついた高知尾ら、ぶつりーずが執筆したブログはこちら
【詳報・応用編】2018年ノーベル物理学賞はレーザーの革新的な研究とその応用に!
http://blog.miraikan.jst.go.jp/topics/20181003-20183-100001-10nm.html

宮田:そうは言っても、カメラの前に座っている高知尾さんの手元には他に情報もないですよね。後ろから清水さん、伊達さんが来た時はホッとしましたか?

高知尾:かなりホッとしました。前日の生理学・医学賞の流れもあったので、知っている誰かの研究ではないか、と思っていたのに、思わぬところからの受賞者で不意を突かれました。

宮田:その混乱を待っていましたよ。でも、上手くチームで代わる代わる説明に入っていて、少しずつ受賞テーマの内容がわかっていく流れがとても良かったです。これが僕は見たかったんですよ。

片平:現場のリーダーのリアルな心情を聞けました。高知尾さんありがとうございます。

 

宮田:ニコニコ生放送では発表直後までを見てもらっていますけど、本当に大変なのは放送後からですよね。

片平:(次のブログのリンクを準備しながら)放送後から受賞テーマをより理解していかないといけないし、翌日、翌々日には詳細なブログや解説の準備をしているからね。

宮田:そのあたりはどんな感じで進めてるんでしょうね。森脇さんに聞いてみましょう。化学賞の放送終了後はどんな感じだったんですか?

 

(化学賞リーダー)森脇:化学賞は受賞テーマの説明に「酵素」や「免疫」「抗体」など、生物系のバックグラウンドのある人にとっては聞きなれた単語が並んでいたので、いけると思っていたのですが......。

宮田:放送中は、ブログもすぐに書ける見込みだった?

森脇:しかし、いざ書いてみると、わかりやすく説明するためにはどうしても言葉足らずになってしまったり、リリースを読み込んでいこうとすると他の研究者のお名前があったり、どんなところでこの技術が使われているのかを理解するのに、かなり苦労しました。

片平:そんな化学賞チーム苦心のブログはこちら です。
【詳報】 2018年ノーベル化学賞!~タンパク質を進化させよ!~
http://blog.miraikan.jst.go.jp/topics/20181003-2018.html

宮田:スピード感を求められる中で、いろんなことを考えながら大変ですね。

森脇:それでも準備して、翌日解説を始めるとたくさんのお客様が来てくださったのはうれしかったです。化学賞というと、一見みなさんが自分とのつながりを見つけにくいこともありますし、日本人の先生が受賞されて大々的に報道されたわけでもなかったのに......。来館してくださったみなさん、ブログを読んでくださったみなさん、ありがとうございます。

20181007_katahira_04.jpg発表翌日の化学賞チーム田中のトークの様子

 

宮田日本人が受賞しないとテレビや新聞で報道されることが少なくなってしまうのに、ちゃんと研究テーマを理解して翌日には、来館してくれるお客様や、ブログを見てくれるみなさんに届けることができるのは、このノーベル賞のイベントの良いところだと思いました。

片平:ちょっと宮田君、いいコメント過ぎないか......。

宮田:そろそろまとめた方がいいかと思いまして。
ということで、そんな一連のノーベル賞関連イベントの最後を飾るのがこちらです。

誰でもわかる 今年のノーベル賞 ~生理学・医学、物理学、化学賞~【日本科学未来館×ニコ生】
http://live.nicovideo.jp/gate/lv315579508

片平:最後の告知をとられてしまった......。放送は10/14(日)18:00からです。みなさまぜひご覧ください。お時間が、という方はタイムシフトでもぜひ。

 

おまけ)

実は、イグノーベル賞もニコ生をしておりました。イグノーベル賞の創設者であるマーク・エイブラハムさんをゲストに迎えた豪華版です(9月23日放送)。こちらもぜひご覧ください。

イグノーベル賞のすべて!~ 仕掛け人マーク氏に聞く 【日本科学未来館×ニコ生】
http://live2.nicovideo.jp/watch/lv315221697