つららに隠された秘密

屋根の軒先に、寒風に吹かれて太く、長く成長したつららがずらり。

太陽の光を浴びて輝いている。

手に取ると、じんじんと刺激が伝わってくる。

じっと見つめていると、

つららに隠されたある「秘密」に気づいたのです!

こんにちは!ふくだです。もうすっかり暖かくなり、桜が開花する季節になってしまいましたが、あえて冬の話題です。(季節はずれですいません)1月中旬、私は長野県軽井沢町に遊びに行きました。前日に大雪が降ったらしく、一晩でひざの高さほどまで、一気に積もったようでした。そして、冒頭の太いつららと出会ったのです。どんな秘密に気づいたかというと・・・。

上の写真をよーく見てください。そうです。規則正しく波打ってできた「こぶ」が、表面にあるんです!

どうやってできるの?

そもそも、つららはどのようにできるのでしょうか?屋根などから垂れる水滴が凍ったものですが、その凍り方が面白いんです。上の図は「つららが成長する過程の断面図」です。白い部分は、屋根から垂れる水滴。濃い青い部分は、水滴が凍ったつららです。最初に、外側から膜を張るように凍ります(①)。そして内側に向かって結晶化し(②)、最後に中心が固まります。なので、つららの先端は上の図のように、奇妙な形をしています!さらに、つららの表面に屋根から水が流れ落ち、外側に向かって結晶が成長して太くなります(③)。

波模様ができる理由は?

それでは、波模様はどのようにできるのでしょうか?上の説明の(③)にあたる「つららが太くなるとき」に、水の落ちる量や気温などが変化し、表面にわずかな凸凹ができます。

そして、次のような原因により、凸部分が大きく成長します。

  • 凸部の方が冷える(過冷却度が大きい)
  • 凸部の方が熱が逃げやすい

このようにしてできた波模様の波長は気温に関係なく、水の供給速度を1時間あたりQ ml、つららの円周をL cmとすると、Q/Lに比例するそうです。そして、天然のつららはどれも9mm前後になります!

お菓子の角にも!?

ここまで文章を書いて、ある考えが浮かびました。「あれ」も同じ原理なんじゃないかと。角がたくさんある、甘いお菓子。金平糖。

金平糖は、もち米を砕いた「イラ粉」に、グラニュー糖を溶かした蜜をかけて作るそうです。なんと2週間近くも蜜をかけ続けて、少しずつ砂糖の結晶を大きくしていきます。その過程で、温度の変化などの要因で表面にわずかな凸凹ができ、凸部は熱が逃げやすい、凸部には蜜がかかりやすいなどの理由で、局所的に成長して角ができます。

このように、凸部が優先的に成長してできた結晶のことを、木の枝の形に例えて「樹枝状結晶(デンドライト結晶)」といいます。実はこの樹枝状結晶は、自然の中にたくさんあるんですよ。

鍾乳洞にもつららのような波模様が・・・

雪の結晶にも・・・

皆さんも探してみてください!

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