ウミウシに会いに行こう!

まぶしい日差し、さわやかな風。待ってました、この季節!

部屋の中に閉じこもってなんかないで、さあ、行きましょう……

ウミウシの待つ磯へ!

真夏前のこの時期は、ウミウシ採集のベストシーズン!

(梅雨入りしてしまっても、合間に天候の良い日があるさ!)

「さあ、磯に行きますよ~!」

私が高らかに叫ぶと、「私も!」「俺も!」と、好奇心旺盛な科学コミュニケーター達が集まってきました。でも、ちょっと待ってね。ウミウシに会うには準備が必要です。

準備1:潮を調べる

潮がよく引く日(大潮の周辺)と干潮時間を調べ、その前後1時間の間を狙って出かけます。潮はネットなどにある「潮汐表」で、目的地周辺のものを見ましょう。

準備2:身支度

油断をすると、痛い目に遭います。身支度はしっかり整えて行きましょう。

痛い目別にご紹介します。

■怪我…磯は滑りやすく、ざらざらの岩やとがった生き物も。

また、海風は冷たいので、防寒対策としても。

→長袖・長ズボン・スニーカー(サンダル厳禁!)

■日差し…直射日光による熱中症と日焼けに注意。

→ぼうし・首にタオル・日焼け止め

■見つけた!…じっくり観察するために。

→バケツ・透明な入れ物

■今何時?…うかうかしてると、潮が満ちてきます。

→防水の腕時計

では、磯に行きましょう!

ウミウシがいるのは、こんな岩がごつごつした磯です。

水中をのぞいてみると、いろいろな海藻が生えています。でも、ウミウシを見つけるためには、上から眺めてるだけではダメ。

垂れ下がる海藻(主にヒジキ)をかき分け、岩の壁面をじっと見つめるのです……。

なにもいないよー、とすぐに諦めることなかれ。

見つけるための一番のコツは「数打ちゃ当たる!」。ひたすら海藻をかきわけて、かきわけて、かきわけるのです!目が慣れてくると、岩肌でもなく、海藻でもない何かの存在に気づくようになります。

お!これは!?

……わかりますか?

人差し指の先の、くしゃくしゃした何か。海水を入れたケースに入れれば、このとおり。

オトメウミウシでした。

体長は2cmほど。赤い触角が、乙女のリボンのようでかわいいですね。

私がはじめて出会ったウミウシ (リンクは削除されました)である、アオウミウシもいました!!

じゃ~ん!

ああ、やっぱりかわいいですね。まだちょっと幼くてあどけない雰囲気です。これからもう少し成長して、3~4cmくらいになります。

プラスチックケースに反射して、横から見た姿もうっすらと左下に見えますね。

かわいさに惹かれて、仲間も集まってきました。え、触りたい?

触ってもいいけど……

ぎゃーーーー!!

あの日の衝撃 (リンクは削除されました)再来です。

かわいそうだから、早く海水に入れてあげてください。

この日出会えたウミウシとその仲間は、8種類ほど。

ウミウシ以外にもいろいろな生き物に出会うことができました。

磯はとっても楽しい場所ですが、危険な生き物もいる場所です。私も行きたいな!と思った方は、必ずその地域にいる危険な生き物も調べてからお出かけくださいね。

また、各地の磯で地元の博物館やNPOが観察会を開いています。詳しい人がいると、楽しさ倍増なので、ぜひ探して参加してみましょう。

干潮時間から1時間後。かなり潮も上がってきました。

楽しく観察した後は、海にリリースです。

「やだー、かわいいから連れて帰るー!」とだだをこねる大人 (リンクは削除されました)もいましたが、ウミウシは連れて帰っても飼えません。

また、磯に会いにくるからね。

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