「あなたの声を聞かせてください!」
みなさんにそう問いかけるイベントが、2月3日(土)に未来館で開催されます。
皆さんの声を聞くのは、皆さん自身、そして、政府の専門調査会のメンバーである原山優子氏と加藤和人氏です。聞かせていただきたいのは、「ヒトの受精卵を研究に使ってもよいか」という問いについてです。
私達の命は、たった一つの細胞である受精卵から始まりました。
現在の日本の方針では、ヒト受精卵は、将来人間になる可能性をもつ「生命の萌芽」として、特に尊重されるべきものと位置づけられています。このため、ヒト受精卵を使った研究は原則認められておらず、ごく限られた研究に厳しく限定されています。
しかし、「ゲノム編集技術」の登場をきっかけに状況は大きく変化しました。この技術を使えば、生物の設計図であるゲノムの書き換えが自由にできるようになり、遺伝子のはたらきを簡単に調べることができるようになったのです。
この技術を使ってヒト受精卵の研究をすれば、受精卵が胎児になるまでのしくみの解明や、遺伝性疾患やがんなどに対する新しい治療法の開発など、新しい成果が得られるかもしれません。また、身体能力を高めたり、好みの容姿に変えたりする方法の開発なども可能になるかもしれません。
一方、倫理的な問題もあります。研究に使用するヒト受精卵は、生殖補助医療のために得られたもので、処分することが決まったもの。とはいえ、ヒト受精卵が「生命の萌芽」という存在であることは変わりありません。
あなたは、どういう研究のためならば、ヒト受精卵を研究に用いても良いと思いますか?
政府の専門調査会では、2015年から「ヒト受精卵にゲノム研究技術を用いる研究」について、生命倫理の遵守と研究の推進の両立が可能となるよう検討をしています。
日本科学未来館では、2017年12月から、科学コミュニケーターによるサイエンスミニトークをおこない、ヒト受精卵を使用した研究に対する疑問点や意見を集めてきました。
今回のイベントは、その特別版!
この問題を議論している専門調査会会長である原山優子氏と、メンバーの加藤和人氏をお招きし、みなさんと直接語り合っていただきます。
この話を聞いて皆さんが感じた疑問や思いを、直接、委員に届けてみませんか。あなたの声が未来社会を変えるかもしれません。皆様のご参加をお待ちしています!
開催日時:2018年2月3日(土) トーク①13:30~14:00、トーク②15:30~16:00
開催場所:日本科学未来館 5階 コ・スタジオ
主催:日本科学未来館
共催:内閣府
申し込み不要(出入り自由)、入館料のみでご参加可能です。
詳細は未来館のイベント紹介のこちらのページをどうぞ!(https://www.miraikan.jst.go.jp/event/1801221522462.html)
これまでの国の専門調査会での議論は、内閣府 総合科学技術・イノベーション会議生命倫理専門調査会のページでご覧いただけます。
編集履歴(2018年2月1日)
イベント概要(開催日時など)と追加情報のリンク先が抜けていたため、追記しました。